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2013-12-20 22:35 | カテゴリ:未分類

福島原発事故、早期機関車には賠償上乗せ 政府方針

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 政府は、東京電力福島第一原発事故からの復興を加速するための指針をまとめた。早期に帰還する住民には賠償を上乗せする一方、避難住民すべての帰還を前提としないことを示した。帰還後は個人の被曝(ひばく)線量を基に、事故による追加被曝は年1ミリシーベルト以下を目指す。除染中間貯蔵施設にも公費を投じ、東電への資金援助の上限を今の5兆円から9兆円に増やす。

 指針は、来春以降、避難指示解除が「順次本格化する」のを前に作られた。20日の政府の原子力災害対策本部で正式に決まり、閣議決定される。

 指針によると、避難指示解除直後の帰還は生活上の不便さが伴うとして、「早期帰還者賠償」を上乗せする。また、時期とは関係なく、帰還住民には住宅の建て替えなどへの賠償を追加。一方、精神的損害への賠償(慰謝料)は避難指示解除後1年で打ち切る。

 帰還する住民は一人ひとりの線量を把握し、行動に応じた被曝低減策がとれるようにする。避難指示解除地区ではインフラ復旧と一体的に除染する。除染の目安には、「個人線量を活用することを検討」するとした。空間線量からの推計よりも低い数値になると見込まれ、除染費用を圧縮できる可能性がある。


 


小生の経験では、積算線量を個人の測定の責任(義務?)にすることはほとんど不可能ではないかと思う。

 

線量計にどういうものを用いるのかわからないが、まず普段の行動範囲のどこの線量が高いのか住民にわからなければ、そこを回避することはできない。日々の生活で危険なところを避けよといっても無理だろう。たとえそこがわかっても、そんなことに神経質をすりへらすような生活は、誰もが指摘するように避難生活以上にストレスを増幅するのが落ちだ。

 

積算線量計にはいろいろのものがあって、特に携帯電話の電磁波に反応するものは全く不適である。我々は2―3万円と安いのでそれを利用している。最近でも4人で福島に調査に入ったときに、途中まではほぼ4人が同じ線量を示していたのだが、丸一日調査して調査の最終時にお互いに線量計の数値を照らし合わせた時に、小生ともう一人の線量計がとてつもない1200マイクロシーベルト以上の異常値を示していた。ほかの二人は18マイクロシーベルトであったのだが。「しまった!」と思ったが後の祭りであった。明らかに、異常値を示した二人は、携帯電話がかかってきて長電話をした時の携帯電話の電磁波を首にかけた積算線量計が拾ったためである。

 

実はこのようなことは今まで20回以上の現地調査を行っているが4回あった。今後避難地域に帰った人たちが普段の生活で携帯電話を使わないことはあり得ないので、電磁波に感じる線量計は厳重な注意が必要である。携帯電話やテレビやコンピューターや電子レンジや、日常生活では電磁波が室内中を飛び交っている。うっかり線量計を電子レンジのわきに放置していたなんてことは大いにありうることである。だいたい風呂に入るときに線量計はどこに置いておくのだろうか?

 

実は線量計によっては機械的刺激に弱いものもある。25万円もする小型のドイツ製の線量計が、雨の日に現地でポケットから道路に滑りおちて、機械的衝撃で狂って使い物にならなくなった。4か月前のことである。

 

空間線量で帰還基準を示すことが一番明快で、再度言いたいのだが、個人による「被ばく線量の自己管理」なんて、ほとんど不可能ではないだろうか?原子力規制委員会のメンバーが実際に年間20ミリロシーベルトの被曝地にまず1年間住んでみて、自己管理で年間1ミリシーベルトになるような標準的な生活モデルを提示すべきではないだろうか。住民にそんな無謀な人体実験をさせるようなことはやるべき行政ではない。
 

(森敏)


追記:

 「個人線量の把握」重視 復興指針、帰還促進効果は疑問

政府が来春以降の避難指示解除を見込み、20日に決めた東京電力福島第1原発事故の復興指針で、帰還住民の健康対策として、実際に一人一人の被ばく線量を把握し、測定値に応じて被ばく低減や健康管理を図る対策を重視する方向性を打ち出した。空間放射線量から一律に年間の積算被ばく線量を推計した従来の手法を転換する形だが、放射線への健康不安を抱えた住民の帰還促進につながるか、効果は見通せない。
 「個人の被ばく線量の把握はもちろん大切だが、実務面でしっかりと機能するのか、国の見通しの甘さを感じる」。避難区域のある市町村の職員は国の政策に疑問を抱く。さらに「個人の被ばく線量を国が管理しているから、積算被ばく線量が年間20ミリシーベルト以下になれば、すぐに帰還しても大丈夫と言われるのではないか」と疑念さえ浮かぶ。
(2013年12月24日 福島民友ニュース)

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