2017-04-08 21:36 | カテゴリ:未分類
浪江町で、木に絡まっているつる性の植物を採取した(図1、図3))。押し葉にするとつぼみの部分に放射能を感じたので、オートラジオグラフをとって見た(図2、図4))。皮肉なことに古代の人物の首飾りのような美しさを感じた。
放射能を測定すると、各部位間であまり差が見られず、つぼみ(花)の部分にも結構放射能が集積していた(表1)。


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 図1.スイカズラ

 
 
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図2. 図1のオートラジオグラフ

 
 
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 図3.図1の拡大図
 

 
 
 
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 図4.図3に対応する部位の図2の拡大図
 
 
 
    
 
  
   
   表1.図1のスイカズラの部位別放射能濃度
スライド1 
 
 
 
   
  
 
 (森敏)
   
付記1:牧野植物図鑑には、スイカズラ のことを、
冬を忍(しの)いで凋(しぼ)まず、ゆえに 「忍冬」の漢名あり、とある。
  
付記2:東大の皮膚科の教授であった、作家木下杢太郎は、太平洋戦争終戦直前の昭和20年7月ごろに、このスイカズラを写生しているが、この絵に関しては普段かならず付すコメントがない。
激しい東京空襲下でひたすら写生に気を紛らわしていたのではないかと想像する。
   
 
P1290823.jpg 
(『百花譜百選』 木下杢太郎画・前川誠郎編 岩波文庫より)




2017-04-01 16:28 | カテゴリ:未分類
以下は転載です。
   

被曝上限20 倍化。国会で「障防法」改正へ
2017年4月1日 福島再生支援東海ネットワーク 事務局
  

年20ミリシーベルト帰還方針は、明らかな犯罪行為である。
   


このことを、このクニの野党はまったく言わない、抵抗もしない。
   
一般人の放射線による被曝上限は、年1ミリシーベルトと法律で決められている。
年1ミリといえば、1時間当たりではほぼ0.1マイクロシーベルトである。これを政府は屋内・屋
外被曝と分け、屋内は低いからという理由で0.23マイクロシーベルトとするが、これには確た
る根拠はなく、実測しても屋内外が同じ、もしくは屋内の方が高い、という例はいくつもある。
だから、上限は0.1マイクロシーベルトとみなすべきである。
この法律を「放射線障害防止法(障防法)」と言い、年1ミリを守らずに一般人に危険を及ぼせ
ば、10年の懲役である。明快である。
  
ここは既に法治国家ではない。いまや名実ともに無法国家である。
   
法治国家であれば、政府と行政の責任者は直ちに逮捕され、起訴・裁判を経て、刑務所に収監
されなければならないからだ。
野党もすでに本来の野党や反対勢力では有り得ない。この無法を許すのなら、彼等もまた共犯
者にほかならない。

年1ミリシーベルトという被曝ですら、それは安全を保証する基準ではない。このことはそれを
決めたICRP(国際放射線防護委員会)自身が認めていることである。
法律を20倍も侵犯し、人間を含む全生命とその持続を否定するという支配意志。
初期の高濃度被曝に加えて年20ミリシーベルトの追加被曝に住民を強制的に追い込んでいくこ
のクニの政府。
彼等は累積被曝100ミリシーベルトまで安全、などと云うが、年20ミリシーベルトが5年たてば、
それを越えてしまう。

国法と現行政策の20倍もの乖離。

この絶対矛盾を、日本政府とICRP& IAEAは「放射線障害防止法」自体の改作で乗り切ろうとす
るであろう。

その動きはすでに「放射線審議会」の諮問機関から政策提言機関への権限強化、1ミリ→20ミリ
への規制基準の「緩和」として始まっている。
支配者の念頭に、「民のいのち」などはない。
民の強い意志表示で、これを止めなくてはならない。

2017-03-26 21:56 | カテゴリ:未分類
原発事故で住民が避難したあとの民家の庭には、観賞用の草花の種が毎年稔っては散り、稔っては散り、雑草も交えていろいろな草花が繁茂している。その内の一つにコスモスがある(図1)。

 

       コスモスを刈り取ってきて、放射能を測ってみると、意外に花の部分にも強い放射能が検出された。そこでオートラジオグラフをとってみたら、見事に全身の放射能が撮像された(図2,図3)。コスモスの葉の幅はわずか2-3ミリと細いのだが、くっきりと写しだされた。
 
スライド1 
図1.民家の庭のコスモス 黄色い紙の上はこぼれ落ちたコスモスの種をセロテープに貼り付けたもの

 

       スライド1 
 
 
   
 
図2.図1のオートラジオグラフ。
赤丸内部は、落ちこぼれた種子をかき集めてセロテープに貼り付けたもの。

  
    
  

  
スライド2 
 
図3.コスモスのオートラジオブラフ。図1のネガテイブ像
 

 
 

 
 
表1。コスモスの部位別放射能濃度 
コスモス放射能jpeg  

 
   
  少し細かく組織をわけて放射能を測定したら、細い葉が一番強く汚染しているのだが、種子も茎と同ていどに高濃度に汚染されていた。図2や図3で、どの株も花の部分が強く汚染しているように見えるのは、花器には種子がごっちょりとついて放射線(ベータ線)が重なって撮像されているからである。図2と図3の左下に赤丸で囲んでいるのは、一つ一つの種子である。これら一粒ずつがくっきりと感光していることがわかる。つまり、これまでもこのWINEPぶろぐでも幾度となく述べてきたように、セシウムは次世代に移行する。
 
       現在 住民が避難して居ないので、コスモスは原発事故以来毎年タネを付けてはそれを周辺土壌に落下させて、また翌年に発芽させてきたことになる。コスモスは栽培種であるので、根からの養分吸収力(吸肥力)がつよく、根が浅いので絶えず表層の放射能汚染土壌から放射性セシウムを容易に吸収してきたものと思われる。避難する前の住民がカリを含む肥料をこの庭土に撒いていたとしても、5年間もこの庭で草花が生々流転(吸収枯死分解)を繰り返せば、すでにカリの効果も少なくなって野生に近い土壌条件になってきているのだろう。
 
 子細に見ればコスモスはいろいろ形態的な変異を起こしているに違いないのだが、いかんせん普段の正常な姿が小生の頭にはないので、異常かどうかがわからないのが、我ながら情けない。

 
       
(森敏)

2017-03-01 12:54 | カテゴリ:未分類
晩秋になると木々や草花が枯れ始めて種子が熟し、はじけ飛ぶ(図1)。
  
 
いのこずちjpeg
図1.かなりタネが散り始めたイノコズチ
  
  昨秋福島県浪江町のそんな藪の中の樹木の枝に、道ばたに自動車を止めてハニートラップ 

 (2016/09/17 : ハニ―トラップ クリックしてください)
 
を仕掛けにはいり、作業を終えて藪の中から道ばたに止めている自動車に帰ってきた時には、化繊でできた真っ白な防護服の下半身にはいろいろな雑草の種子がびっしりとついてびっくりした(図2)。これらの種子は拡大してみると、2本の鈎型の部分を発達させていて、安物の化繊服の表面のけばけばのぶぶんに見事に鈎の部分で引っかかっているのです(図3)。ヌスビトハギ、イノコズチ、オナモミなどです。(図2 は防護服から手ではたいてかなりの種子をはぎ取った後ですが、まだくっついてとれていません)


スライド1  
図2.防護服からはたいてもとれないイノコズチの種子
 
      
  
 スライド3

図3.鋭い2つの鈎をもつイノコズチの成熟種子

  
  

そこでイノコズチを採取して、オートラジオグラフをとってみました(図4,図5)。実際に放射能濃度を測定するとどの部位も結構な放射能濃度であることがわかります。左の固まりはこぼれた種子を集めてセロテープに貼り付けたもののオートラジオグラフです。
   
   表1に見るように種子はまだ結構高い濃度の放射能を持っています(表1)。サル、イノシシ、ハクビシン、タヌキなど野獣が異常に増殖して頻繁に荒れ地に出入りしているので、このイノコズチをはじめとする付着性種子は彼らの体にくっついてあちこちにばらまかれています。すなわち放射能が生物にくっついて拡散汚染しているわけです。 
 

     

 スライド1
 
 図4.図1のオートラジオグラフ。左側はこぼれた種子を集めてセロテープにはり付けた画像。
 
スライド2 
 
 図5.図4のネガテイブ画像

  
  

 
表1.イノコズチの部位別放射能濃度
 イノコズチjpeg 

 
(森敏)
 
付記:70年前の太平洋戦争終戦に近いころには、兵庫県の深江に中島飛行機工場があったためか、阪神間は絨毯(じゅうたん)爆撃を受けて民家が焼失し、さんざんなめにあったということである。野坂昭如の「火垂るの墓」にそんな場面があったように思う。そのためか芦屋市でも、高級住宅地での広い庭の洋館が焼夷弾でねらい打ちされて、消失して、その後ずっと草が茫々であった。そんなところは、庭に防空壕があって、我々小学生のがきどもの格好の「かくれんぼ」遊びの場であった。遊び疲れて家に帰るころは、衣服にイノコズチやオナモミがびっしりとついて、それをぜんぶはたき落とさないと母が家の中に入れてくれなかった。というようなことを思い出した。


2017-02-05 05:41 | カテゴリ:未分類

昨年夏に福島県浪江町で車を転がしていると、道路脇に低木の新鮮な若木がはえていたので、何気なくサンプリングして、大学に持ち帰った。サーベイメーターで測ると、葉の部分が異常に高い放射能値(660 cpm) を示した。葉の部分がこんなに高い内部被曝の植物はこれまで検知したことがなかったので、これは外部被曝のせいかな?と思った (図1,図2.)。

  

そこで押し葉にしたら、葉は実にペラペラの半透明で薄い紙のようになった。だからオートラジオグラフを撮ると実に鮮明な像がとれた。(図3,図4)。枝分かれしたどの葉も葉脈が明快にわかり、葉脈間もほぼ均一に内部被曝していることがわかる。外部被曝は全くない。

     

  木本(もくほん)で地上部がこんなに放射能が高いのはこれまで経験がない。あまり気にしていなかったのだが、この植物が生えていた土壌が腐葉土で可溶性の放射性セシウムを大量に含んでいたのかもしれない。あるいは、この植物の根のカリウムイオン・トランスポーター(膜輸送体)がかなり特異的にセシウムイオンも吸収するトランスポーターなのかもしれない。セシウムイオンの濃度を調べる必要が出てきた。この植物は意外にセシウムを濃縮する植物なのかもしれない。

 

  この植物の名前が長い間わからなかったのだが専門家に同定してもらったところ「ミツバウツギ」ということである。
     
  表1でもわかるように、この植物の葉や茎はとてつもなく高い放射線量で被曝をしていることがわかる。繰り返すが、図3,図4でわかるようにこの植物は全く外部被曝に特徴的なホットパーテイクルが見られない、すなわち全部腐葉土から放射能を吸収したものである。

      

 

 

 





ミツバウツギ低木jpeg 
 図1.ミツバウツギ。光っているのはセロテープ。
 
       
 
 
スライド1 
 図2 ミツバウツギ 黄色のメモ用紙にガイガーカウンターでの測定値(cpm:1分間計数値)がかかれている。
 
     
    
 
スライド2 
図3.図2のオートラジオブラフ(ポジテイブ画像)放射能がどの葉にも均一に分布していることがわかる。全部内部被曝である。

 




 
スライド3 
図4。図3のネガテイブ画像 中心部の茎の分かれ目が強く感光しているのは、いつも説明していますが,ここは導管と師管が複雑に入り乱れている部分なので放射能の滞留量が多いからなのです。
  

  

       

表1 ミツバウツギの放射能 


ミツバウツギの放射能jpeg 
(森敏)
謝辞: ミツバウツギは若林芳樹(株アスコット)氏による同定です。ありがとうございました!

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