2013-04-11 13:59 | カテゴリ:未分類

以下の文書が小生のところにも回ってきました。
ご参考までに。


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内閣総理大臣

安倍晋三様

TPP参加交渉からの即時脱退を求める要望書

全国大学教員有志

 

 自民党は昨年12月の総選挙で①聖域なき関税撤廃を前提としない、のほか、②自動車等の数値目標は受け入れない、③国民皆保険制度を守る、④食の安全安心の基準を守る、⑤国の主権を損なうISD条項は合意しない、⑥政府調達・金融サービス等は我が国の特性をふまえる、が確保されない限りTPP交渉に参加しないと公約しました。にもかかわらず、安倍首相は222日の日米首脳会談で農産物重要品目保護に何らの担保も得られていないのに①が確認されたと強弁し、さらに②~⑥は「公約ではない」、「参加の判断基準ではなく参加後の実現目標だ」というレトリックを用いて、315日に交渉参加を正式に表明しました。このような公約改ざんがわずか3ヶ月で行なわれるのでは、議会制民主主義は成り立ちません。

 また参加表明にあたって「国民に丁寧に情報提供していくことを約束する」「新たなルールづくりをリードしていくことができる」旨強調していますが、いずれも非現実的です。まずTPP交渉が完全に秘密裏に行なわれ、国民が情報アクセスできないことが交渉国間で確立されたルールとなっています。また昨年カナダとメキシコが参加承諾を受けるにあたって()すでに既存交渉国で合意された事項は内容すら見ることなしに丸呑みする、()参加後も交渉事項の追加や削除の権限はない、という念書にサインさせられたことが明らかになっており、(ウ)参加後に既存交渉国が合意する内容についても拒否権がないとの指摘すらあることからして、今から日本が参加しても極度に差別的な取り扱いを受けて対等な「ルールづくり」などに加われない、逆にできあがったルールの丸呑みになる公算が大です。

 政府はわが国がTPPに参加した場合の日本経済全体の効果はGDPべ-スでは0.66%(3.2兆円)の増加になるとの「試算」を示しました。しかし農林水産業に及ぼす影響額(▲3.0兆円)は、今でも異常に低い日本の食料自給率をさらに押し下げ、農林水産業者の営業と生活はもちろん、関連する地域経済に壊滅的な打撃を与えることを意味します。

 さらにTPPへの参加は、「試算」で全く考慮されていない非関税分野においても重大な脅威をはらんでいます。既存交渉参加国間では既に、食品の原産地表示への自己証明制度の導入、貿易手続の規制緩和、各国法令・国内規制を策定する過程へ外国企業の利害関係者を参加させる内国民待遇の採用、各国の著作権や医薬品・医療技術までを含む特許権のアメリカ水準への強化、そうした協定ルールに抵触したとして外国企業が投資受入国政府を当該国の司法制度を超越していわば治外法権的に訴える権利を付与する投資家対国家紛争解決(ISD 条項の導入などが協議されています。これらの事項は、いずれもわが国の経済自主権、国民の健康等を侵害する恐れをはらむものです。これでは「平成の不平等条約」といっても過言ではありません。こうした事態が見込まれるTPP交渉にわが国が参加するのは、国民不在の「国益」=「日米同盟の絆」の証しにはなっても、守られるべき国民益を毀損することは間違いありません。

 以上から、私たちは安倍首相と日本政府に対し、TPP交渉への参加表明を撤回し、事前交渉をすみやかに中止することを要請します。そして、私たちは今後、国民各層、各団体と連帯して、日本政府にTPP交渉から脱退するよう求める運動を続ける意思を共有していることをお伝えします。

 

以上

 呼びかけ人(五十音順)2013326日現在

磯田 宏(九州大学准教授/農業政策論・アメリカ農業論)   
伊藤 誠(東京大学名誉教授/理論経済学)

大西 広(慶応義塾大学教授/理論経済学)          
岡田知弘(京都大学教授/地域経済学)

金子 勝(慶応義塾大学教授/財政学・地方財政論)      
志水紀代子(追手門学院大学名誉教授
/(哲学)

鈴木宣弘(東京大学教授/農学国際)               
醍醐 聰(東京大学名誉教授/財務会計論)      

萩原伸次郎(横浜国立大学教授/アメリカ経済論)             
日野秀逸(東北大学名誉教授/福祉経済論・医療政策論)

渡辺 治(一橋大学名誉教授/政治学・憲法学)    



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(森敏)
  
追記1: 私見では日本の経済学者は世の中の後追い解釈ばかりしてきた。今回の場合は自らがかかわっている経済学という研究分野の根幹が問われていると思う。こういう日本経済の危急存亡の時のために研究を続けているのではないのか? こんな時に持論の経済学を総力で体系的に展開してTPPに対して賛成にせよ反対にせよ立場を旗幟鮮明にしない経済学者は今後とも信用できない。
 
追記2: この記事に対してはなぜか圧倒的に米国からのアクセスが多い。
TPPに関して米国で日本の動向をサーチしている研究機関があるのだろう。
  

追記3: 以下の記事のように、農業の「聖域」化は不可能に近い。

 

TPP日米合意:農業、多難な「聖域」化

毎日新聞 20130413日 0025分(最終更新 0413日 0043分)

 環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉で、政府はコメや乳製品など重要農産品を関税撤廃の例外の「聖域」としたい意向だ。ただ、12日に合意した日本の交渉参加に向けた日米の事前協議では、農産品の関税について具体的な言及は無く、「聖域」確保の成否は今後のTPP交渉に委ねられる。農林水産省は「粘り腰で交渉する」(幹部)と話すが、周回遅れで参加する日本が農業保護に執着し過ぎれば、年内妥結を目指す他の参加国からの批判は必至で、厳しい交渉を迫られそうだ。【中井正裕】

 「今から本番の交渉が始まる。強い交渉力で(重要品目の関税維持に)全力を尽くしたい」。日米事前協議の合意が発表された12日夕、林芳正農相は同省内で記者団に聖域確保への決意を改めて表明した。

 政府はTPP交渉で、コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、サトウキビなどの甘味資源作物の「重要5品目」の関税維持を主張する方針。日米合意は日本に対して「一定の農産品に貿易上のセンシティビティー(敏感な問題)がある」と確認したが、関税撤廃の例外を認めるかどうかの具体的な言及は無いままだ。

 一方、米国の「センシティビティー」である工業製品の焦点の自動車関税では、日本が当面の税率維持と長期かつ段階的な引き下げによる撤廃を容認。対照的な取り扱いとなった。

 米国などが参加し2010年に始まったTPP交渉。“決められない政治”が続いた日本は交渉参加の大幅な出遅れもたたり、「聖域確保に向けた交渉のハードルが一段と高まった」(政府筋)のが実情で、日本の要求がどこまで受け入れられるかは分からない。

 政府が3月に発表した影響試算によると、日本がTPPに参加し、関税を全廃した場合、安価な輸入品の流入で国内の農林水産物の生産額は3兆円減少する。主要な農林水産物の国内総生産額(約7兆円)の4割強にも相当する規模で、農業団体は「重要品目の関税維持は死活問題」と訴えている。

 農水省は今後、TPP交渉と並行し、国内農業の強化策の本格的な検討に着手するが、「交渉中に個別品目の対策を打ち出せば、日本がその分野で譲歩すると受け取られかねない」(政府筋)ため、対応は難しい。

日本が高関税率を設定している主な農産品

コンニャク芋 1706%

コ   メ   778%

落 花 生   737%

小   豆   403%

バ タ ー   360%

砂   糖   328%

 

秘密

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