2014-08-06 16:48 | カテゴリ:未分類

笹井芳樹副センター長の自殺には悲しすぎて言葉を失いそうだ。

 
       自分が自ら手を下した研究であれば、誰が何と言おうが自信を持って天下に突っ張れるが、そうではない今回のケースに関しては、なかなかさまざまな重圧に踏ん張りきれなかったのだろう。

 
      彼の自殺は矛盾の中での「切腹」だ。 
    
莫大な知的財産が失われたとみるべきだ。

 

     報道によればあちこちの遺書の

「研究は楽しかった」

「STAP細胞を必ず再現してください」

「あなたのせいではない」

「楽しい人生を一歩一歩進んで行ってください」

「精神的に疲れた」

「今日、あの世に旅立ちます」

という断片的な文言のみが開示されている。

 
       死ぬことを決断しても、残された本心はSTAP現象の解明に、希望をかけているところが実に純真な科学者だ
 

発生・再生総合科学総合研究センターの副センター長などという、さまざまなマスコミ対応や、予算獲得や、人事裁量などの多彩なガバナンスを要する地位に上りつめずに、生命現象の摂理を解明するという一研究者に徹しきれなかったところが悲劇だ。 
 

えてして「人は無能化するまで出世させられる」のである。
  
 
(森敏)
追記1:本日(8月7日)
笹井氏の小保方さんへの遺書のほぼ全文が神戸新聞で紹介されている。

STAP細胞論文の責任著者の一人で、自殺した理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市中央区)の笹井芳樹副センター長(52)が、小保方(おぼかた)晴子研究ユニットリーダー(30)に宛てた遺書の概要が、関係者への取材で分かった。「疲れはてました」と吐露し、謝罪を繰り返す一方で「決してあなたのせいではない」「新しい人生を歩みなおして」と小保方氏を気遣う内容だった。

 小保方氏宛ての遺書は、手書きで「小保方さん」と書かれた封筒に入っていた。A4サイズの用紙1枚に横書きで約20行の文章をしたためた。パソコンで作成したとみられる。

 「もう限界を超え、精神が疲れはてました」「もう心身とも疲れ、一線を越えてしまいました」と吐露し「一人闘っている小保方さんを置いて」「こんな事態になってしまい、本当に残念です」などという趣旨のわびる表現が目立った。

 「私が先立つのは、私の弱さと甘さのせいです。あなたのせいではありません」「自分をそのことで責めないでください」と繰り返すなど、かばう言葉が続いていた。

 「絶対、STAPを再現してください」と進行中の検証実験への期待に触れ、最後は「それが済んだら新しい人生を一歩ずつ歩みなおしてください。きっと きっと  笹井芳樹」と結んだ。

 自殺現場で見つかった遺書は3通で、うち1通が小保方氏宛て。すべてパソコンで作成したとみられ、いずれも封筒に入っていた。

追記2:昨日発行された文藝春秋にはSTAP問題の2つの取材記事が載っている。これはなかなか読ませます。

「小保方晴子 三つの顔」 森健
「聡明でウイットに富んだ人です」弁護士が初めて反論150分 三木秀夫/室谷和彦

追記3.雑誌「新潮45」に 笹井氏がカネの問題で自殺に追い込まれたという観点からの記事が出ている。
笹井が死を持って告発した「理研の闇」 小畑峰太郎

この筆者によれば、
「科学は,真理を客観的に追及する高尚な学問かもしれない、しかしそこの従事する人間は、栄誉と金と欲望と狂気に翻弄されながら俗世に生きる俗物なのである。それはどこの世界とも同じであり、社会の木鐸である新聞記事にねつ造があり、聖職者と呼ばれる神父が少年愛に耽るのと同じことだ。」
「(笹井は)予算獲得のためにSTAP細胞にかかわるような傲慢さが身についてしまった」
ということなんだそうである。
このようにズケリと一刀両断されると科学者も立つ瀬がないですね。
 
追記4.(9月4日)産経新聞がnature誌の以下の追悼記事を紹介している。

笹井氏「フロンティア広げた」 ネイチャーに追悼記事

2014.9.4 14:26 産経

 STAP細胞問題で、英科学誌ネイチャーは4日付で、8月に自殺した理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の笹井芳樹副センター長について「幹細胞研究や組織再生のフロンティアを広げる大きな財産を残した」とする追悼記事を掲載した。

 記事は2008年から笹井氏と共同研究をしていた米カリフォルニア大サンフランシスコ校のアルトゥーロ・アルバレスブイジャ教授が執筆した。

 笹井氏について「独特の笑顔で、柔らかい語り口だった」とし、08年に兵庫県の六甲山を一緒に歩いた際には「誇りと情熱を感じた」と振り返った。笹井氏から忍者の歩き方を教わったという。

 教授は、笹井氏が胚性幹細胞(ES細胞)から複雑な脳や眼の組織を作った成果を紹介し「称賛すべき同僚で、親愛なる友人が自ら命を絶ったことを知り、衝撃を受けた」とつづった。

 教授は「科学コミュニティーが彼を失ったことは真の悲劇だ」と記事を締めくくった。

 

 

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