2014-11-25 10:44 | カテゴリ:未分類
クモのAg-110m論文用Figs&Tables(20141110)-- 



上に示すのはこれまでも全国各地の「放射線像展」でカメラマンの加賀谷雅道氏が展示している「ビバカリ」(Amphiesma vibakari の皮(蛇腹)を剥いだあとのオートラジオグラフの像(上図)と、皮を剥ぐ前のヘビの全身像(下図)である。このヘビは加賀谷氏自身が2012年夏に飯舘村長泥地区で採取してきたものであるが、皮(蛇腹)を剥いだあとの体表面をガイガーカウンターで測定すると1500カウントという驚異的な値を示したので、小生が恐怖を覚えたものである。
 
          ヘビの全身のγ線量を測定するには、このヘビの形状を切り刻んでゲルマニウム半導体測定用器に詰めなければならないので、まだ測っていない。が、大まかな換算をするとおそらく数百万ベクレル/キログラム はあると思われる。この値はこれまで飯舘村で小生が採取して測定してきた生き物では内部被曝の最高値である。このヘビのオートグラフ像〈上図〉は内蔵と皮膚(蛇腹)を解剖して除いているので、オートラジオグラフ像に写っている線源はヘビの筋肉そのもの由来のものである。非常に濃く写っている点々は、解剖で取り切れなかった内臓由来のものである。
 
         このヘビは「食物連鎖」を通じてメルトダウンした原発由来の放射性降下物を取り込んだ放射能含量の高い小動物を1年以上にわたって食べてきたので、それが筋肉に集積したものと思われる。しかし3年半経過した最近のヘビは放射能が急速に低下している。
 
  その一つの理由は、ヘビは脱皮という一種の解毒行動を行うことによって、放射能を排泄してきているからであるとおもわれる。また、もう一つの理由としては、過去のチェリノブイリの土壌の測定から言えることは、放射性セシウムが急速に粘土粒子に固着して生物によって利用し難い形になってきているためと思われる。土壌によっては生物が利用しやすい水に溶けやすい放射性セシウム含量は初期のころの1%ぐらいに低下しているのではないだろうか。(この点は土壌学者の喫緊の分析成果に待ちたい)。なので、食物連鎖を通じても最近の飯舘村のヘビは放射能摂取量が急速に低下しているものと思われる。

 

しかしまだ依然として非常に空間放射線量の高い帰還困難区域の浪江町などの生態調査はこれからである。先日浪江町で採取したジョウロウグモは放射性セシウムの合計値(Cs-134 + Cs-137)1万ベクレル以上という、2011年に飯舘村で採取したジョロウグモと同じ非常に高い放射能量を示したのである。

 

 (森敏)

(付記1)このビバカリヘビのオートラジオグラフ像はフランスのリベラシオン紙やスエーデンのモルゲンブラデー紙にも大きく掲載された。岩波の「世界」にも掲載された。しかし日本の大新聞は掲載しない。

   

(付記2) 将来博物館に保存すべきものと考え、あえてビバカリは隔離保管している。剥離した蛇腹も。

 

 

 

秘密

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