2015-01-16 14:19 | カテゴリ:未分類

ヤマユリは標高の高い飯舘村で夏から秋にかけて随所で見られるひときわ目立つ野生の植物である。

 

一般に大きな花の植物の花弁は薄くて水分が豊富なので非常に「押し花」にしにくい上に、押し花の最中に花弁がかならずバラバラになるので、オートラジオグラフをとることが極めて難しい対象であった。おおまつよいぐさ、水芭蕉、マムシ草、など花弁が大きい植物に関しては、何度も押し花に失敗した。

 

今回丁寧に「押し花」をして、長期の時間をかけて、IPプレートに感光したら、きれいなオートラジオグラフが撮れた。花粉が生産されている葯(やく)と、雌(め)しべの先端と花弁の導管に特異的に放射性セシウムが移行していることが分かる。花弁はばらけているが。この後の生育経過は葯の花粉が飛んで、めしべの頭頂部に付着して、花粉管がめしべの下方に伸びていって、卵子と受精して、やがて大きな莢をつける。その莢中には数えきれないばかり(数百)の種子が成長している。それが晩秋には莢がはじけて中の種子が飛び散り、翌年にそのほんの一部が発芽して成長するのでヤマユリの群生地が出来るのである。
  
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 図1.ヤマユリの押し花のオートラジオグラフ。下図(図2)と対照してください。 



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図2。図1のヤマユリの押し花の原図。バラバラになったのを再構成したので花弁が一部重なっている。雌しべが途中で折れている。
         

まだ花弁の放射能を測っていないが、2013年秋に飯舘でサンプリングした立ち枯れしたヤマユリの莢と種子をNaIスペクトロメーターで測ると以下の通りであった。セシウムは間違いなく次世代に移行しているわけである。
   

 

 

総放射性セシゥム

 

(Bq/kg)

 ユリの莢

2553

 ユリの種子

3293

        

(森敏)


秘密

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