2014-01-22 08:13 | カテゴリ:未分類

これまで福島の土壌に関しては東電福島原発由来のCs-137Cs-134に関しては土壌断面の縦方向の分布(soil profile)が、多数報告されている。しかし、Ag-110mの分布に関しては未報告であった。今回福島の土壌について論文発表された。Ag-110mは表層2センチ以内にとどまっている。

( Hugo Lepage et al. J. Environmental Radioactivity 130, 44-55 (2014) )

  これによると、銀はセシウムと同じ分布パターン示し、また煩雑になるのでここでは紹介しないが、粘土粒子への収着も顕著である。Ag-110mの土壌動態に関しては 今後も経年変化を調べる必要があるが、これは非常に素晴らしい研究であると思う。

  この成果から、これまでの小生らの測定でAg-110mが Cs-137Cs-134と同様に ジグモでの減衰が急速である理由が非常によく説明できる。
 ( 2013/08/26 : ジグモ体内の各種放射性核種の減少は意外に速い

  セシウムのように粘土の層状構造への固着という現象が銀にもあるのかどうかわからないが、銀も急速に粘土粒子への収着が進んで行くので、生物に取り込まれにくくなっているのがジグモでのAg-110mの減衰が顕著である理由の正解のようだ。

  ところで今回紹介した論文は日本人では筑波大学の恩田先生が著者の一人になっているが、フランスのグループが主導した研究になっている。日本の土壌学者はなにをしてきたんでしょうね? 非常に残念です。

 

小生がジョロウグモでAg-110mを発見したことから当然土壌にも福島第一原発から大量のAg-110mが降ったことが明らかであるけれども、その直後に発表された文科省の「Ag-110mの土壌分布」のデータがあまりにも濃度が低い値であったので、日本の土壌学者にはあまり興味をひかなかったのかもしれない。しかしこれは研究の先駆性や独創性に関するサイエンテイストとしてのセンスの問題でもあります。

( 2011/11/01 : 文科省が 放射性銀(Ag-110m) の汚染分布図を発表しました

2011/10/30 : 新発見:飯舘村のジョロウグモは放射性銀を1000倍に濃縮していた! )


  詳細は上記の論文をお読みください。





 


銀の縦方向分布--  

第一図。縦軸は土壌の深さ。横軸は土壌全体の各放射能核種に対する分布割合(%)
 




(森敏)
秘密

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