2008-08-12 07:28 | カテゴリ:未分類

問われているのは大学の認証評価機関の本気度でもある

 

先日以下のニュースが流れた。現在の大学の状況を示す実に的確な内容である。

 

200884日(月)02:13 Yomiuri on line

私大定員割れ 合併・再編も視野に入れよ

 こんなに多くの大学が必要なのか。そう思わせるような結果である。

 日本私立学校振興・共済事業団が発表した今年度の私立大学入学者の動向で、全国の私大の47%が定員割れを起こしたことが判明した。

 募集停止などを除く565校のうち266校にも上る。定員の50%未満だった私大も29校ある。

 延べ受験者数はわずかながら増えている。大手私大を中心に、1回の入試で複数の学部を受験できる制度や地方会場での入試を増やしたためだ。定員3000人以上の大規模校は全体の4%しかないが、受験者数の半分を集めた。

 人気が集中する都市部の大規模校と地方の小規模校の「二極化」が、一段と鮮明になった。

 国公立大志向が強まっていることもあろう。しかし、大きな要因は少子化にもかかわらず、規制緩和で大学設置基準が弾力化され、大学が増えている点にある。

 18歳人口は10年前の約160万人より40万人近く減ったのに、大学は国公立も含め約600校だったのが750校以上になった。多様な大学、学部が登場する一方、「大学」の名に値するのか疑わしいところもある。

 規制緩和は、新しい大学の参入によって競争を促し、教育の質を高めるのが狙いだったはずだ。だが、AO(アドミッション・オフィス)入試などで安易な入学者確保に走るところも少なくない。

 中央教育審議会は7月にまとめた答申案で、「社会の負託に応えられない大学は、淘汰を避けられない」との認識を示した。

 設置を認めるかどうか審査する大学設置・学校法人審議会は、事前チェックを厳格化すべきだ。文部科学省も、私大の破綻に備え、学生の受け皿など処理策を練っておく必要がある。

 私大は学部ごとの定員割れの割合に応じて私学補助金を減額され、定員の50%以下ならゼロになる。定員を満たせないと、経営は一層苦しくなる。

 破綻すれば影響を受けるのは在学生だ。私学には建学理念や経営方針があるが、早めに思い切った対策を打ち出さねばならない。

 人気の低い学部は廃止し、特色のある学部に特化する。地域が求める人材の育成・輩出に絞った学部などに改組する。こうした措置が考えられよう。

 国立大学は法人化を前に再編が進み、私大でも一部に合併の動きが見られる。合併・再編も一つの手だ。破綻に追い込まれる前に、大胆な経営判断が必要である。

 

これについて私見を述べたい。

 

少子化で私学の全員入学に近い状況が生まれている。公立大学や国立大学も学部によっては合格ラインをゆるめて、定員の充足率を高めている可能性がある。定員を充足しなければ文科省による補助金が削減されるからである。このことが必然的に、入学してくる大学生の質の低下を急速に加速していると考えられる。

ニュースにあるように現在学生は大学に入りやすいが、まだ決して卒業しにくい状況ではない。入ってくる学生は“ところてん式卒業”が当たり前と考えているのではないだろうか。これまでの日本の大学教育を受けてきた大部分の親もそう考えているのではないだろうか。大学が低学力の学生を受け入れたはいいが、それでは卒業時に高学力になって卒業してくるかどうかが社会的に問われることになる。このように卒業生の質を高めるためには、在学中にきちんとした教育を受けて(施設・設備・制度が充実しており)それをきちんと消化してきているかいるかどうか(施設・設備・制度が有効に機能しているか)、が問われなければならない。つまり大学に対する厳正な <教育プロセス評価> が必要である。

そのために、現在高等教育の認証評価機関として、

「独立行政法人 大学評価学位授与機構」、

「財団法人 大学基準協会」、

「財団法人 日本高等教育評価機構」

の3つがある。これらの評価機関は、「学校教育法」が定める「大学評価制度」に従って大学が以下の事項を行っているかどうかを評価しなければならない。

1)大学は、その教育研究水準の向上に資するため、

当該大学の教育及び研究、組織及び運営並びに施

設及び設備(教育研究等)の状況について自ら点検

及び評価を行い、その結果を公表(自己評価等)す

るものとする。

2)大学は、前項の自己評価等に加え、当該大学の教

育研究等の総合的な状況について、7年以内ごとに、

認証評価機関による評価(認証評価)を受けるもの

とする。

 

文科省の期待は、これらの評価機関が厳正な評価を行うことであろう。大学設置認可基準のところをゆるめて認可してしまった現在の乱立する大学が、7年毎のこの「認証評価」で、それぞれの認証評価機関が定める <最低限の基準> を満たしていること、を期待しているわけである。真に基準を満たしていれば、”国際的に通用する人材”がどの大学からも輩出する仕組みになっているはずである。果たして。。。

   従って、問われているのは、これらの評価機関が本気かどうかでもある。現状では、認証評価の結果によっては、”基準を満たさない大学”が続出して、学部の統廃合、大学間の統廃合、が急速に進行しなければならなくなる事態が予想される。少子化の流れからすでに予想されていたこととはいえ、大学経営にとって非常に厳しい現実が予想よりもはるかに早く到来した。

 

(森敏)

 

 

秘密

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