2013-04-19 21:11 | カテゴリ:未分類

  福島県農業総合センターの「畜産研究所飼料環境科」が県内3か所の土壌で試験地をもうけて、機械耕作法による牧草の放射能低減試験を行っている。その結果をホームページで公開している。http://www4.pref.fukushima.jp/nougyou-centre/kenkyuseika/h24_radiologic/121029_siryou.pdf

この試験結果に対して、以下にコメントしたい。
 

「 

実験設計

1.        プラウ耕+ロータリー耕

2.        ロータリー耕

3.        無処理(耕うんしない)

 

  実験結果

(1) 無処理区の土壌0-5cmの放射性セシウム(以下Cs)濃度が高く、放射性Csは表層に分布していました。

(2) 耕うんにより放射性Cs濃度の高い表層土壌が地中に埋め込まれるため、表層の濃度は低下しました。低減効果は 無処理<ロータリー耕<プラウ耕の順でした。

(3) 牧草の放射性Cs濃度は、耕うんにより低下しました。低減効果は無処理<ロータリー耕≦プラウ耕の順でした。 収穫・調製時の土壌の付着を考えると、プラウ耕が推奨されます。

(4)土壌から牧草への移行は土質により異なりました。

(5)更新後の外的要因にも注意が必要であり、継続したモニタリングが必要と考えられます。

(6)更新時には十分な深耕と施肥が必要です。

(7)土壌表層の濃度が高いにも関わらず牧草への移行が低い場合があり、それらのデータも含め要因解析を進める予定です。

 」

とある。

この結果の考察では、土壌のカリ(K)含量と牧草の放射性セシウム濃度の関係について言及されていない。そこで、掲載されているデータを基に下図を作成してみた。
 

 
ぼくそう4完成品(未投稿)ver1

図1.土壌のカリウムと牧草の放射性セシウム(Bq/kg)の関係。

 

一見して明らかなことは、耕うん法によらず、上図で横軸の土壌のカリウム (K2Oとして)濃度が10 mg/100g土壌 以下になると急激に縦軸の牧草の放射性セシウム含量が増えているということである。

 

耕うん法の違いによる効果を強調したいのだろうが、このデータは土壌や機械耕作法によらず、土壌のカリウム(K2O換算で)含量を20 mg/100g土壌 以上にすることが、もっとも牧草の放射能低減に寄与する効果的な技術であることを示すものである。 この研究所では1昨年の試験でカリウム施用の効果について言及しているのだが、プロットがたった4点だったのでデータの再現性に自信がなかったのかもしれない。今年の方が結果が明快に出ているのに、なぜか今年のデータに関しては一切考察していない(業績発表会場では言及したのかもしれないが)

  結論として、どんな耕うん法を取るにせよ、牧草の種子を播種する前に土壌の表層15センチぐらいの深さまでに、均一に K2Oとして20mg/100g土壌 以上の濃度になるようにカリウム肥料でまぶしておくのが一番飼料として安全な牧草生産の基本対策である。

 

(森敏)

秘密

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