2008-08-10 05:18 | カテゴリ:未分類

なにを言っているのやら?

 

最近、以下の小さなコラム記事が新聞に載った(気まぐれに切り取っておいたので出典が朝日新聞か読売新聞か定かでないが)。

 

 

組み換えダイズ安全証明を

「遺伝子組み換え作物(GMO)は食糧問題解決の1つの手段」と話すのは、キッコーマンの茂木友三郎会長。米国の大豆は、GMOが大半を占め、米国ではすでに同社製しょうゆにGMO大豆を使っているという。日本向けの非組み換えダイズの調達も数年で厳しくなると予想。「国際機関で安全性を証明することが必要だ」

 

この記事の茂木友三郎会長の発言は実に矛盾に満ちている。キッコーマンはすでにアメリカで遺伝子組み換え大豆を使ってしょうゆを製造している。まさか危険だと思って遺伝子組み換え大豆をアメリカで使っているわけでは無かろう。当然安全だという認識で使っているだろう。しかし日本ではキッコーマンは非遺伝子組み換え大豆を使っている。多分消費者運動の反対を恐れてのことであろう。ところが、国の内外からの非遺伝子組み換え大豆の入手が今や困難になりつつあるので、日本国内でのしょうゆの生産には遺伝子組み換え大豆を使わざるを得ない状況が生まれている。しょうゆメーカーとして大豆を大量に使うキッコーマンとしては遺伝子組み換え大豆の使用に踏み切らざるを得ない状況に追い込まれているわけである。従って、『国際機関での安全性の証明がほしい』と言っているのである。

 

これらの遺伝子組み換え大豆はすでに日本政府をはじめとして、いくつかの国がすでに安全性が証明されているとして認可しているものである。しかし茂木氏は同じ遺伝子組み換え大豆でありながら日本政府の認可を信用していないわけである。アメリカ政府の認可は信用して、アメリカ国内ではしょうゆを製造販売していながら、日本政府の認可は信用していないわけである。この態度は卑屈としか言いようがないではないか。変な持って回ったへりくつを述べないで、自信を持ってどんどん遺伝子組み換え大豆をしょうゆの原料として使えばいいのである。

 

ちなみに、2007年のアメリカの大豆の栽培面積の91%が遺伝子組み換え大豆である。我が国へのアメリカからの大豆の輸入量3,225千トンのうち、2,934千トンは遺伝子組み換え大豆である。他にブラジルやカナダなどから834千トンを輸入している(遺伝子組み換え比率は不明)。

 

日本では、15年ほど前にビールメーカーが、消費者の不買運動の可能性に恐れをなして、食品業界で率先して「アルコール発酵に『遺伝子組み換えトウモロコシを使用しない』」と宣言した。その後雪崩(なだれ)を打って、日本の各食品メーカーは遺伝子組み換え農産物の不使用を宣言していった。その結果、日本の企業の研究所は遺伝子組み換え製品開発部門を縮小したばかりでなく、経済産業省や農水省の研究機関も規模を縮小し、大学の研究も大きな打撃を受けた。かくして、能力がありながら就職口が閉ざされた生物系研究者が巷(ちまた)にあふれている。

 

今やビールの主原料であるトウモロコシも大部分が遺伝子組み換え品種になっている。2007年のアメリカのトウモロコシの栽培面積の73%が遺伝子組み換え体である。日本へのアメリカからのトウモロコシの輸入量15,557千トンのうち9,489千トンは組み換え体トウモロコシである。他の国からはわずかに1,076千トンしか輸入されていない。ビール業界は『遺伝子組み換えトウモロコシを使用しない』と過去に高らかに宣言している手前、今後はビールの製造に窮地に陥るだろう。いや、すでに窮地に陥っているだろう。それともビール製造業の社長達もキッコーマンの茂木会長のように『国際機関で安全性を証明することが必要だ』と、他人にその責任をなすりつけるのだろうか。非遺伝子組み替えトウモロコシを、世界中から買いあさるという醜いことをしないで、自信を持って遺伝子組み換えトウモロコシを原料として使えばいいのである。

 

遺伝子組み換え大豆、トウモロコシ、ナタネをこれまで20億人以上の人間が10年以上食して、だれひとり被害を受けた人はいない。これほど確実な臨床実験があろうか。これ以上健康に対して安全性の何を証明せよと言うのだろうか?

    

(管窺)

 

 

秘密

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