2015-06-11 17:42 | カテゴリ:未分類
 
 
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 (図1)多数の松カサを付けて枯れた松の木(品種不明)
 
 
 
 
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(図2)松カサを増やしながら枯れ始めた松の木(写真が横になっております)

 

  松や杉が赤枯れする現象は、飯舘村や浪江町でいまでも散見される。枯れ始めた松の木にリボンを巻き付けるなりしてマークして、原発事故以来直ちに定点観測態勢に入っていれば、その赤枯れの傾向がつかめるかも知れないが、林野庁はそういうことをやっているだろうか?小生が情報を積極的に取りに行っていないからかもしれないが、そういう研究報告を聞かない。

 

  2012年に渡利地区の林に入ったときは原発事故以前にマツノザイセンチュウにやられたと思われる松の立ち木にマーカーが付けられていたし、一部は切り倒されて丁寧に集積されていた。原発事故後は福島ではこの「森林保全」などという課題は吹っ飛んでしまって、林野庁は全てをあきらめているのかも知れないが、松と杉の放射線感受性の違いなどが本当かどうかなど、今でなければ出来ない生態学的な観察課題に挑戦すべきだと思う。それこそ話題のドローンなどを、定期的に飛ばして、上空から樹木の枯れ具合を毎年定点観測をしたらいかがかと思う。小生も素人ながらいつも気にしているのだが、どうしても地上からの見上げる樹木の観察には全体の状況を把握できないので、観察に限界がある。

 

  以前にこのWINEPブログで書いたことがあるが、松は杉よりも細胞の核が大きいので、染色体を通過する放射線による被曝過程が長いので、それだけ放射線にやられやすい、とチェリノブイリ事故の研究者により解釈されている。チェリノブイリでは松林は 赤い林(red forest)と呼ばれるぐらい松の木に対するダメージが大きかったようである。(この赤い林は動画で残されている)

 

  今回図1に見るように、浪江町で完全に赤枯れしている松を見つけた(といっても道路脇なのでだれでもわかるのだが)。この枯れ松は異常な数の松カサを付けたままの立ち枯れである。ざっと数えて一本の樹に2万個以上の松カサを付けている。この斜面は南側が広い放棄水田跡地の開放空間の端なので原発からの放射性プルームがもろにぶち当たったところではないかと思われる。図2に見るように、もう一本の松の木も枯れ始めていた。こちらの方も松カサを増やしながら徐々に枯れて行きつつあるようである。後ろの山の杉林も南面の小枝がすこし枯れ始めていた。
 
  松が枯れるときは子孫を残すために最大のエネルギーを使って次世代の松カサの数を増やし、そこの種子に栄養を転流しているかのようである。その種子が放射能汚染土壌で発芽するのかどうかは分からないが、実に涙ぐましい努力だと思う。ちなみにここの松の木の下の土壌表層の放射線量は毎時12マイクロシーベルトであった。当初の高濃度の短半減期(8日)の放射性ヨーソ (I-131)、と半減期の長い放射性セシウム(Cs-137 30年、Cs-134 2年)の強い傷害を受けたのちも、継続するこれらの放射性セシウムの影響で徐々に弱っていったのではないだろうか。他の除染していない樹木も全て多かれ少なかれ、おなじ放射線被曝下にあるので劇的な微分的変化としては、素人目には見えないが、状況は今も現在進行形である。
     
(森敏)
追記:後で現地写真を詳細にしらべていたら以下のような若いスギにも異常な枯れ方が進行していることが分かった。写真には写っていないが、この背景にある高木の旧い年代の杉はことごとく先端から雌果を付けて枯れ始めている。
 
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秘密

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