2016-03-22 21:10 | カテゴリ:未分類

裁判官らが避難区域3町で検証 「生業を返せ」福島原発訴訟
          

 東京電力福島第1原発事故による県内外の被災者約4000人が、国と東電に原状回復や慰謝料を求めた「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟で、福島地裁の金沢秀樹裁判長らは17日、全域が避難区域となっている浪江、双葉、富岡の3町を訪れ、被害の現状を検証した。原告側弁護団によると、全国の20を超える地裁で起こされている原発事故をめぐる訴訟で現地で検証が行われるのは初めて。

 検証は審理の一環として行われ、金沢裁判長と裁判官2人を含む計約80人が参加した。この日の検証の結果は証拠として扱われ、判決に向けた判断材料となる。原告側が「現場に行き、被害を五官で感じることが必要」として地裁に検証の実施を求めていた

 金沢裁判長らは川俣町山木屋地区を経由して浪江町に入った。

 全身を覆う防護服に着替えた後、居住制限区域の同町立野にある、畜産業の原告の自宅を訪れ、動物の侵入や雨風によって荒れ果てた住宅や、震災当時150頭の牛がいたという牛舎を見て回った。

 双葉町では、JR双葉駅から荒廃した店が並ぶ商店街を歩き、帰還困難区域の原告宅を訪れた。第1原発から北西約4キロの位置にあり、自営業を営んでいた双葉町長塚の福田祐司さん(67)の自宅前に近づくと、裁判官らが持っていた線量計の警戒音が一斉に鳴り始めた。その中で福田さんは、自慢だった庭園や、動物に荒らされた自宅の様子を説明した。裁判官らは放射線量が高く、原則立ち入り禁止となっている住宅内部の被害状況などを確認した。

 富岡町では道路1本を境に、帰還困難区域と日中の立ち入りができる居住制限区域に分けられた現状を見た。

 検証には国、東電側の代理人らも同行した。

 原告側は福島市の仮設住宅など中通りでの検証も求めており、次回5月17日の口頭弁論で実施が正式決定する見通し。
20160318 0810分 (福島民友)
   
  

上記、福島民友(福島民報にも同じ記事が掲載されている)に、原発訴訟で担当裁判官が放射能汚染現場にでかけて実況見分を行っているという記事が出ている。線量計を持って防護服を着ての、実地検証ということである。現場を訪れて、その場の4次元の空気(雰囲気)を五感で感じ取り、測定計器でその場で定量的な値を得るということは、科学者ならあたりまえのことである。ところが実に不思議なことであるが、日本の裁判官は、「書面審査」と「証拠物件」と、「証人尋問」で最初から最後まで貫き通すことがほとんどである。小生のこれまでのいくつかの公害裁判にかかわった経験からの感想では、裁判官が現場検証をあまりしたがらないのは「現場に出かけて稚拙な質問をして恥をかきたくない」という間違ったエリート意識からくるもではないかと思われる。

      

現場検証では、文字化されたり図面化されたり、写真にとられたりして、人為加工処理された(なんらかのフィルターにかけられた)裁判用の原告や被告から提出された証拠類では、本当に明らかにされていない事象が浮かび上がってくる可能性が大いにある。なので、本来ならばどんな裁判でも、裁判官自身による「現場検証」は必須であると思う。

   

今回原発裁判では初めて現場検証が行われたとのことである。この報道を聞いて小生には「原発裁判もやっとここまで来たか」と感慨新たなるものがある。

     

ここからは蛇足で、私事になるが、小生は15年前ごろ、東京理科大学の専門職大学院(MOT)で2年間客員教授を務めたことがある。ここでは社会人が多額の年間授業料を払って、仕事がはねてから午後6時から午後9時までの授業を各人がパソコンを持ち込んで熱心に聴講していた。その中に、女性の司法研修生がいた。小生の授業は主として土壌・食料・健康・環境などに関してであったのだが、若いころいくつかの公害裁判にかかわった経験から、ダイオキシン、水俣病、催涙ガス、カドミウム中毒、DNA鑑定、農薬汚染、放射能汚染などの公害問題も講義した。理系の知識が必要であったが、彼女はよく食いついてきていたと思う。現代裁判は理系の知識がなくては判断ができない場合が多いので、極力若い時に裁判官候補生は機会をとらえて、自然科学的知識を積極的に取り込んでおくべきだ、裁判官自身による現場検証が非常に重要である、ということを彼女には強調したつもりである。

    

最近、テレビや新聞では科学鑑定を争う裁判にも陪席裁判官や裁判長に女性が起用されている場合が多くなっている。名前と顔をすっかり忘れたが、そのうちの誰かは当時の彼女であるかもしれないと思うことがある。
    
(森敏)


付記:みなさま、タンポポの奇形観察お忘れなく。
2016/03/10 : タンポポの奇形をお見逃しなく :観察次第ご連絡ください

 


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