2013-08-07 07:49 | カテゴリ:未分類

  水田の除染が各地で行われ、一部では試験栽培が始まっているようだ。いったい通常の状態で用水に流れこむ水はどれくらいの放射性セシウムを含んでいるのだろうか? 当然森林や土壌に降り注いだ放射能量や地形や雨量やなにやかやと複雑な要因が絡んでくるので、こればかりは現地で採取して実測してみないと、話にならない。そこで今回は、植物調査の片手間であるが、道路わきや畦道から手の届くところの水を、現地の流水状態のまま汲んで、測定してみた。特別に濾過していないので、コロイド状の物質が入ったりしているはずであるが、普通に用水管理すればそれが水田に流れ込むのだから、それが自然の状態だと思う。結果は表1のようになった。



表1.各地の水の放射能濃度
用水の水-- 

注:カッコ内は検出限界値です。
 

  測定は積算220000秒で行っている。今後もあちこち汲んで測定してみる予定である。だからこれはまだ一部のデータであるのだが、 飯樋地区や比曾地区など、放射線の空間線量が高いところは、他と比べて高いようだ。多くは、このままの濃度でイネを水耕栽培すれば玄米のセシウム基準値100ベクレルを優に超える濃度の玄米が生産されるはずである。(ここでは現行のセシウム吸収抑制のための技術に関する細かい議論は省きます)
 
  以前にこのブログでも紹介したが、産総研や森林総研が定点観測をやっているように、
 

再論:森林の渓流水中の放射性セシウム濃度について




年間を通じてどのような時に用水に濁流が来て、水田に流れ込むことになるのかなど、水利関係の研究者による定点での監視体制が必要になると思う。「そんなの、危険なのは大雨洪水の時だけだろう」などと頭で考えていると、現地では何が起こるかわからない。放射能汚染の問題は頭でっかちにならずに、研究者は現地での観測と実証に徹することが必要である。
 
(森敏)
付記1:上記の測定した地点の下流の水田では稲作を再開していない。

付記2:用水のコロイドに吸着した放射性セシウムがイネによく吸収されることは、東大農学生命科学研究科の根本教授によってすでに口頭発表されている。おそらく粘土や微細藻類に吸着したイオン交換体のセシウムと思われる。

付記3:Ge半導体による放射性セシウムの測定は東大農学生命科学研究科放射性同位元素施設の協力を得ています。

追記1:これを書いた直後にテレビをひねったら,昨日の「ゲリラ豪雨」の放送があった。福島県の本宮町など3カ所でもゲリラ豪雨があり、道路を濁流が流れていた。避難処プレハブ住宅が床下浸水して、空調機の室外機が浸水で作動しなくなっていた。 撮影はされていないが、付近の田んぼの用水のほうも当然濁流が流れ込んでかなりの放射能汚染が進行したはずである。農業用水路除染がむなしく思われる。
 
追記2:その後環境省から以下の発表があった。

飯舘、葛尾、川内の「沢水」7地点でセシウム

環境省は4日、東京電力福島第1原発事故で避難区域などに指定された周辺9市町村の155地点で、6~8月に実施した沢水の水質調査結果を発表した。飯舘、葛尾、川内の3村の計7地点で放射性セシウムを検出した。
 飯舘村は5地点で、セシウム134と同137の合計で最大1リットル当たり3.9ベクレルが検出された。葛尾村は1地点で同3.7ベクレル、川内村は1地点で同23.9ベクレルが検出。同省はセシウムが検出されたのは、いずれも濁り水で「飲用には適していない水だった」としている。水道水の放射性物質の基準値は1リットル当たり100ベクレル。調査は1日1回採水した15地点と、月1回採水した140地点が対象で、計約1800検体を分析した。
(2013年10月5日 福島民友ニュース)

秘密

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