WINEPブログ

図1.仰臥病人用の吸い口

図2.文京区から無料供与された介護老人用の杖
私事で恐縮だが、過去3週間はほとんど寝たきりで過ごした。
というのも、夏ごろからベッドで寝ていると、明け方になって両足がけいれんする頻度が増してきたので、ものの本には柔軟体操とかいうのがいいということで、椅子に座って、前かがみになって両足のふくらはぎをもむことを繰り返していた、ら、突然、腰に激痛が走りそのまま床にへたり込んでしまった。いつもの椎間板ヘルニアの発症で、今回はかなりの激痛であったので、神経に傷がついたと自覚した。自然治癒するまでには1週間以上がかかると覚悟した。幸い倒れたのが床暖房の居間であったので、爾来3週間にわたって、そこに布団を引いて、寝たきり老人になってしまった。
当初は横臥することも苦痛なので、女房には、食事はスプーンで、水もスプーンであちこち胸元にこぼしながら流し込んでもらった。しかし、これでは大仕事なので、女房がどこかで図1のような病人が自分で操作できる「吸い口」を見つけて来てくれた。これは病室で見かけるガラス瓶の小鳥の吸い口ではない、非常にモダンなものである。この左の部分を中身を飲み干した通常のポリびんならどれにも投げ込んで上部をスクリュウ式にはめ込むサイズになっているので非常に便利だ(残念ながら小生が好きなボルビックの瓶にはサイズが合わなかった)。吸い口の頭のレバーになっている部分を指で引けばチューブの中が開いて、U型のチューブを留め具から開いて口にくわえて吸い込めば、ポリびんの中身の液体が口の中に入ってくる構造である。普段はレバーが働いているので、転がしても瓶から水はこぼれない。液体なら何でも横臥したまま病人自身がのめる理屈である。介護経験者なら誰でも知っている用具なのだろうが、小生にははじめてみるものであった。
いくらなんでもトイレはし尿瓶を使うのは難しかったので、本当に這う這うの体で匍匐(ほふく)前進して、トイレに向かい、あちこちに寄りかかって体を起こして、小便を行った。
この間、日本土壌肥料学会の関東支部会が東大農学部であり、口頭発表する必要があったのだが、背中にべたべたと鎮痛テープを張り付けて、筋束バンドで体を絞って、杖をついて本当にほうほうのていで会場に行った。1時間半座ってセシウム関係の講演を聞き、最後の演者として口頭発表を済ませて、すぐに自宅に帰ってバタンキューであった。
以上老人の冷や水の尾籠な糞尿譚です。
(森敏)
付記:この吸い口は現在ベッドの横に置いて、夜中に目が覚めた時に積極的に飲むことにしている。小生はどうも水の摂取量が足りないらしい。
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