2014-07-15 13:31 | カテゴリ:未分類

以下に紹介する朝日新聞の記事は画像と全文がパクリである。
 
  この記事は小生らが植物や小動物の放射線像を撮るときに用いるBASという手法を用いて、相馬市の稲穂の外部放射能汚染を農水省が証明したものである。東電の瓦礫処理作業から飛来した放射性セシウムが穂を汚染して、玄米にも移行して玄米の放射性セシウム濃度が毎時100ベクレルという、食品汚染の基準値をオーバーした理由を推察したものである。 

 

このようにBASによる放射能の可視化の手法で直接放射能汚染部位が同定できることは小生が口を酸っぱくして、このwinepブログで紹介してきたことである。農水省によって汚染源追求の手法のひとつとしてBASが使われ始めたことは慶賀すべきことである。農水省はこの結果と諸般の情報から今回の放射能汚染の真の放射能排出源を東電福島第一原発の「瓦礫処理」にあるとほぼ断定している。

 

福島県は消費者の信頼を得るために、平成25年度には一見徒労ともみえる30キロ玄米袋の109773735個の全袋検査をやった。そこで100ベクレル/kgを超えた28袋の玄米袋がひっかかかってきた。全袋検査の手法がまだまだ有効であることを立証している。この全袋検査によって、お米の放射能汚染が検出されたことが問題であったばかりでなく、BASによる植物体の放射能汚染部位を特定することによって、その汚染米が検出された圃場への放射能の排出源を推定することができたということが重要である。全袋検査(ゲルマニウム半導体測定法)とBASによる可視化の手法が有効であるということでもある。一般化すれば、廃炉工程の原発由来の放射能が現実に露地栽培の農産物を直接汚染したということが明らかになったのである。今後とも生産者はまだまだ油断ができないと思う。 農学研究者も環境科学研究者も東電の今後の長い長い廃炉工程の中でまだまだ予測のつかない何が起こるかもわからないので決して研究の手を緩めてはならない。
 

 

現今の大気への放射能排出源はバックグラウンドとして東電福島第一原発のいまだに続いている原子炉からの排出と、原子炉ガレキ作業中の排出があるのであるが、それに加えて今後は山林・田畑・宅地・活性汚泥などのフレコンバックに詰められた放射能汚染廃棄物の「焼却処理場」が問題になるかもしれない。この焼却作業に由来する漏出放射能を警戒せねばならないだろう。だから小生は放射性廃棄物焼却場は処理場全体を後楽園ドーム球場のようにドーム状に蔽って全体を2重の閉鎖系にすべきだと提案しているのである。ロータリーキルンなりなんなりの高温処理機の排出口にバグフィルターを設置するばかりでなく、その装置や作業場全体をもう一回り閉鎖系にすべきなのである。その排気口にも除染フィルターをつけるのである。想定外の事故は必ず起こるだろうから。
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東京ドーム球場を文京区役所から撮影(2014年7月18日)

  

  この小生の提案は、かつての群馬県の東邦亜鉛(株)のように、どんな工場でも超高熱を用いる工程を有する工場では、必ず重金属の微量の大気への排出があり、それが長年の間の周辺の水田土壌のカドミウム汚染、したがって玄米のカドミウム汚染につながったという苦い公害の経験からの提案なのである。 

 

  その意味でも、今後飯館村などの「放射性廃棄物焼却場」で開始される長期にわたる焼却処理作業には、周辺環境の大気の経時的モニタリングは欠かせない。それと同時に処理場周辺の東西南北で新しく表土除染したクリーンな水田での稲作での植物体や玄米も重要な放射能汚染の指標にすべきであると思う。 最初からそういう環境整備をしないで安易に焼却に進むべきではないだろう。
 
以下朝日新聞の記事です。



新しい画像 


丸印は放射能。農水省提供。

 

 新しい画像 (1)
 
 

原発がれき汚染で東電陳謝 作業は月内再開、地元は抗議

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 東京電力福島第一原発のがれき撤去作業で昨年8月、放射性物質が20キロ以上飛散し、福島県南相馬市の水田を汚染した可能性のある問題について、東電は14日の定例会見で「作業が原因かどうかはわからないが、飛散問題で広く迷惑をかけて大変申し訳ない」と陳謝した。

 中断している撤去作業は月内に再開する考えを明らかにした。放射線量や事前に詳細な作業内容を公表するかどうかについては「作業再開までに検討する」と述べるにとどめた。

 農林水産省は今年3月、がれき撤去が原因の可能性があるとみて東電に再発防止を要請する一方、地元には説明していなかった。朝日新聞の報道を受け、18日にある地元の農業関係者の会議で説明する方針だ。

 桜井勝延・南相馬市長は取材に「深刻で大きな問題なのに、すぐ市に報告しなかった農水省には不信感を持たざるを得ない」と指摘。東電に対しては「農家や市民の不安をあおるような作業をしてきた無責任な対応に抗議し、説明を求めたい」と述べた。

 



(森敏)

付記:以下の過去のWINEPブログの中の「稲穂」の放射線像を見てください。

2014/02/07 :
ものみな放射能汚染せざるものなし(これまでの再録)


 
  
追記1.農家の怒りは当然です。

「一刻も早く究明を」 コメ汚染、南相馬の農家ら反発

 南相馬市で昨年秋に収穫された実証・試験栽培のコメから基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える最大180ベクレルの放射性セシウムが検出され、その原因が東京電力福島第1原発内のがれき撤去の可能性があることが分かった14日、同市の農家らは原因の究明を求めるとともに国や東電の説明がなかったことに反発した。
 同原発から20キロ以上離れた南相馬市の旧太田村で昨年、水稲栽培を行い、基準値を超えるセシウムが検出された農家の男性(57)は「コメ以外の野菜の状況や、空間、土壌の放射線量を含め、直接原因が何なのかを調べる必要がある」とし、一刻も早い原因の究明を求めた。農林水産省が東電に対策を要請しながら、市に連絡しなかったことには「試験栽培や実証栽培には(基準値超のコメが出れば)原因を調べ、対策を講じる意味もあるのに、これでは意味がない」と指摘。「農家の営農意欲がさらに薄れてしまう」と危機感をあらわにした。
(2014年7月15日 福島民友ニュース)


原発がれき撤去で飛散か 昨秋の南相馬のコメ放射性物質検出 農水省が見方示す

 南相馬市で昨年秋に収穫されたコメから食品衛生法の基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された問題で、農林水産省は14日、東京電力福島第一原発内のがれき撤去作業に伴い放射性物質が付着した粉じんが同市の水田の一部に飛散した可能性があるとして、東電に対策を求めていたことを明らかにした。
 東電は昨年8月、福島第一原発3号機の大型がれきを撤去した。同省は、同市で採取された稲穂の一部に、放射性物質が局所的に付着しており、外部から飛ばされてきた可能性が有力とみている。
 同省はもみ殻などに付いた放射性物質の核種などを分析し、原発に由来するものか調べており、原発からの飛散は「可能性の一つ」とする。同原発からは約20キロ離れており、周辺の森林や田畑などから放射性物質が飛散した可能性もあるとしている。
 一方、東電は3号機のがれき撤去作業を中断し、同省からの指摘を受け、撤去作業に伴う放射性セシウムの推定放出量を1時間当たり1千億~1兆ベクレルと試算した。放射性物質が原発敷地外に飛散すると想定していなかったことも明らかにした。
 試算によると、南相馬市の沈着濃度は最大で1平方センチ当たり0.04ベクレル。放射性物質が検出されたコメとの因果関係は不明としている。
 東電はこの試算を今年4月に同省、6月には県に報告していたという。だが、同市には情報提供がなく、龍徹農政課長は「農水省と県は因果関係を調べて早急に説明してほしい」と批判した。

2014/07/15 08:33 福島民報 ) 


 


追記2.以下は京大グループの地道な成果ですね


 
がれき撤去で飛散、米汚染 福島第一の20キロ先

調査したのは、京大大学院医学研究科の小泉昭夫教授(環境衛生)ら5人。住民の被曝(ひばく)量を予測するために2012年9月以降、福島県内の住宅地の3地点に空気捕集装置を置いて大気中の粉じんを集め、1週間ごとに放射性セシウム濃度を測定してきた。

 このうち原発から北西48キロの相馬市で集めた昨年8月15~22日分から、他の時期の6倍を超す1立方メートルあたり1・28ミリベクレル放射能を検出。北北西27キロの南相馬市では20~30倍だった。西南西22キロの川内村では変化がほぼなかった。
 

複数の研究チームが濃度上昇確認 第1原発のがれき撤去

 東京電力福島第1原発で昨夏実施されたがれき撤去で放射性物質が外部に飛散した可能性がある問題で、大学など複数の研究チームが飛散したとされる同時期に原発敷地外で放射性物質の濃度上昇を確認していたことが16日、分かった。
 確認したのは、京大の研究チームや日本地球惑星科学連合の研究グループ、福島大共生システム理工学類の渡辺明特任教授。いずれも同原発で作業員の汚染が確認された時期、当時の気象状況などから、同原発のがれき撤去が影響した可能性を指摘する。
 測定された放射性セシウムの濃度は最大で、京大チームが南相馬市原町区で測定した1立方メートル当たり0.02633ベクレル。同連合、渡辺氏の測定でも同水準の値。渡辺氏は「空間線量に影響を与える濃度ではない」と話す。同連合の中島映至東大大気海洋研究所教授は「健康に影響する数値ではない」としている。
(2014年7月17日 福島民友ニュース)
 

追記3.
以下は本日(7月19)掲載された、ことの顛末記事です。この件は被害者がデーターを突きつけて抗議しないと東電は知らんぷりをするという例です。今回は農水省も大学研究者もデータを提供して有無を言わせず抗議したので、東電は認めざるを得なかったのでしょう。農業被害についてはこういう例がこれからも続出すると思います。ですから今後も引き続きあらゆる角度からの継続的な観測監視体制が必要です。

    

 

東電飛散先のコメすべて補償 がれき撤去作業で粉じん

20147190230分朝日新聞

 東京電力福島第一原発が昨年8月に実施したがれき撤去作業によって放射性の粉じん福島県南相馬市の水田まで飛散した可能性がある問題で、県と東京電力は18日、昨秋収穫されたこの地区のコメについてすべて東電が賠償することで合意したことを明らかにした。この日、同市の農業関係者向けに開かれた説明会で福島県が説明した。

 同地区で昨秋収穫し、検査したコメは1589袋。このうち27袋が基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超えたため、出荷ができていなかった。県によれば賠償の対象は計335トンで、賠償額は約7200万円。東電はこれまでも、農作物の放射性物質が基準値を超えたり、風評被害で出荷できなくなったりした場合について賠償している。

 また、同地区の5カ所で昨秋収穫された大豆でも基準値を超えたものがあったため、地区内の大豆すべてについて賠償するという。計約27トンとなる。
 
追記4.その後、福島県から以下の食品放射能モニタリング報告があった。

基準値超、全体の0.0003 % 玄米放射性セシウム

 県が平成25年度に実施した食品の放射性物質検査で、本県の主要作物の玄米の放射性セシウムが国の基準値を超えたのは1095万375点のうち28点だった。全体の0・0003%で、前年度の71点(0・0007%)に比べ半数以下に減った。野菜・果実、畜産物(原乳・肉類・鶏卵)は全て基準値以下だった。22日に福島市の杉妻会館で開いた「ふくしま食の安全・安心推進会議」で県が示した。
 食品衛生法の基準値(一般食品1キロ当たり100ベクレル、乳児用食品・牛乳50ベクレル)を超えたのは、山菜・キノコは1457点のうち80点(5・5%)、水産物は8519点のうち237点(2・8%)だった。ただ、栽培したキノコは全て基準値以下だった。
 加工食品は4481点のうち28点(0・6%)で基準値超だった。このうち、あんぽ柿などの試験的な加工品に限れば、242点のうち24点(9・9%)で超過した。
 学校給食は2480点を調べ、全て基準値以下だったが、6点で1キロ当たり最大1.28ベクレルのセシウムが検出された。県内7地域の一般家庭(398人)を対象にした1日分の食事は全て基準値以下だった。

2014/07/23 08:38 カテゴリー:主要

 

 

 

 



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