2013-08-10 13:07 | カテゴリ:未分類

  飯舘村の長泥地区には現在バリケードがあって入れないが、比曾地区内を通ってそのバリケードに向かう道路沿いには左側に愛宕神社というのがある。入ってみるとここは毎時数マイクロシーベルトと空間線量が高かった。ここは現在寂れるにまかされている。この神社の道向かいには愛宕公園と書かれた花崗岩の札があったので、そちらのほうにも歩いて行った。現地で被曝を恐れて車ばかり乗っていては、重要な現象を見逃す。歩くと必ず新しい発見があるからである。

 

  愛宕公園とは今では名ばかりで、10mx20mぐらいの敷地に花崗岩のテーブルと花崗岩のイスが置かれているだけであった。。驚いたことにこのテーブルの周りが敷石も含めて徹底的に手荒く掘り繰り返されていた(図1)。人が掘った形跡ではない。よく見ると偶蹄類の足跡があり、どうやら犯人はイノシシらしい(図2)。土壌の乾き具合からして、1回こっきりで掘り返したのではなく、しょっちゅう来て掘りくり返している新旧の形跡がある。

 

  それにしてもイノシシがどうしてこんなに狼藉を繰り返しているのだろうか? 畑や田んぼでは土地の人によるとミミズなどを食べたり水浴するために掘り繰り返しているのだとか。しかしここでは、掘り返した跡をよく見ると砂地に岩や花崗岩を細かく粉砕した砕石が散らばっているだけである。これらはここを公園に整地した時の資材なのだと思う。とてもイノシシの餌になる昆虫や小動物が繁殖していたと思われる土壌ではない。

 

  そこでイノシシの身になってよくよく考えてみた。家に帰ってやっとハタと気が付いたことは、ここはイノシシの「砂の浴場」なのではないか、ということであった。彼らは体が剛毛でおおわれているが、ノミ・シラミ・ダニなどに年から年中さいなまれているはずである。夏場はこれらが食いついて体がかゆくてたまらないのではないだろうか。それらをこすりつぶすためにこの砂や花崗岩の小さな砕石は好都合なのではないだろうか。

 

  ここの放射線量は数マイクロシーベルトある。この線量を浴び続けると表皮はびらんして炎症を起こしてもおかしくない。そこから皮膚病などにつながる病原菌などが取りつきやすくなっているのかもしれない。ハンターや獣医関係者には、福島県の各所で捉えられているイノシシたちが何らかの皮膚病にかかっていないか、ぜひ調べてもらいたいと思う。

  

  ずっと以前にこのブログで雀の砂浴の動態観察について述べたことがある。熱い昼下がりに火照った体を夜中に砂場を掘り返して冷たい砂で冷やすのもイノシシにとっては大事な健康法なのかもしれない。

順番に砂風呂浴びる雀かな

  




nakanishikunnno--.jpg 

図1.愛宕公園の花崗岩のベンチの周りが掘りくりかえされていた
 

IMG_8898--.jpg 
図2.偶蹄類の足跡であることから、イノシシの狼藉と思われた。


IMG_8925--.jpg 
図3.耕作していないどこの水田でもイノシシが作土深く足を踏み込んで掘り繰り返した跡が数多くある

 

(森敏)

付記1:話が横にそれるが、水田ではイノシシが土を掘り繰り返せば返すほど、除染の為に放射能汚染表土を深くえぐり取らなければならなくなる。すでに現在では15センチの作土全部を剥ぎとっても、放射能の除染は十分ではないだろう(図3)。だからどんどん除染にお金がかかるようになっていく。

付記2:偶然だが、本日の朝日新聞連載記事「プロメテウスの罠」に、「イノシシは土に体をこすりつける「ぬたうち』の習慣がある」、とかかれていた。そのふるまいの理由が書かれていないが。
秘密

トラックバックURL
→http://moribin.blog114.fc2.com/tb.php/1726-e7ae2130