2013-06-08 11:24 | カテゴリ:未分類

先日、タワーホール船堀(東京都江戸川区船堀4丁目)で放射能除染のための国際シンポジウムが環境放射能除染学会主催、環境省共催で開かれた。
 

      そこで、日本原子力機構のグループを代表して油井三和福島環境安全センター長が「セシウムの環境中における動態および福島における除染作業後のその長期影響評価」というタイトルで発表していた。かれは、最後から3枚目のスライド(図1に無断転載させて頂きました)で非常に重要な知見を述べていた。
 

 

 DSC00081--.jpg
図1.福島の野ネズミの精子細胞の放射線によるDNA損傷
 
  

  福島県で野生のネズミ(Apodemus speciosus)を捕まえて睾丸を切片にして、放射線によってDNAの酸化が起こると発生する8-OHdGという化合物に対する抗体を使って、精子細胞を染色すると顕著な数の細胞がDNA染色される、という結果である。富山県で捕らえたネズミでは全く染色されないよう見える。
  
  つまり福島のネズミは放射能汚染した土に常時接触してミミズなどの食物からの放射能による内部被曝ばかりでなく、強烈な放射線を睾丸に外部からも浴び続けているので、そこで生産される精子のDNAが変異を受け続けており、次世代への影響が強く懸念されると言うことなのである。なぜなら生物学の常識では、
特に染色体DNAに発生した8-OHdGは複製時にG T変異(トランスバージョン)を惹起することから、 染色体における8-OHdGの増加は発がんリスクの上昇に関連すると考えられているからである


 

     
この演者は「でもこれはたいしたことじゃない」とわざわざコメントしていた。しかし、図に示すようにパワーポイントの英文は「DNA oxidation in sperm cells was remarkable in Fukushima」とわざわざ赤字で銘打っている。

 

こんなに顕著な結果が出ているのに「たいしたことじゃない」というのなら何故こんな研究をやるのだろう? 自分たちの研究結果に対して、放射能汚染現場に則した想像力を働かすべきではないだろうか。

 

この結果を見て小生はおもわず以下の想像を巡らせた。

 

1.これから近い将来子どもを産むつもりの男性は睾丸の精細胞のDNAが変異を起こす可能性が高くなるので放射能汚染地区に住むべきではない、ということ。

 

2.最近、東海村の原子力研究所J-PARKで放射能汚染事故があり、最大で1.7ミリシーベルト内部被曝(?)した研究者たちがいたが、その研究者たちには若い男性もいたのではないか? 彼らは外部被曝も含めれば相当の被曝をしたのでは無かろうか? 彼らの精子は大丈夫だろうか? これはこの演者の属する日本原子力機構そのものが起こした事故である。

 

3.このWINEPブログでは、先日からくりかえし飯舘村の牧場主である細川徳栄さんの「馬がどんどん死んでい、全部放射能のせいだ」という記事を掲載している(興味のあるかたは是非さかのぼって読んでください)。細川牧場では全部の馬が野外で放牧されている。雌馬の中に雄の種馬一匹を放って、種付けを行って仔馬を生産している。この種馬は現在でも空間線量を毎時3-5マイクロシーベルトを受け続けている。この馬が精子に異常を来しているために、生まれてくる仔馬が死産流産奇形なのではないだろうか?



   

国の税金を使っている研究者達は、自分たちが行っている放射能汚染に関する基礎実験の意味を、きちんと評価して、苦悩する放射能汚染地域の住民に研究結果を有効にリターンすべきではないだろうか。

 

(森敏)

秘密

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