2008-07-17 05:02 | カテゴリ:未分類

中国の青島での藻の異常発生の意味

 

   

   以前にWINEPブログで書いた青島での藻の発生に関して、中国当局から「オリンピックに間に合うように藻は完全に除去した」と報じられている。結局軍隊1万人を用いた人海作戦しか除去の方法がなかったようである。

 

   この沿海域での藻の異常発生は、適当な条件が整えば短期間に海洋植物バイオマスを生産する事が出来ること、そしてその海域の最大とも云える生産能力(ポテンシャル)を示した、という意味から、バイオマス生産のプロセスを詳細に学問的に検討に値する事件であると思う。

 

   藻の種類(アオサと報道されているが正しいのか?)、青島海域各所の海流、水温とその変化、海水中の陽イオン(カチオン)と陰イオン(アニオン)の種類とその濃度、可溶性有機物含量、海水中の酸素分圧、当時の日照条件などが藻の生育に関係する主要な因子であっただろう。それらは中国の水産試験研究機関によって記録に取られているであろうか。知りたいところである。

 

   小生は以前に日本沿岸200カイリが国際的に取り決められた日本の固有の海域であるので、ここを使って、海洋植物バイオマスを生産してエタノールを生産したらどうかということを提唱したことがある。この提案は農水省関係者には一笑に付されたらしいが、その後、「WINEP最新情報」欄でも紹介したように、2008年3月12日には
第3回 海洋バイオマス・シンポジウム(主催:株式会社三菱総合研究所)などが開かれ、海洋バイオエタノール戦略が積極的に語られるようになってきた。

 

   海洋バイオエタノール開発を本気で行うためにも、海洋の植物バイオマスの生産能力を正しく評価してみることは必須であると思われる。そのためにも関係者は今のうちに青島の現地に飛んで現地調査と情報収集をする必要があるだろう。

 

(森敏)

追記:案の定、8月3日の朝日新聞報道の以下の記事では、この藻の正体は「アオノリ」だということである。アオサではなかったようである。是非日本の水産関係者に現地視察してきて真偽のほどを確認してきてもらいたいものである。

 【北京=阿久津篤史】北京五輪のセーリング会場となる中国山東省青島の沿岸に大量に漂着した藻について、青島市共産党委員会は2日、正体はアオノリだったとして、韓国に輸出することを明らかにした。市党委宣伝部の王海濤副部長は北京での記者会見で「大部分は 埋めて処理した。しかし、日本や韓国では食品として親しまれており、試験的に韓国に輸出する」と述べた。

 

秘密

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