2016-06-15 21:47 | カテゴリ:未分類

      
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図1.曲がりくねった傾斜地の道路で雨水とともに流されてきた土やワラや落ち葉や埃が滞留するところ
       
  図1に見るように、傾斜があるコンクリート道路のカーブ地点には、上流から流れ込んできた枯れ葉や落ち葉やヘドロが集積している。水はけが悪いので、道路の表面を流れてきた汚染水がヘドロに濃縮している。そこには激しい乾燥や湿潤に適した地衣類が繁殖している。逆にこれらの地衣類ががっちりとヘドロを抱えて離さない。

     
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 図2.地表面が毎時49.7マイクロシーベルト!
       

  図2に見るように、ポケット線量計で土壌表面は毎時49.7マイクロシーベルトと非常に高い。道路の中央部で地上1メートルの高さでは毎時6マイクロシーベルトであるのだが。

   
縦向き13

 図3.全組織がランナーで連なったクローン

    

  図1のように、コケを土ごと切り出してその根をほぐしていくと、図3のように、全部ランナーで連なったクローン組織であることがわかる。大学に持ち帰って絡み合った組織を徹底的にほぐしたのちに、徹底的に水洗して土を落として、完全に乾かしてからオートラジオグラフを取ると、図4になった。


BAS 10 
図4.第3図のオートラジオグラフ

  図3と図4を比較して観察すると、まず根に絡んだ土や落ち葉が放射能に濃厚汚染しており、ランナー自身も比較的均一な濃度で薄く放射能汚染しており、ランナーの一定の間隔に分布している節位が点々と強く放射能汚染していることがわかる。ここは微細構造的には導管と師管が複雑にに入り組んでいるところである上に、いくつもの分岐根が発生している所である。この節位は分岐根から直接土壌の放射能を吸収しており、断面積あたりのセシウムの滞留時間が長いため、オートラジオグラフでは濃く写るのである。一方地上部の緑の多肉部分はぼけて見えるが薄く汚染している。
     
  このように雨が降ると必ず傾斜地であるがゆえに水たまりができて土壌が集積する道路わきは、どこも尋常でない放射能濃度のホットスポットである。年に何度かある多雨で森林の表層土壌がえぐられて道路に流れ込んでそれが集積するのである。次回に述べるように現在では表層3センチ内に放射性セシウムは濃縮して固着している。それを自然現象がかき集めてこういうホットスポットがいまでも形成されつつあるのである。浪江町ではまだ除染に手を付けられていない、こういう道沿いの溜まり場も多い。
 
  先日のNHKのBS1スペシャル『被曝の森』では、延々上方のコンクリートの道路を伝わってくる雨水が、土砂や枯れ落ち葉を流し込む田んぼでは、空間線量が毎時100マイクロシーベルトの映像が流れた。そこに生えている高濃度汚染雑草を夜間に出てきてイノシシが食べている映像も流れた。この田んぼはケモノ道にもなっているのである。もちろんわれわれもそこを定点調査地点として注目している。
      
         
(森敏)

秘密

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