2013-04-03 11:05 | カテゴリ:未分類

この本日のWINEPブログは、先日の記事「馬がどんどん死んでいく。全部放射能のせいだ!」 (細川徳栄さん)の続きです。 
  
 かえる--

 図1.カエルのオートラジオグラフ。ひじとひざの関節に放射能が集積している。 
( http://moribin.blog114.fc2.com/page-2.html )
 

   

仮説1 
      

先日、飯舘村の牧場経営者の細川徳栄さんにあったときに、「馬に対して放射線の影響は、黄疸と足の膝に来る」と細川さんが云われたことについては、ハタと気が付くことがあった。それは、以前のこのwinepブログで、カエルのオートラジオグラフの写真を開示したのだが ( http://moribin.blog114.fc2.com/page-2.html )
その時、両手両足の膝の部位が強く放射能集積していたことを、直ちに思い出したからである。再録するとたとえば上の図1の1枚のオートラジオグラフである。このカエルの図からのアナロジーで馬の関節への放射能の濃縮分布が想定できる。


   給餌活動のために跳躍を必須とするカエルにとってと同様に、馬も活発に使うひじやひざの関節に、牧草などからの内部被爆で放射性セシウム(Cs-134 + Cc-137)がカリウムやナトリウムの代わりに生体濃縮されて、そこの部位の細胞が常時集中的に放射線を受けて細胞の壊死を引き起こして、そこの筋肉や骨の細胞がやられて膝の伸縮が自在にできなくなっていくのではないだろうか? 
  
  四つ足動物の場合、特に馬の場合、ひざの関節がやられると、立つことが難しくなり(起立不能)、餌を食べたり、立ったまま寝たりすることができなくなり、水やエサが取れなくなり絶食状態になりで直ちに体の諸器官が衰弱して行きそれで徐々に弱って餓死に至るのではないか? 避難区域での牛、豚、イノシシなども単なる餓死ではなく、餓死に至る過程が関節がやられて群れについていけなくなって餓死した、ということが実情かもしれない。避難区域で大量に斃死した大動物を石灰をかけて埋葬した獣医師さんたちにも、これらの大動物の直接の死因を餓死以外に追求した形跡がない。
 
 
仮説2.
ふくしまさいせい--  

 図2.イノシシの放射性セシウム濃度 ( http://www.fukushima-saisei.jp/report201301.html#20130130 )

    

最近の「ふくしま再生の会」のデータ(図2) では、七頭の野生イノシシを解剖した結果、筋肉>腎臓>心臓>の順に放射性セシウム量が高いことが証明されている(図2)。これらの生体の細胞密度が非常に高い組織に放射性セシウムが集積しているように見える。    
  

だから、馬の直接の死亡原因はこれまでのところ、牧場主の細川徳栄さんには餓死以外は不明のようだが、最近になっての馬の死因は、人間で云われているように、心筋梗塞や心臓麻痺もあるのではないだろうか。心筋に放射性セシウムが集積して、細胞壊死を起こし、心筋梗塞などで死に至った馬もあるのではないだろうか。雪の降る冬季以外は放牧馬は飼料や飼葉(かいば)のほかに強度にセシウム汚染した牧草をも食べてきているので、心筋への内部被爆が非常に高い可能性があるからである。もちろん東電原発の爆発後半月ぐらいはI-131による甲状腺内部被爆が圧倒的に高かったはずなので、底流には免疫力低下が馬の健康状態の悪化としてあるはずである。 
    
  実は、人間の放射線障害の死因では心臓病死が臓器のセシウム含量との相関が高いとバンダジエスキー氏によって,強調されている(文献1)。 

  
黄疸について
  

 また、馬の目に観察される黄疸現象は、成分はビリルビンという赤血球の構成分であるヘモグロビンのヘムの分解産物である。つまり何らかの理由で血中ヘムの体内代謝に異常が起こっていると思われる。これに関しては馬ではまだデータが探せていないが、さきほどの最近のふくしま再生の会のデータ(表1) ではイノシシの場合には内臓では、内部被曝で <腎臓> や <心臓> がもっとも放射性セシウム量が高いことが証明されている。また同じくバンダジェフスキー氏によるネズミ(ラッテ)を用いた放射性セシウム経口投与実験でも 腎臓> 心筋> 骨格筋 の順に放射性セシウムが集積している(文献1.14ページ図⑥参照)。このことからも、馬の場合も放射線によって腎臓の排泄機能低下による黄疸の可能性が示唆される。  
  
白内障について 
 
  また、放射線による外部被曝で白内障が誘発されることはチェリノブイリ原発廃炉作業員のデータで人間の場合では明解に証明されている。野外の高濃度放射線下で馬が角膜をやられ始めていることは、必然だと思う。

      
  放射線に馬を高濃度被曝させられ、その後も放射線被ばく条件で自分自身が被曝しながら放牧馬を飼育している、ということは、過去に
だれもやったことがない壮大な実験である。そういう日々の観察をしているからこそ、細川さんは <馬の放射線被害症状は最初に膝に来る> という貴重な最初の知見を得たのだと思う。 (誤解をしてもらいたくないのだが、小生はその危険な行為を決して推奨しているわけではない)
   

(森敏)
 

付記1:この記事は細川徳栄さんに対する詳細なインタビューの時間がなかったので、少ない馬の症状に関する知見の上で書いているものであることをお断りしておきます。
 

 文献1:放射性セシウムが人体に与える医学的生物学的影響 チェリノブイリ原発事故被曝の病理データ ユーリ・I・バンダジェフスキー (合同出版)
 

付記2:WINEPブログには細川さんの健康を心配している人が何人かコメントをよせている。
 
追記1.東洋経済on line
http://toyokeizai.net/articles/-/13516
で東大の弥生講堂で開かれた市民講座で、低放射能汚染地域で捕獲されたニホンザルの顕著な白血球減少が紹介されたことが報告されている。小生はうっかりしていてこの講演会を見逃した。

 

 



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