2007-11-08 19:33 | カテゴリ:未分類

中国新指導部の最高幹部組織である9名の政治局常務委員について最終学歴を調べた。以下の通りである。


胡錦濤(64才)精華大学・水利工程学部卒。呉邦国(66才) 清華大学無線エレクトロニクス学科真空器件専攻卒。 温家宝(65才) 北京地質学院地質構造専攻大学院修士。 (67才) 河北工学院電力学科電機電器設計と製造専攻卒。李長春(63才) ハルピン工業大学電子機械工程系工業企業自動化専攻卒。習近平(54才) 清華大学化学工業系基本有機合成専攻卒・清華大学人文社会学院マルクス主義理論と思想政治教育専攻卒、在職修士、法学博士。李克強(52才) 北京大学経済学院経済学専攻卒、在職修士、経済学博士。 賀国強(64才) 北京化工学院無機化学工業系無機物工学専攻卒。 周永康(64才) 北京石油学院探査系地球物理探査専攻卒。


これを見てわかるように、9名の政治局常務委員の中で生え抜きの文科系の人物は李克強氏のみである。あとは全員理科系の出自である。この超理科系優位の構図は世界のどの国の閣僚構成でも類がないであろう。ところが前回までは、なんと全政治局常務委員が理系の出自であったのである。李克強氏は現役に在職中に(いつだったのかは不明であるが)北京大学で経済学博士の称号を得ている。


次に注目すべきは習近平氏である。彼は精華大学の理科系(有機合成)の学部卒業生であるが、そのあと精華大学人文社会学院に入学し、現役在職中(いつだったのか不明であるが)に法学博士の称号を取得している。彼はいわば文武両道の人物と言うことになろうか。日本で呼称している論文博士(通称‘ろんぱく’)の制度が中国の大学でどういう評価基準によって行われているのか筆者にはつまびらかでないのだが、一度彼らの博士論文を見てみたい気がする。文科系の博士論文ともなればいくら少なく見積もっても日本の場合はA4紙200ページぐらいは書かれているだろう。彼らの論文がマルクス・レーニン・スターリン・毛沢東・小平、江沢民、などの著作の引用や語録で埋まっていないことを祈るものである。


過去の総書記では毛沢東は文筆家であったが、小平、江沢民、胡錦濤などに関しては彼ら自身の著作がない(日本語に翻訳されていないだけかもしれないが。。)。知っているのはせいぜい彼らの掲げたスローガンのみである(たとえば小平の「白いネコでも黒いネコでもとにかくネズミを捕るネコはよいネコだ」。。。とか)。李克強、習近平の二人は案外文筆家なのかもしれない。筆者がこれまで交流してきた周りの人物からの勝手な想像であるが、もし李克強氏がマルクス経済学だけでなく、きちんと近代経済学とりわけ計量経済学を学んできたとすれば、彼は数理統計に強いはずであり、論理的に柔軟な気がする。一方習近平氏が有機合成反応を学び一度でも有機合成実験をしたことがあるならば、彼はきわめて論理的であるはずである。彼が法学の大系(公理系)を習得することはそれほど難しいことではなかったろうと思われる。


以上のように学歴を調べてみて、中国共産党が胡錦濤政権後の有用な人材として、政治家としてはまだ若い法学博士と経済学博士の肩書きを有した文科系の人材を政治局常務委員に選抜した卓抜な人選に感心した。これからは「いけいけ!どんどん!」でただひたすらに生産を増やせばいいのだという時代ではない、ソフトの面を重視しなければ内外ともに国が成り立たなくなってきていることの反映であろう。スターリン流に言えばこの国は上部構造(ソフト)が下部構造(ハード)を規定する段階に落ちいっているのだろう。李克強、習近平の二人は早くから目をつけられていて対外的にも博士(PhD)の肩書きを持って活躍するために、在職中に博士を取得することを党首脳部から薦められたのであろうと推察する。(森敏)

秘密

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