2016-04-07 09:49 | カテゴリ:未分類

   

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 図1.紫宸殿 右近の橘(たちばな)。正面には皇宮警察官と思しき人物が立っている。
 
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図2.紫宸殿の右近の橘の由来の説明文
         
  今年の春も京都御所の一般公開が始まるというので、のこのこと出かけた。これで3回目である。

     

  紫宸殿の前では、例によって、右近の橘、左近の桜が植えてある。左近の八重の桜は満開であった。しかし、右近の橘は新葉のクロロシスが顕著であった。枝がまだこんもりとは回復してはおらず、姿かたちが、あまり美しくない。説明文によると安政5年(1858年)に植えられたものであり、いつの時代にか移植されたものであるということである。しかし、移植された時期の記載がない。(図1.図2)
    
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図3.向かって左上が生育不良で葉が付いていない。向かって右上の新葉がが激しい鉄欠乏クロロシス(黄白化症)。
         
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図4.向かって左の枝の新葉が鉄欠乏クロロシス。
        

  この橘は5年前に訪れた時は枝もまばらで枯死するかと思われて、悲惨な姿だったのだが、何とか回復してきたようだ。しかし、もうすこし手入れのやりようがあるように思う。あるいは数年前に移植されたものが根痛みでまだ回復されていないのかもしれない。

       

  症状は鉄欠乏クロロシスであろうと思われる。テロ対策で、皇宮警察の人が立っており、樹の周辺の砂に箒で例の波線が入れてきれいに波紋がえがかれているので、橘の近くに近寄るなというサインんで、踏み込めなかったので、樹の下の土壌の様子がよくわからなかった。遠目には、砂質土壌で乾燥気味で、有機物の施用が少ないのではないか? 土壌がアルカリ気味に偏っているのではないだろうか? あるいはなにか特殊な土壌の処理をしているのではないか?と思われた。

      

  このクロロシスの診断の対策としては、極めて常識的であるが液状の鉄系葉面散布材を丁寧に散布して徐々に色が緑色に回復すれば、鉄欠乏であると断言できるだろう。その場合さらに鉄系葉面散布剤を施用し続ければ、これまでよりもはるかに速く樹勢が回復するのではないかと思われる。しかし根本は土壌対策なのである。この橘は品種的に、アルカリ性に弱いのかもしれない。
          
  安全のためにか、この木の下には同じ「橘」と思われる株が観察された(図5)。その株も遠目には新葉がクロロシスを呈しているように思われた。挿し木で増やしたものであろうか? いずれにしても、御所側がこの橘の木を枯らさずに大切に継承していこうという気持ちが感じられた。小生の深読みかもしれないが。
   
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図5.樹を囲った枠の中には 分枝か? 幼木か? が生えているが、すこし新葉がクロロシス気味である。       
       
(森敏)
付記1:以前に御所を一般参観で見学したときに以下のブログを書いていることが分かった。この時は「枯死」しそうな姿に気がとられてまさか「鉄欠乏クロロシス」が出るとは思わなかったので、そのことについては論じていない。以下のブログです。
  
2010/04/25 : 紫宸殿の右近の橘(たちばな) (クリックしてください)
   
付記:今回開放されている御所の敷地の塀の外側の、広大な松の木の生えている丁寧に刈り込んでいる植え込み場所には、現時点での観察ではクローバーとタンポポと不明の可愛いい小さな紫の花をつける植物しかほとんど生えていない。これらは根系が発達しているので、毎年地上部を人工的に庭師が刈り込んでも、栄養を根茎にためているので毎年新芽が再生して来ているものと思われる。そこでタンポポを1時間かけて1万株ぐらい数えたのだが、奇形株は一つも見いだされなかった。


秘密

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