WINEPブログ
「飯舘村のカエルの放射能汚染」
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2013-06-02 18:10 |
カテゴリ:未分類
前報の記事
に続いてこの記事を書いています。以下はその続報です。長いですが写真が大部分です。 形態観察をここまで進めれば、あとは遺伝子解析の専門家の出番です。
東京の異常タンポポを観察しているうちに、福島の「複数の花房に太い1本の茎をもつ奇形タンポポ」がどういう機序で出来上がっているのかがわかった。調べた範囲は、文京区の東京大学を中心に文京区、台東区、江東区、新宿区、千代田区などである。のべ40時間にわたって自転車で路地裏まで観察して回った。
タンポポは通常は1本の茎である(図1)。が、東京では時に1本の茎の途中から枝分かれして、2本の茎になっている異常タンポポも散見された(図2~図10)。その発生率は場所によって異なった。
調べた範囲では、上野の谷中の墓地でもっとも頻度が高く(発生率数%)この異常タンポポの群落が発見された。文京区内にでも、民家の空き地、舗装していない駐車場、崖、街道筋道路の植え込みなどに生えているタンポポに非常に低い確率であるが同様の異常タンポポが見られた。(発生率0.5%ぐらいか) (図14)
多くの児童公園や、東大小石川植物園などは調べた限りでは、生えているタンポポは多かったが異常タンポポは全く検出されなかった。
福島のタンポポの茎が太いゆえんは図16と図17の説明をここで繰り返すことになるが以下の通りである。
茎の細胞原基がそのまま分裂して茎になったものが1本の茎で、細胞原基が一回分割してできた2個の原基からそれぞれが分裂を開始して茎になったのが東京の異常な双頭の花房をもつタンポポであり、いわば双子である。これは図11,図12,図13に示すように、1本の茎の円周の約2倍の茎の円周を持っている。同様にして2回分割して茎になったものは4倍の円周を持った茎になっており4つの花房を着けている。3回分割したものは8倍の円周を持っており8つの花房を着けている、と言うことである。福島の奇形タンポポではこれらのすべてのパターンが観察される。
この現象を遺伝子レベルで考えると、おそらく分蘖(ぶんけつ)の数を制御している生長点細胞の遺伝子に放射線傷害による変異が入って、茎の数を1つに制御できなくなって、1,2,4,8,16。。。などという茎数の変異が起こり、これらの茎が互いに癒着合体して生長するのであたかも奇形のように見えるのであると考察できる。
小生らがここまで煮詰めたのでその方面の研究者による今後の遺伝子解析は容易だろうと思う。
図1.正常タンポポの一株の生育ステージ。1ダース以上の茎が立ち上がり花房をつける。つぼみができて、花房が開き、次に花弁がしぼんで枯れて落ちて、その下から綿毛が伸長して出てきて、全部の綿毛が球状に展開して、そこから一つずつ種子が綿毛とともに風に乗ってに載って飛んでいく。最後に針刺し様の禿坊主の頭頂部だけがのこる。
図2.茎の途中から枝分かれしている双頭のタンポポ。 一方は綿毛が飛んでしまっている。一方は(像がぼけているが)これから綿毛が展開するところ。
図3.茎の途中から枝分かれしている双頭のタンポポ。 2つの球状の綿毛から種子が風で飛散中。
図4.茎の途中から枝分かれしている双頭のタンポポ。ともに花房が萎れて、これから真白い綿毛が展開する直前。 互いの茎の長さが少し異なる。
図5. 茎の途中から枝分かれしている双頭のタンポポ。茎の長いほうはすでに綿毛が飛び散り、一方の短い枝分かれの花房は花弁が枯れ落ちてこれから綿毛が展開するところ。
図6.茎の頭頂付近で少しずれて枝分かれしている双頭のタンポポ。タンポポの綿毛が飛び散って2つの針刺し用の頭頂部禿山だけが残ったもの。
図7.茎の頭頂付近でから対等に枝分かれしている双頭のタンポポの花房。
図8. 右の茎は頭頂部で左右対称に分かれている双頭のタンポポ。
図9.双頭のタンポポ。(全部で7つ見つかったうちの3つ)
図10.双頭のタンポポの花房の基部(臀部)が完全密着している部分の拡大図
図11.茎の途中から枝分かれしている双頭のタンポポの、枝分かれ部分より下の茎の部分の拡大図。最初から二条の茎であることがわかる。
図12.茎の途中から枝分かれしている双頭のタンポポの茎の枝分かれ部分より下位の茎の部分を縦に切りを入れて開いたもの(左図)を、枝分かれしていない対照区(右図)と比較した。約2倍の横幅がある。つまり二個の茎が並列に密着して太い茎ができていることがわかる!
図13.茎の途中から枝分かれしている双頭のタンポポの茎の枝分かれ部分を開いて中を覗いたもの。中空であることがわかる。
図14.紅い丸は双頭のタンポポが見いだされた地点。 googleの文京区の地図に落とし込んだ。
図15.東京の様々なタイプの双頭のタンポポのパターン。左から順番に。一番右は花房が完全にくっついている。通常、茎は縦にくっきりと境界線が入っている。
図16. 福島の巨大奇形タンポポは複数のタンポポの茎が円筒状に合体したものである。
図17.福島の茎の太い奇形タンポポがなぜできるのかというと、茎の細胞原基が一つの場合(1x20)は一本の茎のまま伸長する、原基が1回分割して二つになった場合(1x21)は、東京のタンポポのように2本の茎がくっついて伸長し、原基が2回分割して四つになった場合(1x22)は福島の場合のように4本合体した太い茎になる。原基が3回分割して八つになった場合(1x23)は福島の場合のように八本が合体した親指が入るような太い茎になり八つの花房が付く。 ただし分割した細胞がその後同じ時期にシンクロナイズして分裂していくとは限らないので、花房の数が、必ずしも1、2,4,8と鮮明に数えられない場合がある。しかし花房の数と、合体した茎の数は等しく基本は二の倍数だと思われる。
(森敏)
追記:朝日新聞に下記の巨大イチゴの写真が載っていた。よくみるとこの巨大イチゴの茎が太いことがわかる。いくつかのイチゴの茎が合体したものであることがわかる。こういう現象を「帯化(fasciation)」と育種家は呼ぶらしい。
福島の奇形タンポポとそっくりである。多分宇宙からの放射線か何らかの刺激で突然変異化したものと考えらえる。このイチゴのランナーを増やせば巨大イチゴの育成選抜ができるかもしれない。(2014年1月22日)
タンポポの多様な奇形花房発見!! :植物に対する放射線の影響(II)
に続いてこの記事を書いています。以下はその続報です。長いですが写真が大部分です。 形態観察をここまで進めれば、あとは遺伝子解析の専門家の出番です。
東京の異常タンポポを観察しているうちに、福島の「複数の花房に太い1本の茎をもつ奇形タンポポ」がどういう機序で出来上がっているのかがわかった。調べた範囲は、文京区の東京大学を中心に文京区、台東区、江東区、新宿区、千代田区などである。のべ40時間にわたって自転車で路地裏まで観察して回った。
タンポポは通常は1本の茎である(図1)。が、東京では時に1本の茎の途中から枝分かれして、2本の茎になっている異常タンポポも散見された(図2~図10)。その発生率は場所によって異なった。
調べた範囲では、上野の谷中の墓地でもっとも頻度が高く(発生率数%)この異常タンポポの群落が発見された。文京区内にでも、民家の空き地、舗装していない駐車場、崖、街道筋道路の植え込みなどに生えているタンポポに非常に低い確率であるが同様の異常タンポポが見られた。(発生率0.5%ぐらいか) (図14)
多くの児童公園や、東大小石川植物園などは調べた限りでは、生えているタンポポは多かったが異常タンポポは全く検出されなかった。
福島のタンポポの茎が太いゆえんは図16と図17の説明をここで繰り返すことになるが以下の通りである。
茎の細胞原基がそのまま分裂して茎になったものが1本の茎で、細胞原基が一回分割してできた2個の原基からそれぞれが分裂を開始して茎になったのが東京の異常な双頭の花房をもつタンポポであり、いわば双子である。これは図11,図12,図13に示すように、1本の茎の円周の約2倍の茎の円周を持っている。同様にして2回分割して茎になったものは4倍の円周を持った茎になっており4つの花房を着けている。3回分割したものは8倍の円周を持っており8つの花房を着けている、と言うことである。福島の奇形タンポポではこれらのすべてのパターンが観察される。
この現象を遺伝子レベルで考えると、おそらく分蘖(ぶんけつ)の数を制御している生長点細胞の遺伝子に放射線傷害による変異が入って、茎の数を1つに制御できなくなって、1,2,4,8,16。。。などという茎数の変異が起こり、これらの茎が互いに癒着合体して生長するのであたかも奇形のように見えるのであると考察できる。
小生らがここまで煮詰めたのでその方面の研究者による今後の遺伝子解析は容易だろうと思う。
図1.正常タンポポの一株の生育ステージ。1ダース以上の茎が立ち上がり花房をつける。つぼみができて、花房が開き、次に花弁がしぼんで枯れて落ちて、その下から綿毛が伸長して出てきて、全部の綿毛が球状に展開して、そこから一つずつ種子が綿毛とともに風に乗ってに載って飛んでいく。最後に針刺し様の禿坊主の頭頂部だけがのこる。
図2.茎の途中から枝分かれしている双頭のタンポポ。 一方は綿毛が飛んでしまっている。一方は(像がぼけているが)これから綿毛が展開するところ。
図3.茎の途中から枝分かれしている双頭のタンポポ。 2つの球状の綿毛から種子が風で飛散中。
図4.茎の途中から枝分かれしている双頭のタンポポ。ともに花房が萎れて、これから真白い綿毛が展開する直前。 互いの茎の長さが少し異なる。
図5. 茎の途中から枝分かれしている双頭のタンポポ。茎の長いほうはすでに綿毛が飛び散り、一方の短い枝分かれの花房は花弁が枯れ落ちてこれから綿毛が展開するところ。
図6.茎の頭頂付近で少しずれて枝分かれしている双頭のタンポポ。タンポポの綿毛が飛び散って2つの針刺し用の頭頂部禿山だけが残ったもの。
図7.茎の頭頂付近でから対等に枝分かれしている双頭のタンポポの花房。
図8. 右の茎は頭頂部で左右対称に分かれている双頭のタンポポ。
図9.双頭のタンポポ。(全部で7つ見つかったうちの3つ)
図10.双頭のタンポポの花房の基部(臀部)が完全密着している部分の拡大図
図11.茎の途中から枝分かれしている双頭のタンポポの、枝分かれ部分より下の茎の部分の拡大図。最初から二条の茎であることがわかる。
図12.茎の途中から枝分かれしている双頭のタンポポの茎の枝分かれ部分より下位の茎の部分を縦に切りを入れて開いたもの(左図)を、枝分かれしていない対照区(右図)と比較した。約2倍の横幅がある。つまり二個の茎が並列に密着して太い茎ができていることがわかる!
図13.茎の途中から枝分かれしている双頭のタンポポの茎の枝分かれ部分を開いて中を覗いたもの。中空であることがわかる。
図14.紅い丸は双頭のタンポポが見いだされた地点。 googleの文京区の地図に落とし込んだ。
図15.東京の様々なタイプの双頭のタンポポのパターン。左から順番に。一番右は花房が完全にくっついている。通常、茎は縦にくっきりと境界線が入っている。
図16. 福島の巨大奇形タンポポは複数のタンポポの茎が円筒状に合体したものである。
図17.福島の茎の太い奇形タンポポがなぜできるのかというと、茎の細胞原基が一つの場合(1x20)は一本の茎のまま伸長する、原基が1回分割して二つになった場合(1x21)は、東京のタンポポのように2本の茎がくっついて伸長し、原基が2回分割して四つになった場合(1x22)は福島の場合のように4本合体した太い茎になる。原基が3回分割して八つになった場合(1x23)は福島の場合のように八本が合体した親指が入るような太い茎になり八つの花房が付く。 ただし分割した細胞がその後同じ時期にシンクロナイズして分裂していくとは限らないので、花房の数が、必ずしも1、2,4,8と鮮明に数えられない場合がある。しかし花房の数と、合体した茎の数は等しく基本は二の倍数だと思われる。
(森敏)
追記:朝日新聞に下記の巨大イチゴの写真が載っていた。よくみるとこの巨大イチゴの茎が太いことがわかる。いくつかのイチゴの茎が合体したものであることがわかる。こういう現象を「帯化(fasciation)」と育種家は呼ぶらしい。
福島の奇形タンポポとそっくりである。多分宇宙からの放射線か何らかの刺激で突然変異化したものと考えらえる。このイチゴのランナーを増やせば巨大イチゴの育成選抜ができるかもしれない。(2014年1月22日)
T.M
飯館村の事が気になって、色々調べていくうちに、本ブログにたどり着きました。読み込んでいく内に、先生が、ここまで調べられているのかと感銘を受けました。私は、会社員ですが、放射線の生物に与える影響を研究したく、某大学院に入ろうかと考えているところです。素人ですみませんが、まずは、放射線の影響と断定するには、形状もそうですが、発生比率/被曝量の統計的な因果関係から(一般的ですみません)と思いますが、やはり最後はDNA損傷でしょうか。
タンホポがよく報告されていますが、自己修復能力は?などなど、やはり自分で調べて行かないとと思っています。すみませんが、先生の調査結果を拝借するかもしれません。色々とご示唆・ご指導頂ければ幸いです。
タンホポがよく報告されていますが、自己修復能力は?などなど、やはり自分で調べて行かないとと思っています。すみませんが、先生の調査結果を拝借するかもしれません。色々とご示唆・ご指導頂ければ幸いです。
2013-07-12 22:27 URL [ 編集 ]
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