WINEPブログ内で「 葉 」を含む記事

(5件づつ表示されます)

2017-05-30 05:03 | カテゴリ:未分類

 秋になると、細い茎に多数のちいさな赤い実をつける、タデ類とミズヒキはなかなか判別がつきにくい。そこで専門家に同定をお願いしたら、小生が何気なく道路わきで採取した植物はハナタデのようである(図1)。浪江町のものはやはり種子もきちんと内部被ばくしていることがわかる(図2、図3、表1)。

 
スライド1  

図1.赤い蕾をつけたハナタデ。右上の7つの点々も蕾です。
 


 
 
 
スライド2 
図2.図1のオートラジオグラフ。葉の付け根(節位)とつぼみが強く汚染しているように見える。葉の付け根は通同組織(師管と導管)が複雑に入り組んだ組織だからここで放射能が何十にも重なってIPプレートに感光しているためである。
  
  

    

 
スライド3 


図3.図1のネガテイブ画像

 

 

 
jpeg tsubomi 
 
   
  図4.ハナタデのつぼみ
ハナタデの放射能jpeg 

  
 
表1.ハナタデの各組織の放射能。ここではつぼみでなく種子を測定している。




  

(森敏)

2017-05-13 08:33 | カテゴリ:未分類

図1は浪江町での林地の明るいところに棲息していたドクダミ群落からのサンプルである。ドクダミは地面に近い被覆性の植物なので、毎年の観察でもどうしても雨風の時の埃の舞い上がりを受けるようだ(図2、図3)。下位の葉の方が外部被曝を今でも受けている。それにしても花びらではないめしべや雄蕊の部分が内部被爆が高いようだ(表1)。ドクダミ茶にするには要注意である。

  


スライド1 
図1.花をつけたドクダミ 一本の植物を途中で切断したもの
 
  
 
スライド2 
図2.図1のオートラジオグラフ 
 
   
 
 
スライド3 
図3.図2のネガティブ画像 
 

          
 
 表1.ドクダミの放射能 (単位:Bq/kg乾物重)
ドクダミの放射能jpeg 
   
  
    
(森敏)
2017-05-06 07:05 | カテゴリ:未分類

  昨年の春、浪江町の竹藪でタケノコ(まだけ:真竹)を採取して、オートラジオグラフを撮りました(図1、図2、図3)

  皮の重なりが少ない底辺部分は可食部の節目が放射能が高く、透けて写っていることがわかります。

  皮を一枚ずつめくって、いくつかまとめて測定しました。食べる肉質の部分も測りました(表1)。

  皮は下から上に向かって高くなっている傾向があることがわかります。

  可食部肉質の部分もまだ結構高いです。

  これらの放射性セシウムはタケノコの根部に蓄えらえた放射性セシウムが春になって新芽であるタケノコに転流しているか、5年たってすでに倒れたタケノコの樹や葉が腐食し始めたりしてセシウムが溶け出してきて、それをタケノコの根から吸収した結果と思われます。

これらの結果はすでに以前に以下に論文にしたものと同じです。
   
  

Radioactive cesium distribution in bamboo [Phyllostachys reticulata(Rupr) K. Koch] shoots after the TEPCO Fukushima DaiichiNuclear Power Plant disaster

Hiromi NAKANISHI, Houdo TANAKA, Kouki TAKEDA, Keitaro TANOI,

Atsushi HIROSE, Seiji NAGASAKA, Takashi YAMAKAWA and Satoshi MORI

Soil Science and Plant Nutrition (2014) 60, 801-808

 

 



 
スライド1 
 
 
 
 
スライド2 
図2.図1のオートラジオグラフ 皮の部分が少し汚染土塊をくっつけている。

 
 
スライド3 
図3.図2のネガティブ画像。上部の細かな点々は産毛の放射能が高いためと思われる。
タケノコはここから水分が蒸散しており、セシウムが濃縮されているのかもしれない。
早朝に竹やぶでタケノコを観察すればここに案外水滴がたまっているのかも。

 
   
  
 
 表1.真竹の放射能 (:Bq/kg乾物重)

真竹jpeg


  

(森敏)

付記:以下の以前のWINEPブログ記事もご参照ください。

2017-03-26 21:56 | カテゴリ:未分類
原発事故で住民が避難したあとの民家の庭には、観賞用の草花の種が毎年稔っては散り、稔っては散り、雑草も交えていろいろな草花が繁茂している。その内の一つにコスモスがある(図1)。

 

       コスモスを刈り取ってきて、放射能を測ってみると、意外に花の部分にも強い放射能が検出された。そこでオートラジオグラフをとってみたら、見事に全身の放射能が撮像された(図2,図3)。コスモスの葉の幅はわずか2-3ミリと細いのだが、くっきりと写しだされた。
 
スライド1 
図1.民家の庭のコスモス 黄色い紙の上はこぼれ落ちたコスモスの種をセロテープに貼り付けたもの

 

       スライド1 
 
 
   
 
図2.図1のオートラジオグラフ。
赤丸内部は、落ちこぼれた種子をかき集めてセロテープに貼り付けたもの。

  
    
  

  
スライド2 
 
図3.コスモスのオートラジオブラフ。図1のネガテイブ像
 

 
 

 
 
表1。コスモスの部位別放射能濃度 
コスモス放射能jpeg  

 
   
  少し細かく組織をわけて放射能を測定したら、細い葉が一番強く汚染しているのだが、種子も茎と同ていどに高濃度に汚染されていた。図2や図3で、どの株も花の部分が強く汚染しているように見えるのは、花器には種子がごっちょりとついて放射線(ベータ線)が重なって撮像されているからである。図2と図3の左下に赤丸で囲んでいるのは、一つ一つの種子である。これら一粒ずつがくっきりと感光していることがわかる。つまり、これまでもこのWINEPぶろぐでも幾度となく述べてきたように、セシウムは次世代に移行する。
 
       現在 住民が避難して居ないので、コスモスは原発事故以来毎年タネを付けてはそれを周辺土壌に落下させて、また翌年に発芽させてきたことになる。コスモスは栽培種であるので、根からの養分吸収力(吸肥力)がつよく、根が浅いので絶えず表層の放射能汚染土壌から放射性セシウムを容易に吸収してきたものと思われる。避難する前の住民がカリを含む肥料をこの庭土に撒いていたとしても、5年間もこの庭で草花が生々流転(吸収枯死分解)を繰り返せば、すでにカリの効果も少なくなって野生に近い土壌条件になってきているのだろう。
 
 子細に見ればコスモスはいろいろ形態的な変異を起こしているに違いないのだが、いかんせん普段の正常な姿が小生の頭にはないので、異常かどうかがわからないのが、我ながら情けない。

 
       
(森敏)

2017-03-10 08:27 | カテゴリ:未分類

まもなく2011年3月12-20日の福島第一原発事故後6年めとなる。以下の文章は少し硬い論文調ですが、吟味してください。 
       
       

原発事故で帰還困難区域の山林は、住民が入らなくなったので、樹木が間伐されない。なので、荒れ放題である。木々にツタが絡まり、場所によっては特に巨木のマツの枯死や倒木も始まっている。
    
  スギやマツでは「こぶ」(クラウンゴール)ができて、枝が枯れているのが目に付く。これらは原発事故前からもあったのだろうが、被害は拡大しているのではないだろうか(図1、図9)。「
スギこぶ病」は,子のう菌(Nitschkia tuberculifera KUSANO)の一種が引き起こすスギの病害で,これに罹病すると,枝や葉,場合によっては幹に大小のこぶが生じ,樹勢が衰え,枯死にいたることもあるといわれている。

      

  2015年までは、この「スギこぶ」は球状の立体的なものなので(図2、図3)、感光面が平面のIP-プレートでの放射線像の撮像がむつかしいのではないかと思って、小生はあまり採取に熱心ではなかった。しかし、大学に持ち帰って放射能を測定してみると、飯舘村のものや浪江町のものはとてつもない値が出た。表1には浪江町の山林で採取したスギこぶを示している。総じてキログラム当たり15~20万ベクレルを示し、樹皮よりも高い放射能値である。

    

これは放射性プルーム(雲)による被爆当初に、直ちに被爆樹皮から「スギこぶ」に取り込まれた放射能が植物細胞よりもはるかに代謝活性の強い「杉こぶ」の菌体に積極的に取り込まれたからではないかと思われる。また、生体高分子樹脂で「スギこぶ」の表面は子細に入り組んだ凸凹になっており(図3)、いったんそこに入り込んだ放射能は樹脂と結合して抜け出られないものと思われる(図5、図6、図7)。

 

立体的なまま放射線像をとるとスギこぶとIP-プレートが密着していないので、放射線が立体角4πの方向にあちこちに飛んで、ぼけたイメージで感光した(図4)。実際の森林では、この「スギこぶ」からこのように放射線が発散しているわけである。
 
      スギこぶ菌にやられた杉は、結局倒木して、急速にシロアリなどの小動物に食べられて、土壌中に有機物として帰っていく。放射性セシウムも同じ運命をたどり、森林生態系の元素循環の中に繰り込まれていく。

 

スライド3 
図1.「杉こぶ」。枝は枯死し始めている。




 
スライド1 
 
図2.「杉こぶ」。実験室に持ち帰った「杉こぶ」がついた枝。枝はまだ生きている。


 


スギこぶ拡大図jpeg 

図3.図2の一つの「杉こぶ」の拡大図




 
スライド2 
 
図4.図2を立体のままIP-プレートで感光したもの。放射線が四方に飛び交っているので像がぼけている。


スライド1 
図5.「杉こぶ」をのこぎりで2つに切断したものを対称形に開いて並べたもの。撮像するときに角度が少しずれたのだが、右のものを少し右下がりにすると両者が合体するいめーじになる。上のオートラジオグラフが下の杉こぶのサンプルに対応している。

 

 
スライド3 
 
図6.図4の左のサンプルの拡大図 。白い感光していない部分はpith(木髄)





スライド4 
図7.図4の右のサンプルの拡大図。
白い感光していない部分はpith(木髄)


 
 
 



スライド1 

図8.「杉こぶ」の断面解剖図 (文献 J.Jpn.For.Soc. 68(11) '86 からの引用 )


 


スライド2 
 
表1.上のゲルマニウム半導体用の容器(U-8)に入っている「杉こぶ」に対応する放射能の測定値。 
スギこぶ1-1と1-2は半切の対になっているそれぞれ一方の測定値。
スギこぶ2-1と2ー2は半切の対になっているそれぞれ一方の測定値。
スギこぶ3-1,2,3は3個の小さな杉こぶの合量。


    
(森敏)
 
付記1:以下の写真に見るように、飯舘村での激甚な杉こぶ被害の、迫力ある写真は、以前に「中部支援ネットワーク」から小生にも送られてきたことがある。ここに無断で掲載させていただきました。

 
スライド1


図9.飯舘村での被害が激甚な杉の「杉こぶ」。枝の先端のみに葉が茂っている。大方の栄養分を「杉こぶ」に収奪されているのだろう。
 
追記1:以下の図10、図11は図6と図7に対応するネガテイブ画像です。こちらのほうが放射能汚染の度合いがわかりやすいかもしれません(白い部分が放射能の局在部位です)
 
スライド1 
図10.図6のネガテイブ画像。白い部分が放射能汚染部位。白が鮮明なほど汚染が激しいことを意味している。
 
 
スライド2 
図11.図7のネガテイブ画像。白い部分が放射能汚染部位。白が鮮明なほど汚染が激しいことを意味している。

    

FC2 Management