2016-02-15 22:21 | カテゴリ:未分類

      立春を過ぎて、日本列島の南のほうでは「つくしんぼう」が立ち上がってくる季節になってきた。北関東でもそろそろだ。前回もつくしんぼうの放射能汚染に関して報告したが、今回はつくしんぼうの胞子の放射能汚染に関して報告する。
          

前回は2年前(2014年春)の飯舘村のつくしんぼうについて紹介した。(付記の赤字のWINEPブログをクリックしてください)
     

今回は昨年(2015年 春)の浪江町のつくしんぼうについて紹介する。


     


スライド13 

図1.つくしんぼうのオートラジオグラフ
    

  図1.は道路端のつくしんぼうを1平方メートル以内で数箇所から数十本ランダムに採取してきたものの一部の放射線像(オートラジオグラフ)である。1本のつくしんぼうをよく見ると固まって黒い点々が等間隔で蓄積しているのは、つくしんぼうが伸びていくときに袴(袴)がつぎつぎと開くのだが、そのときに土の埃(埃)持ち上げながら取り込んでいく、その土ぼこりの放射能である(このことは以前のブログでも述べたことがある)。

        

 
スライド14 
 
 図2.図1の右下のつくしんぼうのオートラジオグラフの拡大図
 
        
 

  図2.は図1.の一番右下のつくしんぼうの頭部を拡大したものである。よく見ると頭にごてごて粒状のものが見える。よく見ると、少しはなれた右下の画面には4点の放射能汚染した胞子が拡散しているのがわかる。
        
  実は、オートラジオグラフを撮るためにIPプレート(:イメージングプレート、感度のよいX線フィルムと同じ機能を持つ)をサンプル(ツクシンボウ)からはがすと、ぱっと胞子が飛び散ったのには驚いた。アルミニウム製の遮光カセッテにいれて1か月間感光しているうちにツクシンボウの胞子が成熟して、飛び散る寸前になっていたものと思われる。そこで、丁寧に50本ばかりのツクシの胞子をかき集めたら、なんと 222.6mg も回収できた。そこでこれをゲルマニウム半導体で 2日間かけて測定した。その結果が表1.に示したものである。

                
土筆の放射能--

表1.ツクシの胞子と本体の放射能
  

   

  表1.でCs-137 について 胞子とツクシ本体を比較すると2223/32.6= 68.2 である。つまり、ツクシンボウの胞子は母体の約70倍に放射性セシウムを濃縮しているということになる。これまでいろいろの植物の種子を測定してきたのだが、種子のほうが葉や枝よりも放射能値が高いという例はなかった。
    
  もっといろいろ調べれば、ツクシ以外にも次世代(種子)がセシウムを母体よりも濃縮する植物がまだ発見されるかもしれない。PCBや水銀が母体の排泄物として胎児に移行されるという現象は1960年から70年代の日本の公害問題で明らかにされてきたことである。植物も次世代に異物を排泄するという同じことをしているのかもしれない。などと一瞬擬人的に思ってみたのだが、そんなことはないだろう。ツクシンボウの胞子は遺伝的にカリウムを溜め込む性質があり、放射性セシウムもカリウムの輸送体を通してカリウムと間違えて吸収されたに過ぎないのだろう。
       
  今年もツクシンボウは食べてはいけない。
          
(森敏)

付記:

秘密

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