2017-04-01 16:28 | カテゴリ:未分類
以下は転載です。
   

被曝上限20 倍化。国会で「障防法」改正へ
2017年4月1日 福島再生支援東海ネットワーク 事務局
  

年20ミリシーベルト帰還方針は、明らかな犯罪行為である。
   


このことを、このクニの野党はまったく言わない、抵抗もしない。
   
一般人の放射線による被曝上限は、年1ミリシーベルトと法律で決められている。
年1ミリといえば、1時間当たりではほぼ0.1マイクロシーベルトである。これを政府は屋内・屋
外被曝と分け、屋内は低いからという理由で0.23マイクロシーベルトとするが、これには確た
る根拠はなく、実測しても屋内外が同じ、もしくは屋内の方が高い、という例はいくつもある。
だから、上限は0.1マイクロシーベルトとみなすべきである。
この法律を「放射線障害防止法(障防法)」と言い、年1ミリを守らずに一般人に危険を及ぼせ
ば、10年の懲役である。明快である。
  
ここは既に法治国家ではない。いまや名実ともに無法国家である。
   
法治国家であれば、政府と行政の責任者は直ちに逮捕され、起訴・裁判を経て、刑務所に収監
されなければならないからだ。
野党もすでに本来の野党や反対勢力では有り得ない。この無法を許すのなら、彼等もまた共犯
者にほかならない。

年1ミリシーベルトという被曝ですら、それは安全を保証する基準ではない。このことはそれを
決めたICRP(国際放射線防護委員会)自身が認めていることである。
法律を20倍も侵犯し、人間を含む全生命とその持続を否定するという支配意志。
初期の高濃度被曝に加えて年20ミリシーベルトの追加被曝に住民を強制的に追い込んでいくこ
のクニの政府。
彼等は累積被曝100ミリシーベルトまで安全、などと云うが、年20ミリシーベルトが5年たてば、
それを越えてしまう。

国法と現行政策の20倍もの乖離。

この絶対矛盾を、日本政府とICRP& IAEAは「放射線障害防止法」自体の改作で乗り切ろうとす
るであろう。

その動きはすでに「放射線審議会」の諮問機関から政策提言機関への権限強化、1ミリ→20ミリ
への規制基準の「緩和」として始まっている。
支配者の念頭に、「民のいのち」などはない。
民の強い意志表示で、これを止めなくてはならない。

2016-10-10 12:28 | カテゴリ:未分類
以下の情報が全国に避難されている飯舘村の皆さんにも届くことを期待して、
転載します。
小生のpdf からjpeg への変換技術が悪くて、その結果か解像度が悪くて画像の文字が読み辛いでしょうが、目をさらにして解読してください。すみません。 


飯舘村10 月村長選挙レポート

佐藤八郎さんと現村長・菅野典雄さんの政策比較を
2016 年10 月9日 飯舘村/福島再生支援東海ネットワーク 事務局

村長選は6 日に公示され、16 日の投票日に向けて闘いは既に中盤にさしかかってきました。
県外の支援者は一部の人を除いてなかなか応援もままならぬ状況ですが、その一端として両候
補の政策チラシをご紹介いたしますので、ご参考になさって下さい。

 
現村長の主張は来年春帰村、再来年春学校再開に集約されている。
帰村すれば、いいことあるよ、ということだろう。
安心安全と云われるが、国法を逸脱した年20ミリシーベルト安全説であり、事故直後の村民の高濃度被曝も無視されており、要するに「放射能無害」説ということになる。
加えて佐藤八郎は国とのパイプもなく、今後の補償・補助は期待できないよ、と。
     
対する佐藤八郎さんのスローガンは
「政府いいなりの来年春帰村方針の白紙撤回」がまずきて、
チラシ裏側が具体的政策となる。
     
政策は
1.村長出前相談会で村民の意向をしっかり聴き取る
2.完全除染の実現と学校再開時
期は父母の意向による
3.完全賠償を実現する
4.生涯無料検診・治療の実現
5.生業再建への全力支援
…となる。
         
子どもを筆頭とする村民のいのちを守るということが中心に据えられていると考えればよい。
煎じ詰めれば「いのちか、カネか」という選択となるわけだ。
その上で今後の村民の暮らしの再建を精一杯支援する、という骨組みである。
    
原発とカネを選びますか、それとも子どもや村民のいのちを選びますか。
この問いかけは、大きく言えばこのクニの全ての人々、ひいては全人類への巨大な問題提起となっていることに気付かねばならないだろう。
   
6日公示、16日投票。選挙はもう始まっている。
         
        
プレゼンテーション1
  


かんののりお 
  
  
  
(森敏)
 
追記1:(10月13日)発行の「週刊女性自身」に和田秀子取材・文として、2ページにわたって
全村避難の飯舘村12年ぶりの村長選挙ルポ
が載っている。
 
追記2:選挙結果です(2016.10.17)
   

飯舘村長に菅野典雄氏 新人・佐藤氏破り6選、避難解除を支持
 

20161017
     

任期満了に伴う飯舘村長選は16日、投票が行われ、即日開票の結果、無所属で現職の菅野典雄氏(69)=5期=が、前村議で無所属新人の佐藤八郎氏(65)を581票差で破り、6選を果たした。任期は27日から4年。

 12年ぶりに選挙戦となった同村長選は、来春に予定されている村の避難指示解除を最大の争点に激戦を展開。現職の菅野氏が解除時期の白紙を掲げる佐藤氏との戦いに勝利したことで、来年3月31日の帰還困難区域を除く避難指示解除に向けた動きは予定通り進む見通しとなった。

 菅野氏は、震災と原発事故後に政府と交渉して実現してきた施策や村長5期の実績などを強調。加えて、3月31日の避難指示解除後の「新たな村づくりによる復興の加速化」を訴えた。村民は村内の復興策を推し進める菅野氏の実績と姿勢に一定の評価を下し、再び村政のかじ取りを託した。
 
追記3:(転載です 2016.10.19))

負けて勝った、勝って負けた佐藤八郎さん
 

2016 10 18 日 飯舘村/福島再生支援東海ネットワーク事務局
 

以下は、負け惜しみで言うのではない。
 

投票数3709人で、現職・菅野典雄さんが2123票、佐藤八郎さんが1543票、その差580票。 ある

村民いわく、菅野村長の固定票は1000票だろう、それは現職故の利害がらみだからそうなる。

それに対し佐藤さんはこれまでの村議選での主にカネの絡まぬ血縁票が300票位かな、と。 だと

すれば今回の村長選結果を見るに、菅野さんが固定票に上積みしたのは1123票、対して佐藤さ

んは1243票を上積みしたことになる。
 

さて、ご存知かも知れないが、村民の間における菅野村長の一般的評価は、極めてよろしくな

い。
 

原発事故直後、当時の民主党がメルトダウンを隠して表面「安全」を云いつつも、村長に村民

避難を勧めたにもかかわらず、「村がなくなるのは困る」として断り、以後全村避難までの3

月半、村民を高濃度被曝させたこと、これに佐藤八郎さんが強硬な抗議をしていたこと、これ

は飯舘村では周知の事実なのである。
 

その後も東電や政府との交渉時、常にその加害者側と同列に立って村民の要求や不安を抑え続

けてきたことも、また同じ。
 

佐藤八郎さんは、およそカネには縁のない人である。彼の5期にわたる村議活動は、ひたすら村

民の自宅におもむき、その要望を聴き、相談に乗り、それらを村政に反映させることに費やさ

れてきた。事故以後、彼が加害者と一体化した村長を厳しく批判してきたこともまたよく知ら

れている。だから人望とか人気では菅野さんを圧倒していたといってよい。
 

だから今回の選挙の行方を予想した時、その佐藤さんの人気が、果たして投票に結びつくか否

か、ここが大きな焦点であったのだ。
 

結果を見れば菅野さんの当選となったのだから、この予想は「否」となったことになりそうだ

が、冒頭の上積み票差を見れば、決してそうは言い切れないだろう。固定票に対する上積み票

だけで見れば、ここは佐藤さんの勝ちなのである。
 

では、菅野さんの上積みした1123票の意味は何か?佐藤さんの上積みした1243票の意味は何

か?
 

佐藤さんの上積みはすぐに理解できる。仮設住宅での選挙演説には常に多数の村民が集り、拍

手喝采であったが、菅野さんのそれにはパラパラであったという事実。佐藤さんは菅野村政と

国政を厳しく批判し、それが一方的被害者である村民の内攻していた怒りに火を付け、よく立

候補してくれた、という感謝として現れてきたということである。
 

他方菅野さんの上積みは、単なる現状容認ではないだろう。村民すべてがこれからの人生・生

活への大きな不安感・苦悩を持っている。佐藤さんに投票したい気持ちはあれど、果たして佐

藤さんがそれを解決してくれるのかどうか。ここに「国とのパイプ」を強調する菅野さんの言

説が入り込む余地があったと言わなければならない。
 

佐藤さんは、負けたが、勝った。
 

だが、勝てる闘いを十分活かし切れずに負けた。

これを本物の勝ちにしなくてはならない。
 

その前提は負けたことへの謙虚な反省である。

子どもと村民のいのちと生活を守る闘い。

再来春学校再開方針との闘い。

来春帰村方針との闘い。

賠償や補助打切りとの闘い。

完全除染実現への闘い。

完全な放射能健康診断実現への闘い。
 

村長になろうがなるまいが、その村民との約束を守らなければならない。

だから、闘いはまだ始まったばかり、いや、これからが本当の闘いになる。
 

最後に一言。

新潟県知事選もそうだが、首長一個人にのみ過剰な期待を寄せるのは止めようではないか。

いま求められているのは、われわれ一人一人の自立である。

それなくして、決して原発はなくならず、このクニがよくなることはないのだから。__

 



2016-10-04 17:25 | カテゴリ:未分類

【大隅良典さんノーベル医学・生理学賞受賞】快挙に中韓ビックリ 韓国「オタク文化」例に「日本に学ばねば」 中国「どんな秘密があるのか…」大隅良典・東京工業大栄誉教授(71)がノーベル医学・生理学賞を受賞したニュースは、APやロイターなど海外の通信社も速報した。
   

 韓国の聯合ニュースは、自然科学分野で日本人のノーベル賞受賞が相次ぐ背景として、「日本特有の匠(たくみ)の精神」や一つの分野に没頭する「オタク文化」の存在を挙げ、「政策や文化といったさまざまな側面の結晶だといえる」と分析した。韓国ではこの分野で受賞がないことから、「日本の政策に学ばねばならない」という韓国の研究者の意見も伝えた。

 中国では北京紙、新京報(電子版)が大隅氏の受賞を報じた上で、「ここ数年、日本の科学者によるノーベル賞受賞が続出している。どんな秘密があるのだろうか」とした。

 英BBCテレビ(同)は「大隅氏の業績はがんからパーキンソン病にいたるまで、何が病気を悪化させるかを説明する助けになった」と重要性を強調。米CNNテレビ(同)は、「オートファジーの存在は1960年代から認識されていたが、大隅氏が酵母を用いた先駆的な実験を行うまで、仕組みがほとんど解明されていなかった」と伝えた。

    

 
  きわめて専門的になりますが、以下に学士院賞受賞時と京都賞受賞時の大隅良典先生の研究内容と、国際賞受賞時の挨拶、をホームページから転記しておきました。
   

     

日本学士院賞審査要旨(2006)
  

理学博士大隅良典氏の「オートファジーの分子機構と生理機能の研究」に対する賞審査要旨
 

分子生物学では、セントラルドグマ確立以来、遺伝子発現すなわちタンパク質の「合成」のしくみの解明に多くの努力が割かれ、タンパク質の「分解」の問題は、受動的でそれほど大きな生物学的な意味を持たないのではないかと長らく考えられてきた。しかし近年、生命が持つ遺伝子の相当な部分がタンパク質やその複合体の分解に関わっており、分解も、合成に匹敵するほど大切であることが認識されつつある。生命が絶えざる合成と分解のバランスの上に成り立っていることから考えればむしろ当然のことであろう。五〇数年前に細胞内小器官「リソソーム」が発見されて以来、タンパク質の分解はこのコンパートメントの中で行われていると一般的に考えられてきた。しかし現在では、細胞内タンパク質分解は、ユビキチン/プロテアソーム系とリソソーム系の二つに大別することができ、両者が機能分担を行っていることが明確になっている。前者が厳密な識別に基づく選択性の高い分解であるのに対し、後者はむしろ非選択的でバルクな(大量な)分解を担っている。

リソソーム内に分解基質を送る過程は、自己を食すると言う意味の「オートファジー」とよばれる膜現象からなることが示されてきた。しかし様々な困難からその分子機構は全くの謎であった。大隅氏は、酵母細胞が栄養飢餓条件にさらされると、リソソームと相同な分解コンパートメントである「液胞」で大規模なタンパク質分解が誘導されることを顕微鏡観察によって発見した。そして、その後の電子顕微鏡による解析から、これが高等生物で知られていたオートファジーと同一の膜現象であることを証明した。次に、酵母の系の優位性を生かして遺伝学的な解析に取り組み、オートファジーに欠損を持つ多くの変異株を分離し、一四個の関連遺伝子(ATG遺伝子群)を同定することに成功した。その後に発見されたオートファ

ジーに必須の遺伝子が三個のみであることから、大隅氏らの当初の戦略が極めて優れていたことが窺える。大隅氏は、引き続き、ATG遺伝子群のクローニングに着手し、それらがコードするタンパク質(Atgタンパク質群)を同定したが、ほぼ全てが新しい分子で、それらの機能の推定は困難であった。しかし数年の間に大隅研究室ではこれらAtgタンパク質に関する重要な発見がなされた。(1)Atg12がユビキチン様タンパク質で、二つの酵素Atg7Atg10を介してAtg5と共有結合体を形成する。(2)Atg8もユビキチン様タンパク質で、Atg7により活性化された後、Atg3に転移し、膜リン脂質の一つホスファチジルエタノールアミンと結合する。(3)Atg1はタンパク質キナーゼ活性を有し、この活性がオートファジーに必須であること、(4)Atg14は、オートファジーに必要な特異的PI3キナーゼと複合体を形成すること、などである。また、栄養飢餓の関知にTorと呼ばれるキナーゼが関わることも明らかにした(mTORは動物栄養センシングに関連して注目されている)。オートファジーの最大の謎は細胞質の一部やオルガネラ

をまず膜が取り囲んで隔離する膜現象にある。上記の反応系は全てこの過程(オートファゴソーム形成)に関わっている。オートファジーは真核細胞の基本的な機能の一つであり、発見されたATG遺伝子群は酵

母からヒト、高等植物にまで広く保存されていることが明らかとなった。これらの機能解明は、オートファジーの機構解明に留まらず、細胞内の膜動態の分子機構を理解する上でも重要な知見を与えると

期待されている。オートファジーには未だ多くの謎が隠されているが、大隅氏らによるATG遺伝子群の同定を契機として、多くの生物種でオートファジーが確認され、また、タンパク質分解の破綻が様々な病気や老化などにも関わっていることが明らかになってきた。現代の人間社会には資源のリサイクルシステムの構築が求められているが、細胞は自らのタンパク質を分解して必要なタンパク質を合成するという見事

なリサイクルシステムを獲得したものと考えられる。オートファジーの重要性は、今後も、細胞内有害物質の除去機構、細菌感染、抗原提示、老化など様々な形で明らかにされるであろう。このように本研究分野の活性がいっそう高まる中、大隅氏は一貫してオートファジーの分子機構の解明に正面から取り組んでおり、他の追随を全く許さない研究を続けている。また、大隅氏は、Gordon Research Conferenceなど主要な国際会議から基調講演に招かれ、本分野における国際的なリーダーシップを発揮しており、平成一七年には藤原賞を受賞している。

   

  
 

 

京都賞の受賞理由
     

細胞の環境適応システム、オートファジーの分子機構と生理的意義の解明への多大な貢献
     

大隅良典博士は、細胞が栄養環境などに適応して自らタンパク質分解を行うオートファジー(自食作用)に関して、酵母を用いた細胞遺伝学的な研究を進め、世界をリードする成果をあげた。オートファジーは、1960年初頭に、動物細胞内の食胞として知られているリソソーム中に細胞質成分であるミトコンドリアや小胞体が一重膜で囲まれて存在していることから提唱された概念で、細胞内成分や細胞内小器官がリソソームに取り込まれて分解を受ける過程を意味する。その後、多種類の細胞やいくつかの臓器でこの現象が報告されてきたが、オートファジーの分子メカニズムや生理的意義は不明なままであった。大隅博士は、出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeで空胞の機能を研究していたが、1992年、タンパク質分解酵素B欠損株を低栄養培地に曝すことにより空胞中に一重膜で囲まれた細胞内小器官成分が出現すること、即ち、酵母でオートファジーが誘導できることを発見した。同博士は、ついで上記現象を利用して、タンパク質分解抑制と栄養飢餓によってもオートファジーが誘導されない多数の変異株を同定した。博士の酵母におけるオートファジーと変異株の発見は、オートファジーの分子機構解析に道を拓いたものである。これが基盤となり、これまでオートファジーに関係する数十の分子が同定され、これらの機能解析により、飢餓などの刺激に応じて、どのようにして細胞内成分や細胞内小器官を囲む新規の膜構造が形成され、これがリソソームに融合するかの道筋が明らかになりつつある。

酵母におけるオートファジー関連分子の発見は、哺乳類を含む動物細胞でのオートファジー関連分子の同定につながり、これらを利用して、動物におけるオートファジーの多様な生理的意義が多くの研究者により明らかにされた。すなわち、オートファジーが出生に伴う飢餓状態への適応に不可欠であること、オートファジーが神経での異常タンパク質の蓄積を防ぎ神経細胞死を防止するために必要であること、心臓の収縮力を維持するためにオートファジーを伴う代謝回転が不可欠であることなどがある。

大隅博士の貢献は、生体の重要な素過程の細胞自食作用であるオートファジーに関してその分子メカニズムと生理的意義の解明に道を拓いたものとして高く評価されるものである。

以上の理由によって、大隅良典博士に基礎科学部門における第28(2012)京都賞を贈呈する。

    
 
 

 国際生物学会賞での挨拶(2015)
 

(一部略)

私はこれまで機会あるごとに述べて参りましたが、私自身、様々な偶然と出会いに助けられて、研究者としての細い細い道を今日まで歩んで参りました。東京大学教養学部の今堀和友先生の下で学び、京都大学、東京大学農学部、ロックフェラー大学留学を経て、東京大学理学部安楽泰宏教授のもとで研究をする機会を得ました。その後、東京大学教養学部、基礎生物学研究所にお世話になり、現在も、東京工業大学で大変恵まれた環境を頂いて研究を続けています。今日科学研究は激烈な競争があるというのも事実ですが、私は元来競争が苦手で、人のやらないことをやりたいという思いで研究を進めて参りました。

   
私は細胞内のタンパク質の分解の機構に興味を持ち、1988年以来28年間に亘ってオートファジーと呼ばれる細胞内の分解機構の研究を進めて参りました。生命体は絶えまない合成と分解の平衡によって維持されています。合成に比べて分解の研究は興味を持たれず、なかなか進みませんでした。

   
私は一貫して小さな酵母という細胞を用いて、オートファジーの謎の解明を目指し、関わる遺伝子群とその機能を解析して参りました。オートファジーに関わる遺伝子の同定を契機として、今日オートファジーの研究は劇的な広がりを見せ、高等動植物の様々な高次機能に関わっていること、そして、様々な病態にも関係していることが次々と明らかになって参りました。すなわち、分解は合成に劣らず生命活動には重要であるということが次第に認識されて参りました。しかし、まだオートファジーの研究には沢山の基本的な課題が残されています。私は残された研究時間で今一度原点にたちかえって、「オートファジーは何か」ということに向かいたいと思っています。また、近い将来オートファジーのさらなる機構の解明が進み、細胞の一層の理解のもとに、病気の克服や健康の増進などの研究がさらに進むことを心から願っています。

   
いうまでもなく現代生物学は一人で進められるものではありません。私のこれまでの仕事も、30年近くに亘る沢山の素晴らしい研究仲間のたゆまぬ努力の賜物でもあります。また素晴らしい共同研究者にも恵まれました。心から彼らに感謝の意を表するとともに、彼らとともにこの栄誉を分かち合いたいと思っております。
   
これまで私を支えてくれた今は亡き両親、妻萬里子と家族にも心から感謝をしたいと思います。

最後にこれから生物学を志す若い世代に向けて、
   
私達の周りには、まだ沢山の未知の課題が隠されています。素直に自分の眼で現象をみつめ、自分の抱いた疑問を大切にして、流行や様々な外圧に押し流されることなく、自分を信じて生命の論理を明らかにする道を進んで欲しいと申しあげたいと思います。
   
私も微力ながら残された時間を、効率や性急に成果が求められる今日の研究者を巡る状況が少しでも改善し、生き物や自然を愛し、人を愛し、豊かな気持ちで研究ができる環境というものの実現に助力したいと思います。
本日はどうも有り難うございました。

       
      


       
  大隅先生ご自身が選んでいる主要な業績は以下のとおりです。
  

01. Takeshige, K., Baba, M., Tsuboi, S., Noda, T., and Ohsumi, Y. (1992)

Autophagy in yeast demonstrated with proteinase-deficient mutant and its

conditions for induction. J. Cell Biol., 119, 301-311.

02. Tsukada, M., and Ohsumi, Y. (1993) Isolation and characterization of

autophagy-deficient mutants in Saccharomyces cerevisiae. FEBS Lett.,

333, 169-174.

03. Baba, M., Takeshige, K., Baba, N., and Ohsumi, Y. (1994) Ultrastructural

analysis of the autophagic process in yeast: Detection of autophagosomes

and their characterization. J. Cell Biol., 124, 903-913.

04. Matsuura, A., Tsukada, M., Wada, Y., and Ohsumi, Y. (1997) Apg1p, a

novel protein kinase required for the autophagic process in Saccharomyces

cerevisiae. Gene, 192, 245-250.

05. Baba, M., Ohsumi, M., Scott, S. V., Klionsky, D. J., and Ohsumi, Y. (1997)

Two distinct pathways for targeting proteins from the cytoplasm to the

vacuole/lysosome. J. Cell Biol., 139, 1687-1695.

06. Mizushima, N., Noda, T., Yoshimori, T., Tanaka, T., Ishii, T., George, M.

D., Klionsky, D. J., Ohsumi, M., and Ohsumi, Y. (1998) A protein

conjugation system essential for autophagy. Nature, 395, 395-398.

07. Mizushima, N., Noda, T., and Ohsumi, Y. (1999) Apg16p is required for

the function of the Apg12p-Apg5p conjugate in the yeast autophagic

pathway. EMBO J., 18, 3888-3896.

08. Kirisako, T., Baba, M., Ishihara, N., Miyazawa, K., Ohsumi, M., Noda, T.,

and Ohsumi, Y. (1999) Formation process of autophagosome is traced

with Apg8/Aut7p in yeast. J. Cell Biol., 147, 435-446.

09. Kirisako, T., Ichimura, Y., Okada, H., Kabeya, Y., Mizushima, N.,

Yoshimori, T., Ohsumi, M., Noda, T., and Ohsumi, Y. (2000) The

reversible modification regulates the membrane-binding state of

Apg8/Aut7 essential for autophagy and the cytoplasm to vacuole targeting

pathway. J. Cell Biol., 151, 263-275,

10. Kabeya, Y., Mizushima, N., Ueno, T., Yamamoto, A., Kirisako, T., Noda,

T., Kominami, E., Ohsumi, Y., and Yoshimori, T. (2000) LC3, a

mammalian homologue of yeast Apg8p is processed and localized in

autophagosome membranes. EMBO. J., 19, 5720-5728.

11. Ichimura, Y., Kirisako, T., Takao, T., Satomi, Y., Shimonishi, Y., Ishihara,

N., Mizushima, N., Tanida, I., Kominami, E., Ohsumi, M., Noda, T.,

Ohsumi, Y. (2000) A ubiquitin-like system mediates protein lipidation.

Nature, 408, 488-492

12. Mizushima, N., Yamamoto, A., Hatano, M., Kobayashi, Y., Kabeya, Y.,

Suzuki, K., Tokuhisa, T., Ohsumi, Y., and Yoshimori, T. (2001) Dissection

of autophagosome formation using Apg5-deficient mouse embryonic stem

cells. J. Cell Biol., 152, 657-668.

13. Suzuki, K., Kirisako, T., Kamada, Y., Mizushima, N., Noda, T., and

Ohsumi, Y. (2001) The pre-autophagosomal structure organized by

concerted functions of APG genes is essential for autophagosome

formation. EMBO J., 20, 5971-5981.

14. Suzuki, K., Kamada, Y., and Ohsumi, Y. (2002) Studies of cargo delivery

to the vacuole mediated by autophagosomes in Saccharomyces cerevisiae.

Develop. Cell, 3, 815-824.

15. Mizushima, N., Yamamoto, A., Matsui, M., Yoshimori, T., and Ohsumi, Y.

(2004) In vivo analysis of autophagy in response to nutrient starvation

using transgenic mice expressing a fluorescent autophagosome marker.

Mol. Biol. Cell., 15, 1101-1111.

16. Ichimura, Y., Imamura, Y., Emoto, K., Umeda, M., Noda, T., and Ohsumi,

Y. (2004) In vivo and in vitro reconstitution of Atg8 conjugation essential

for autophagy. J. Biol. Chem., 279, 40584-40592.

17. Yoshimoto, K., Hanaoka, H., Sato. S., Kato, T., Tabata, S., Noda, T., and

Ohsumi, Y. (2004) Processing of ATG8s, ubiquitin-like proteins, and their

deconjugation by ATG4s are essential for plant autophagy. Plant Cell, 16,

2967-2983.

18. Kuma, A., Hatano, M., Matsui, M., Yamamoto, A., Nakaya, H., Yoshimori,

T., Ohsumi, Y., Tokuhisa, T., and Mizushima, N. (2004) The role of

autophagy during the early neonatal starvation period. Nature, 432, 1032-

1036.

19. Atg8, a Ubiquitin-like Protein Required for Autophagosome Formation, Mediates Membrane Tethering and Hemifusion (Nakatogawa, H., Ichimura, Y. and Ohsumi, Y.), Cell 130: 165-178, 2007

 

   

     
    
(森敏)

2015-12-14 07:20 | カテゴリ:未分類

これまでの「WINEPブログ」で何度も述べてきたように、小生の所属していた東大農学部植物栄養肥料学研究室は(故)三井進午教授が農学関連の研究への放射性同位元素(ラジオアイソトープ)導入の日本での先駆者であった。だから、1960年代は東海村の国産第一号原子炉(JRR1)を放射性同位元素の製造に利用して植物生理学実験をしたり、1970年代以降は高崎の原子力研究所での泊まり込みでの共同利用研究が連綿と行われてきた。三井先生自身は国際原子力機構(IAEA)の参事で頻繁にウイーンでの国際会議に通っていた。IAEAからは研究資金ももらっていた。また、研究室にはインドからの留学生も受け入れていた。

    

今回日本とインドが原発輸出協定を結ぶことにしたようだ。しかし、インドは原爆を所持し、核実験を行い、NPT(核不拡散条約)署名国に頑として参加していない。インドからすれば原爆を有するパキスタンや中国が脅威であるので、抑止力としてぜったいに原子爆弾は放棄しないという立場である。だから従来から日本の文科省はインドからの留学生を原子力機構など原子力関連の研究に共同参画させなかった。核保有国でNPT非加盟国の留学生たちを日本の核の機密に近付けさせない(軍事目的に原子力技術を転用されたら困るので「スパイ」させない)ために施設に立ち入りさせない、というのがその建前上の強固な理由であった。そのために、せっかくの先端的なラジオアイソトープを用いた高度の研究手法を彼等に体験させられずに泣く泣く帰国させざるをえないことも多かった。核を保有し、核実験を繰り返した中国やパキスタンからの留学生に対しても同じ扱いだった。被爆国として核に関しては日本国政府はそれほどかたくなだったのである。

 

日本-インド間で、どの研究分野がいちばん学術交流を推進してきたのかと問われれば、昔は農業分野、現在では間違いなく IT関連だろう。上述のような断固とした日本政府の理由で理学工学系の日ー印間の「原子力関連の交流」は皆無であったはずである。今回は、原発輸出を契機にその矜持を簡単に捨ててしまおうということらしい。原発輸出のためには被爆国の悲願であるNTP(核不拡散条約)という国際的な協約なんかどうでもいい、ということなんだ。『これを契機にインドが今後NTPに加盟しやすくなるかもしれない』とか『停電が頻発するインドの電源が安定する』だとか『COP21の温室効果ガス削減に寄与できる』とか、『将来インドが原爆実験をやったら即原発支援を停止する』とか(単なる口約束)、安倍首相と岸田外相が国民を愚弄する詭弁を繰り返している。それをマスコミが無批判に繰り返し報道している。「嘘も堂々と繰り返せば、国民はいずれ忘却してどうでもよくなる、つまりいつの間にか既定事実になる」という政策手法が安倍政権の国民愚弄化政策として堂々とまかり通っている。安倍は被爆国日本の世界に冠たる矜持をかなぐり捨てて、福島第一原発暴発国日本の居直りを世界に宣言した。言っちゃ悪いが、政治家としての職業倫理がずっこけた〇〇としか思えない. 東芝・三菱重工・日立など「原発コンツエルン」に天下りをねらう経産省や財務省の狡猾な官僚に操られているのだろう。彼は国を危うくする。(○○に適当な言葉を入れよ)

 

 

(森敏)

付記1:インドからの一番最初の留学生マハトマ・シン氏は非常に優秀であり、戦後のインド人留学生としては日本での最初の農学博士号を得た人物である。「老朽化水田」の原理を学び帰国後「インドの水田農業」の生産力上昇の強力な立役者となった。その後も植物栄養肥料学研究室ではインドから数人が留学してきた。中でもG.K.バラット氏は物静かなベジタリアンで彼と小生とはヒンデイー哲学論義をよくしたものである。素晴らしい人格者だった。非常にためになった。我々の分野ばかりでなくとも農学関連分野ではインドの各大学との連携は続いたが、ほかの医学、薬学、工学、理学の研究分野ではそうでもなかったように思う。インドの研究者は英語が通じる宗主国U.K.や U.S.A.への志向が強く、日本に顔を向ける研究者はほかのアジア諸国に比べれば今でも格段に少ないのではないだろうか。

     

付記2:小生のインド人研究者への印象は、かれらは英語(機関銃を打つような早口のIndian Englicだが)が堪能なので、頭がいい研究者は、国際研究機関や国際学会では総合的な取りまとめ役に秀でており事務局長や議長になっている人物が他国に比べて多いと思う。一般的に手足を動かしてデータを取る作業よりは、他人のデータを使って“きれいに”話を作り上げること(モデル化)に長けている。つまり「分かったように思わせる抽象論」に長けている。多分99x99の九九を諳んじる数理的才能がそうさせているのだと思う。エリート階級は手足を動かす汚い作業をあまり忠実にやりたがらないように思う。これは彼らの深層心理に骨肉化した旧来の陋習であるカースト制も関係していると思う。概して日本の大学では英語が通じるので日本語を熱心に学ぼうとする姿勢はあまりないようだ。以上今日の若いインドからの留学生が聞いたら激怒するかも知れない老書生の偏見です。
   
追記1:その後「インドへの原発輸出」の件では以下のネットで優れた多角的な見解が展開されている。
http://www.fsight.jp/articles/-/40781
 
要するにほとんどの日本国内原発メーカーから見ても、企業不信のインド世論からみても、インドへの原発輸出はほとんど不可能な提案だということである。

追記2:その後の展開です。

日印原子力協定締結へ=首脳会談で署名方針

 日本、インド両政府は、11月中旬にモディ首相が来日し、安倍晋三首相と会談するのに合わせ、日本からインドへの原発輸出を可能にする原子力協定に署名する方針を固めた。政府関係者が31日、明らかにした。安倍政権はインフラ輸出を成長戦略の柱に掲げており、インドに対する原発輸出の環境が整う。
 日本が核拡散防止条約(NPT)非加盟国と原子力協定を締結するのは初めて。インドは核保有国であるため、被爆地である広島、長崎両市などから「核不拡散体制を形骸化しかねない」との反発が出る可能性もある。(2016/10/31-16:59

  

 

 

2015-07-24 22:23 | カテゴリ:未分類
   飯舘村比曽地区には広大な放射能汚染土壌の仮置き場が形成されつつある(図1)。側面にかけられていたはしごを上がって上から見てみると、実に壮観で、とても一枚のカメラの視野には納まらない(図2)。まさに現代版「賽の河原」を地で行っている。

IMG_1080--.jpg 
図1.仮置き場の側面図(黒い一袋が1立方メートルを5段に積み上げている)
 


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図2.汚染土壌仮置き場の上からの眺めの一部。右側にさらに広がっている。

 
  
  一方で川俣町では太陽光パネルが道路脇の傾斜地に壮大な面積で敷き詰められていた(図3)。汚染田畑の除染後、農業をやっても採算が取れないし、若い農家が帰って来る気力が失われつつあるので、太陽光発電や、そのエネルギーを使った植物工場などの試みが行われつつある。いずれも、事業の立ち上げに公的資金の支援がなければとても農家や農協の自力でのこういう新しい試みは不可能である。
  
IMG_1145--.jpg  
図3.太陽光パネル
     
  早くもこの再生可能エネルギーの試みは、下記の記事に見るように、浪江町では東北電力、と言うよりは政府の原発再稼働方針のために頓挫したようだ。が、この川俣町の場合は是非成功させてもらいたいものだ。どれだけの雇用を生み出せているのか知らないが。壮大なる廃墟にならないことを祈りたい。

                   

浪江町の太陽光発電事業白紙に 売電量減、費用増で

 東京電力福島第一原発事故で全町避難している浪江町が「復興まちづくり計画」に盛り込んでいた農地への太陽光発電設備設置事業が白紙になった。22日、二本松市の町役場二本松事務所で開いた町議会全員協議会で馬場有町長が明らかにした。
 町によると、事業は棚塩、請戸両地区の農地計約150ヘクタールの地上約4メートルに太陽光発電パネルを設置し、下部はそのまま農地として活用する計画だった。スパークス・グリーンエナジー&テクノロジー(東京)が事業主体だが、町は地権者への同意取得に協力するなど連携して取り組んでいた。
 売電先の東北電力の買い取り可能量が当初の予定から大幅に減ったことをはじめ、地盤が軟弱で設置費用が予定を上回ることが発覚したため、ス社側が「採算性が見込めない」と判断。町と協議し、事業断念が決まったという。
 借地の同意を得ていた事業予定地の地権者には8月上旬、町と事業者が謝罪した上で経緯を説明する。
 全員協議会で馬場町長は「見通しが甘かった」と非を認め、予定地については町農業再生プログラムに基づいた農地保全などに取り組む考えを示した。議員からは「政策判断のミスだ」「復興計画の見直しをするべき」などと指摘する声が上がった。

2015/07/23 09:00 カテゴリー:福島民報)
   
(森敏)

   

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