2015-04-24 21:26 | カテゴリ:未分類

以下少しかたぐるしいですが、最後までお読みいただければありがたいです。
 

  下の図1は20124月の、長泥の展望台(空間線量 毎時10マイクロシーベルト)の後方の崖に生えてきた10個ばかりのフキノトウを採取したものの2つのサンプルのオートラジオグラフである。フキノトウの採取は、落ち葉などの中からにょっきり出てきた地上部数センチの物を切り取るので、そのときに決して落ち葉や土壌による2次汚染をさせないことが肝要である。フキは90%以上水分を含んでいるので、姿かたちが壊れないようにオートラジオグラフ用に乾燥するためには、新聞紙を毎日取り換えて脱水する必要があった。結果は全身が内部被ばくしており、とくに先端の活発に成長している花蕾の部分が強い。丁寧に採取したつもりだが左のフキノトウはかなり各所が外部被曝していることがわかる。こまかい点々の部分がそれである。すでに、風雨による斜面の上の森林からの二次汚染が起こっていたものと思われる。
  
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 図1.フキノトウのオートラジオグラフ。濃い点々は外部被ばく。右上の写真は、押し葉の原図。黄色い小さい文字は撮像用にセットした日付けです。
      

  また、これらとは異なるサンプルであるが4つをゲルマニウム半導体検出器で放射能の絶対値を測定した(表1)。ここでは乾物重あたりの放射能(:Bq/kg乾物重)で表しているが、生体重あたりだとほぼこの10分の一の値になる。4つはほぼ同じところから採取したのであるがNo.4はほかの3つに比べて異常に高い値であった。これは図1の左の汚染像で見るような、外部被曝によるものではないかと考えられる。
 
Bq---- 
 表1.図1のフキノトウの10センチ近傍でサンプリングした4つのフキノトウの放射能値と移行係数。

  

  以下の記事には湿地と乾燥地のフキノトウの放射能データが報道されている。乾燥地よりも湿地の値が高いのは雪解けによる濃度の高まったものを毎年一気に直接吸収するからであろうという見解は、斬新だと思う。
  
      我々の「放射線像 放射能を可視化する」(皓星社刊)の中にも示したが、飯舘村の「あいの沢」の湖畔のコゴメウツギの実生(78-79ページ)は全身均一に強く内部被爆している。雨が降ると湖水に浸かって新鮮な放射性セシウムを根や樹体から吸収するからであると考えられる。普通は陸に生える木の実生は根基部が強く汚染しても地上部へは放射能が移行しにくくなる。乾燥地土壌のセシウムは急速に固着に向かって、植物には吸収され難くなっていくからである。
 
  結論として、つまり沼沢に群生してくる新鮮なフキノトウは食べないほうがよい、ということである。

 
    

湿地のフキノトウが高濃度汚染か 杉浦准教授が調査

 じめじめした湿地状の場所から採取されたフキノトウが、高濃度の放射性セシウムに汚染されている可能性が高いことが30日、福島学院大短期大学部の杉浦広幸准教授の調査で分かった。
 杉浦准教授によると、伊達市保原町富沢地区の伊達花見山公園駐車場脇の場所では、1キロ当たり約960ベクレルを検出、基準値の1キロ当たり100ベクレルの約10倍の値に達した。一方、10メートルも離れていない乾燥地では、基準値以下の1キロ当たり約49ベクレルの濃度だった。このほか、福島市茂庭の「もにわ広瀬公園」などでも調査、湿地は乾燥地より、3倍程度高い値になったという。
 「年間を通じて乾燥しない場所(湿地状態)での植物は、放射性セシウムを吸収しやすい」との仮説を立て、前年度から調査していた。杉浦准教授によると、湿地状の場所では、放射性物質の自然減衰に逆行するように、前年度よりも高い数値を検出しているという。「湿地状の場所は、雪解けも早くセシウムなどが集まりやすいのではないか」と分析している。
(2015年3月31日 福島民友ニュース)

  

(森敏)
秘密

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