2013-02-06 07:07 | カテゴリ:未分類

これは2011年11月に訪れた飯舘村のモミジである。紅葉はすごく美しかったが、枝を一本手折って研究室に持ち帰ってからオートラジオグラフをとると、やはり非常な放射能汚染であった。当時はセシウム(Cs)-137しか測れなかたのだが、枝の部分(約7万ベクレル/kg)の方が葉の部分(約5万9千ベクレル/kg)よりも強い濃度の汚染を示した。
 
  それは、2011年3月の東電福島第一原発の暴発で飛来した放射性降下物に直接外部被曝した、当時は葉をつけていなかったモミジの枝が放射能を付着したままであり、葉の部分はそのあとから生長して展開してきたものなので、葉の放射能は完全に内部被曝であることがこの像からわかるのである。
 
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図1. 飯舘村の秋2011年11月
 

スライド2-- 
図2. 上記もみじの枝と葉を押し葉にした。(光っているのはセロテープ)

 
スライド3-- 
 
図3 上記の押し葉のオートラジオグラフ。セシウム-137を測定した。濃い黒い斑点は2011年3月に飛来した放射能の直接の外部被曝である。

 

この葉の内部被曝像が示す意味は外部被曝した幹や枝から吸収された放射能が、体内に取り込まれて新しく出てきた葉に転流したモノである。それでもまだ葉は茎の8割の放射能濃度を示している。これらの葉は1年ごとにどんどん落葉して徐々にもみじの木から放射能を脱離して、モミジの樹の総汚染含量を減少させていくことになるだろう。 
 

しかし、落葉した葉は微生物によって分解されて腐葉土となり、今度はその腐葉土から徐々に溶けた放射能が一部は土壌に固着していくが、一部はモミジの木の根から吸収されることになり、再び、もみじの木の体内に吸収されて転流していくことになる。すなわち放射能は循環を繰り返すことになる。毎年落ち葉を住民が系外に掃き出さない限り、この放射能の林内循環は続くことになる。

  
  この地域は住民は避難させられて無人なので当然しばらくは上記の林内循環が続くことになる。
  

  これまで小生は同じことを何度も何度も繰り返して述べておりますから読者はうんざりでしょうが、自然界の現象はなかなか一例だけではひとびとは納得しないので、蛇足の説明を繰り返しております。今後もまた他の樹木で同様の現象をご紹介致します。

 

  同じようなオートラジオグラフの像は過去の以下のWINEPブログにも掲載しています。ご参照ください。
 

http://moribin.blog114.fc2.com/blog-entry-1563.html

http://moribin.blog114.fc2.com/blog-entry-1564.html
  
    
(森敏)

秘密

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