2014-05-14 20:54 | カテゴリ:未分類

  以下の記事によると、中国では土壌の重金属汚染が深刻である。これは日本の農学研究者には半ば公然の常識であったのだが、今回中国当局自身がその実態を正直に告白した。PM2.5などの大気汚染ばかりでなく、土壌の重金属汚染も、中国ではこれ以上のっぴきならない状況になっていることがうかがえる。中国ではまだまだ米食が主食であるので、このまま放置すると今後潜在的なカドミウム摂取由来のイタイイタイ病が全国で多発するだろう。

 

  1960-1970年代の日本の高度成長期に経験した「公害」が、中国では日本の10倍の人口であるがゆえに10倍の速度で進行していると考えたほうがよい。日本の10年が中国では一年で汚染が進行しているのだ。

 

  日本の公害問題の解決のための苦難の歴史の成果が、今中国では生かされるべきである。日本の公害防止のための、科学技術の成果である製品(ハード)や立法や行政のノウハウ(ソフト)を技術移転する格好の時期が来たといえる。すでに日中韓で連携プレーが始まっているようだ。

   
早くも小生がこのブログで何回も紹介してきた、近年日本の農水省が発明した、無カドミウム米コシヒカリ環1号」の出番だと思う。

 

 

中国の土壌汚染深刻、農地の19・4%で基準超

20140419 2030

 

 【上海=鈴木隆弘】中国で初めて全国的な土壌汚染調査が行われ、農地の19・4%で基準を超えるカドミウム、銅などの重金属や有機物が検出され、土壌汚染が深刻なことが明らかになった。

 

 17日に調査結果を公表した環境保護省と国土資源省は、農産物や人体に影響を与える恐れも指摘した。

 両省は2005~13年に中国の総面積の約3分の2に当たる約630万平方キロ・メートルで重金属や有機物の汚染状況を調べた。林地や草地、建設用地などを含めた土壌全体でも16・1%が汚染された状況にあり、両省は「状況は楽観できない」と危機感を表す。

 特に経済が発展した上海市を中心とする長江デルタ、広東省の珠江デルタのほか、東北の工業地帯で深刻だった。鉱工業生産で排出される汚水や排ガスが主な原因だが、農業でも化学肥料や農薬の過度な使用が汚染を引き起こしていた。

20140419 2030 Copyright © The Yomiuri Shimbun
 
 

 

中国、土壌汚染も 全国の土地16%で基準超え 初の全国調査

2014.4.18 01:00

 中国環境保護省と国土資源省は17日、全国の土壌汚染の状況をまとめた報告書を公表し、調査した約630万平方キロの土地のうち、16.1%で国が定めた基準を超える汚染が確認されたと明らかにした。

 土壌汚染の全国調査は初めて。報告書は汚染状況について「楽観できない」としている。

 調査は2005年4月~13年12月に実施。鉄鋼業や製紙業などの工業用地やその周辺では36.3%、工業用地の跡地では34.9%でそれぞれ基準を超えた汚染が確認された。

 また耕地では19.4%で基準を超えており、主な汚染物質はカドミウムやニッケルなどとなっている。(共同)
 
    

  

(森敏)
 

追記1:
こういうことを書くと、「外交音痴の大学人がまた無責任なことを書く」と直ちにマスコミや農水省から反撃されそうだ。日本人の現在の尖閣列島を巡る「嫌中国」の雰囲気では、とても
「日本が開発した貴重な農業技術を、中国に供与することなどもってのほかのことだ。中国人は感謝の念を示さないだろう。過去の日本の中国に対する無償のODA援助の場合と同じく、供与したいなら『もらってやる』という態度を示すのではないか」
という疑念がただちに持ち上がるかもしれない。
 
 しかし、せっかくの世界に向けて発信しうる日本のノーベル賞ものの品種が、農業の実際の被害現場で全然生かされないのは非常にもったいないことと思う。
   

 

      作物の土壌からのカドミウム汚染防止対策には、従来は 1.工場からの排出源処理と、2.汚染土壌の剥離と非汚染土壌の客土 しか有効な対策がなかった。前者は行政問題であり、中国のような共産党一党独裁政権下での工業と共産党員が癒着した構造を直ちに断ち切るのは絶望的に困難なことだろう。後者は曾ての日本のカドミウム除染の経験でも、膨大な予算と年月を要するだろう(例えば、近年の福島県における放射性セシウム汚染水田の「表土剥離」と「客土」にいかに膨大なお金がかかるかを考えてみてもわかるだろう)
   
      最終的に上記1。と2。の政策でこの中国でのカドミウム問題を解決するにしても、当面日本が開発した「カドミウムを吸収しない品種・環一号」で人体へのカドミウムの経口吸収汚染を避けることは非常に賢明な政策だと思うのだが。イタイイタイ病その他の将来の医療費もかからないことになるので中国国家経済にとってもいいことだらけだろう。と考えるのは、あまりにも単細胞すぎるだろうか。
 
追記2.この新品種については以下に詳しく紹介しております。
http://www.winep.jp/news/153.html

秘密

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