2014-01-18 08:15 | カテゴリ:未分類

以下に示す2つの図は、 1960年代にアメリカ南部の試験用原子炉から冷却水に漏れ出た放射性セシウムがたまった湖の表層水の濃度が、年次変動(セシウムサイクル)を示すことの発見の論文である(第一図).第2図はその理由について小生が文献からイラスト的に解説したものである。
 

  小さな農業用貯水池でもこういうセシウムサイクル現象が起こっているかもしれないので、表層水のサンプリングの時期が問題である。低質付近では一年中放射性セシウムは高い濃度になっている可能性が高い。少し専門的になりますが、ご参照ください。

 

Scienceの図--
 

1. セシウムサイクル。アメリカの原子炉排水湖の湖水のCs-137の年次変動。1本の棒グラフの3段のギザギザは左の1段目から2段目,3段目と値が高くなっているに連れて、湖面表層から5メートル、10メートル、15メートルの水深の位置の水をサンプリングして、放射能(Cs-137)を測定したものである。横軸はサンプリングの年度と月を示す(January, February....November, December)。縦軸は1リットル当たりの放射能の濃度(1pCi(:ピコキューリー)は37Bq(:ベクレル)に相当します)。 SCIENCE, 203,649-651(1979



 

湖沼のFe2+,Cs--------- 


図2.アメリカの原子炉廃液湖水の放射性セシウムサイクル変化の原因についての想像図(森敏 原図作成).
冬場には湖水の対流が停滞して湖水が層化する。そうすると、湖の低質に酸素が行かなくなるので、嫌気的条件が形成される。鉄還元菌などが働いて不溶体の水酸化第二鉄(Fe(OH)3)が還元されて2価鉄イオンとして溶け出てくる。それと同時に「不溶体鉄に吸着していた放射性セシウムイオン」も水の中に遊離してくる。
夏場になると湖水の温度が暖まり湖水の層化がほどけて上下の対流が始まるので、湖面表層部のセシウム濃度も冬場よりは高くなってくる(第一図のJ、A、S、Oの月)。




  
(森敏)

追記1:この関連の研究発表は昨年船堀で開催された、第2回環境放射能除染学会でダリン・スナイダー博士(米国 アイダホ国立研究所)によってもなされています。環境放射能除染学会のホームページを参照ください。 夏場には2価鉄イオンが急上昇してくることが示されていますが、その図をコピーできないので図2.では言葉で記しました。
 

追記2:これまでのセシウムサイクルに関する研究者たちは、セシウムサイクルが起こる詳細なメカニズムに関しては、不明としています。小生は「鉄屋」ですから、セシウムと鉄に関して独自の研究を行っております。そこで、ここでは「不溶体鉄に吸着していた放射性セシウムイオン」という概念を提唱したものです。 


秘密

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