2015-11-06 10:06 | カテゴリ:未分類
 

以下のような不祥事があると、福島県産の多くの農作物が放射能をノーチェックで、市場に流れて、人々の口に入っていると思われることだろう。ダイズやアズキなどのマメ科の作物は、セシウムが種子に移行しやすいと言われています。現状ではその原因がまだ十分に解明されているとは言い難い。だから、お米の全袋検査以上にマメ類は厳密な放射能をチェックする管理体制が必要です。付記でマメ科の子実のセシウム汚染に関してコメントしておきました。

      
          
  

検査前のアズキ販売 福島県「食べても問題はない」

20151031 0908分 (福島民友)
 県は30日、棚倉町にあるJA東西しらかわの農産物直売所「みりょく満点物語棚倉店」で、出荷の可否を判断するための放射性物質検査が行われる前のアズキ計21袋(1袋300グラム)が販売され、流通したと発表した。検査前のアズキが市場に流通したのは初めて。県が自主回収を始めた。売れ残っていた袋は全て放射性セシウムが不検出だったことから、県は「食べても問題はない」としている。

 県によると、同町の旧棚倉町、近津村、高野村の3地区の農家3戸が9月26日から今月30日にかけてアズキ31袋を出荷、このうちの21袋が販売された。

 アズキは、旧市町村単位で県が毎年行う抽出調査で安全性が確認されたものだけが販売可能となるが、同直売所の職員は、店舗で自主検査をして問題がなければ出荷できると誤解していたという。

 県は関係者に周知するとともに「再発防止に努める」としている。自主回収に関する問い合わせは同直売所(電話0247・33・1212)へ。
   
   
(森敏)
付記:先日(2015年9月9日)の京都大学での「第61回 日本土壌肥料学会大会」での発表では、放射性セシウムによるダイズの子実の汚染に関して5題の報告がありました。それらを簡単に要約すると、

      

1.         ダイズ栽培期間中に硫安で窒素追肥すると確実に子実の放射性セシウム含量が増加する。おそらく粘土鉱物にイオン吸着していた放射性セシウムイオンがアンモニウムイオンと交換して遊離して吸収されやすくなったものと思われます。
       

2.          低いカリウム土壌では子実や植物体のセシウム含量が増加した。土壌の交換性カリが30mg/100g土壌以上で子実のカリ含量が急激に低下した。これは、過去のWINEPブログでもしつこく解説してきたのですが、セシウムイオンとカリウムイオンが根で吸収されるときに、根の細胞膜輸送体で拮抗するため、カリウム施肥によって放射性セシウムの総吸収量が抑えられるためです。

               

3.カリウムの保持力の低い老朽化畑では基肥でカリウムを施用しても雨で流亡するのでダイズの子実のセシウム含量が高くなる。
    

4.         ダイズの地上部のK濃度が高まると登熟期のセシウム濃度が低下した。
        

5.         日本のダイズの栽培品種コアコレクション96品種を栽培したところ、子実中のセシウム含量は最大と最小の間で4.5倍あった。
              
以上の研究結果はおおむねイネでも解明されていることです。ダイズではきちんとこれまで確かめた人がいなかっただけでしょう。低セシウム品種を使い、養分保持力の高い土壌にして、高カリウム施用をし、アンモニア追肥をしない、という農法が奨励されるべきです。アズキも同じことです。 
           
(森敏)
    

秘密

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