2014-11-10 11:52 | カテゴリ:未分類

   現在、飯舘村のあちこちで急ピッチで放射能汚染土壌の除染が行われている。ほとんどすべての民家の敷地から同時並行的に除染に手が付けられているようだ。3年半経ってやっと住民の要望が実現されはじめたようだ。雪が降る前の作業を急いでいるのかも知れない。ゼネコンには復興予算を消化しなければならないプレッシャーもあるのだろう。
   

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きれいに除染客土した直後の農地(土壌面水準確認のために各所に指標用の木の棒が立てられている)
  

  民家の周りの土壌を除染しても、この地方独特の屋敷林(いぐね)がある限り、そこからの放射能で民家の室内の空間線量は0.23以下には下がり得ないと思っていたが、この点に関しては、住民は泣く泣く「いぐね」を切り払うことに同意したようだ。切り株の年輪を数えてみるとほとんどのスギが50-80年を経過している。
   

いぐね(屋敷林)の伐採DSC04870-- 
いぐねの伐採中(右側に民家)
   
いぐね伐採あとの客土  

 いぐねの伐採後客土処置
  
  裏山が傾斜地のすぐ下に建てられている家がほとんどであるが、居住区から画一的に20メートルまでしか山は除染しない上に、除染したあとには何の手当もしていないので、雨が降れば斜面の土壌崩壊(エロージョン)が起こることは目に見えているが、それでも強行しているようだ。あとは自己責任か?
 
(追記:2015.9.16.危惧していたことがやはり起こったようだ。9月上旬の北関東や南東北でのはげしい集中豪雨で、飯舘村も打撃を受けた。以下菅野宗夫さん宅の報告です。


■┓豪雨による被害
┗┛
北関東から東北を襲った豪雨は飯舘とその周辺にも被害をもたらしました。
いつも利用している国道115号の石田地区や虎捕から滑への道も崩落があり通行
できません。宗夫さん宅は床上浸水を免れましたが前の道路はアスファルトの下
の土が流出したために車は通れません。
残念ながらイネも一部倒れてしまいました。
https://www.facebook.com/FukushimaSaisei/posts/1037350439620293
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.1037344576287546.1073741903.303443156344362&type=3

耐えたイネを守るため、最優先で電気柵の修理を行いました。引き続き復旧作業
をしつつ、前向きに活動していきます。

小宮の田圃には被害はなかったようですが、電気柵が停電しているため補修が必
要かもしれません。
■┓ハウスはなんとか
┗┛
ハウスも浸水があり、泥が入ってしまいました。地植えの苗床は手入れをしなけ
ればなりませんが、点滴装置や育っていたパプリカなど無事で収穫できました。

■┓第二次実験小屋の準備
┗┛
サイロを利用して第二次実験小屋の板材の乾燥を兼ねて線量測定を行っていまし
たが、こちらにも大量の水が入ってしまいました。乾燥は振り出しに戻ってしまっ
たものの、測定器は床板が筏となって浮き上がったため無事でした。
https://www.facebook.com/FukushimaSaisei/posts/1037352366286767


 

 

 手前の道路から20メートル先まで山を除染する

 山の斜面剥離(ふくしま再生の会 菅野宗夫さん宅)
  
  霊山の道路斜面では通常の「のり面工事」でやるようにビニールの被覆資材が施されていたが、私有地の山林にはそのような保安手当は行われていない。所々で勾配の少ない斜面では白い山土を客土しているところがあるようだが、これは作土としての牧草地や畑地の表土を削ったことに対する補償作業なのだと思われる。水田に対する客土と同じなのだろう。
  
除染された道路ののり面の崩壊防止策(霊山にて)
道路の 「のり面」防止措置
  
   

  水田の除染は土壌剥離であるが、田んぼの狭いあぜ道の草の除草による除染は行われているがその下の土壌の除染は行われていないようだ。いつかのこのWINEPブログでも紹介したのだが、全用水路の除染はこれを本気でやると、山の傾斜地を除染する以上に大変な作業になるであろうと予想されていたのだが、飯舘村ではそれをあきらめたようだ。用水路の斜面ばかりでなくて川底の剥離除染もしていないと思われる。
 
  原発事故から3年半経った現在では、ほとんどの田んぼは一部が(ばあいによっては田んぼの全面が!)イノシシによって掘り繰り返して荒らされているので、除染作業は画一的に土壌表面の5センチ剥離だけでは、放射能除染が完全でないと思われる。実際除染が終わった土壌表面線量を測ってみると毎時0.23マイクロシーベルト以上のところが多々あった。イノシシは水浴や餌探しに30センチぐらいは鼻で堀るので、放射能はそこまで表土が埋め込まれてしまっているところが多いのである。だから水田の除染は早ければ速いほど有効なのである。時間が経つほど非効率になるのである。
  
一気に除染された風景2
昨年来この地区は、何故か農業用水系にしたがって下流から上流に向かって土壌を除染していった。
   
除染土壌集積場の建設中 
水田表土を剥離して更地にして、汚染土壌集積場を造成中(比曽地区)
      
  比曽地区はかなり空間線量が高い地区であったので、除染作業は一番後回しになるのだろうと思っていたのであるが、予想に反して広大な一時保管場所の整備が現在急ピッチで進められている。まるでもとの田んぼの境界の面影がなくなっている。これまで以上に仮置き場の土台をしっかりと雨水が排水出来るように、シートを二重にしたり、溝を切り込んだり、貯水プールを作ったりと、なかなか汚染土壌の集積保管技術が向上している様子がうかがえた。この地域の住民は当面の水田耕作をあきらめ、仮置き場を提供して補償金を得る方を選択したのかも知れない。
       

流去水用の流路 
 2種類のカバー資材で2重に被覆して、周りに溝を切っている
     
  

 ひょうりゅう水の溜池

 雨水の表面流去水の貯留漕
        

  除染作業をしている会社は名前も知らないところが多いのがこれらは大手ゼネコンの下請けか孫請けと思われる。 
       
  除染直後の水田には野獣が跋扈している足跡がある。
 
除染水田へのやじゅうの侵入足跡 
野獣の足跡
    

  当たりまえのことだが、除染一年目と思われる民家の横の更地には既に雑草が侵入している。
   
除染一年目の畑の更地 
除染1年後の白い山土で客土した畑地? 雑草が侵入している
         
  除染3年を過ぎた飯樋地区の農水省が2011年に試験的に除染作付けをした水田は毎年雑草を刈り取っており、維持管理が大変のようだ。
       
除染客土3年目の水田の管理(飯樋にて)

 除染3年目の水田(雑草を伐採している)

          

  それにしても日本中の重機が飯舘村に結集しているのではないかと思われるぐらいの壮観さで、飯舘村役場の周辺以外に、あちこちにクレーン、バックフォー、フォークリフト、などの重機の集積場がある。

        
  調査の途中で、タヌキの腸が飛び出た死体をついばむカラスを見た。溝に捨てられゲンゴロウのようなムシが群がっているマムシの死体を見た。いずれも車にひかれたものと思われる。持ち帰って放射能測定に供しようとしたが、大きすぎてあきらめた。調査に来るたびにこういう情景に遭遇する。
        
DSC04936--.jpg 
まっぷたつに車にひかれたタヌキ(腸が飛び出ている)
       
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車にひかれたマムシ(強烈な醜悪なにおいを放っていた)。向いはすばらしい紅葉なのだが。。。。
          
(森敏)

 

 

 

秘密

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