2015-04-20 21:26 | カテゴリ:未分類

  以下に示すのは2014年11月に採取した福島県浪江町の道路わきの背の高さが30センチ弱のヨモギ(図1)とそのオートラジオグラフ(図2、図3)である。土壌表層の放射線量は毎時15マイクロシーベルトを示した。

  実際のところ現地に生えている植物を根を切らずにまるごと採取するのはなかなか難しい。土壌が強度に放射能汚染しているので、植物を採取するときに、土壌で植物体を再汚染させないように掘り取らねばならないからである。

  秋枯れし始めたヨモギを10本ばかり丁寧にスコップで周りから深くすくいとるように掘るのに挑戦したが、ことごとく細根を破損した。しかしその中でも、いくつかの根の先端を無傷で採取できた株があったので、土を丁寧に振るい落としてオートラジオグラフをとってみた。

  ヨモギが生えている根の基部2-3ミリの深さの土壌にしか放射性セシウムは存在していないので、その土壌と接触している根の部位から吸収した放射性性セシウムが、地上部へばかりでなく、根の先端方向にも積極的に移行しているのかどうかを、きちんとオートラジオグラフで可視化して確かめたかったのである。
 
  結果は図3の拡大図に示すように予想通り2本の根の先端が相対的に濃く映っていた。放射能汚染土壌部位と接触する根基部から吸収されたセシウムが、確かに地上部の葉(図2)ばかりでなく、根の先端(図3)にも移行していたのである。セシウムはカリウムと同様に根の先端細胞分裂組織に積極的に取り込まれているのである。
 
  研究者は、こんな一見つまらない些細なことにも興味を覚える人種なのである。


 
   


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図1. 現地で根から掘り出したヨモギ
 

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図2.上記ヨモギのオートラジオグラフ. 根の基部の強く黒く感光している部位は、付着した汚染土壌が取り切れていないためである。地上部の葉の黒点は外部被ばくで、道路わきなので車などによる汚染土壌の舞い上がりによるものと思われる。




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図3.上記オートグラフの根の先端部分を拡大したもの。先端が強く標識されている。
 
 
(森敏)
秘密

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