2012-12-19 21:16 | カテゴリ:未分類

     水稲の玄米の100ベクレル/Kgという基準を超える点数が今年は昨年と比べて圧倒的に少ないようだが、表1に示すように、一方では大豆は依然として基準値超えの件数が増えている。  
 
  以下その理由について考察してみた。少し長くなるので、門外漢にとっては退屈かもしれないが、専門家にはぜひ最後まで読んでもらいたい。
          
表1.横軸はセシウム濃度 100ベクレル/kg以上 を検出した一軒一軒の農家。棒グラフは測定値の低い順番に並べてある。(福島県のデータより作成) 
たけのこ--    

            

市場に出る大豆の全袋検査は義務づけられているかどうか小生は知らない。が、水稲に比べて大豆は測定件数が今のところ、けた違いに少ないので、全作付面積での基準値超えの面積がどのくらいなのかはいまのところ判然としない。

     

しかし原発暴発後2年目になって、ほとんど基準値超えが出なくなった野菜類や根菜類などと比べて、この表のように、大豆で基準値超えが頻繁に出ること自体が不可解である。
    
  一部のサンプルにはポストハーベスト
(収穫後)の不用意な取扱いによる大豆種子汚染があるのかもしれないが、この事実は新しい植物生理学的な問題を提起しているのかもしれない。

  
まず現地調査で以下の疑問を精査する必要がある。 

1.これらの大豆農家はカリウムをきちんと施肥していただろうか?

2.特殊な大豆の品種だけが基準越えだったのだろうか?

3.地域の土壌の特異性によるものだろうか?またはそこの土壌の放射能値と大豆のセシウム値との相関は高いだろうか?

  

水稲の場合は土壌の種類のいかんにかかわらず、ほぼカリウムの施肥で玄米の基準値超えの発生を、今年はかなり抑え込めている。だから基本は、カリウム(K2 O)を水稲のように たとえば20-30mg/100g土壌 の濃度で施肥したにもかかわらず、基準値超えした大豆があったのかどうかである。 

  

もしカリウムを充分に投与しているにも拘わらず、基準値越えの大豆がでたのならば、単純に考えれば、大豆の放射性セシウムの経根吸収はカリウムの膜輸送体以外の輸送体を使っている場合もあるのだ、ということになる。もしかしたら、セシウムはおなじ元素の周期律表でIA系列のカリウムではなくナトリウムの輸送体を使っているのかも知れない。

 

ナトリウムを多量施肥してセシウム吸収が抑えられるかどうかの検定実験が必須である。 

      

この推定が正しいことが証明されれば、施肥設計上ナトリウムの過剰施肥は望ましくないので、セシウムを吸収しにくい大豆の品種を全国の品種から検定して選抜してそれに変えるか、ゼオライトなどの吸収抑制剤の多量施用施用などの対策が必要になる。

    

下記の記事のように同じ豆科である小豆(あずき)からも基準値越えがでている。大豆も小豆も基準値越えがでていると云うことは、植物栄養学的には非常に示唆に富む事実である。
   

 

なぜなら、周知のように、これら豆科は根に空気中のチッソ(N)を固定する根粒菌(リゾビウム)を含有する根粒を着生する。根粒とセシウム吸収の関係は不明であるが、もしかしたら、根粒のセシウム吸収力が高いために、根粒を経由してセシウムが吸収され、それが莢に転流して大豆の種子のセシウム含量が高まったのかも知れない。これらを実験的に証明するためには、巧妙なアプローチが必要になるだろう。
      
  おなじく、根に菌根菌(マイコリーザ)などが着生している松などは、今後放射性セシウム汚染土壌からのセシウム吸収が経根的に高まり、心材汚染が進む可能性も否定できない。菌根菌はキノコと同類なので、セシウム集積作用があることが強く示唆される。少し先走った予測かもしれないが、案外この予想はあたっているような気がしてきた。   

            

    

伊達の「大豆」5点から新基準値超えセシウム

 県は11日、伊達市の旧堰本村、旧富野村で収穫した大豆5点から食品の新基準値(1キロ当たり100ベクレル)を上回る1キロ当たり160~350ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。
 大豆は今月末まで、国の暫定基準値(1キロ当たり500ベクレル)が適用されるが、県は新基準値を前倒しして採用しており、同市に旧堰本村、旧富野村の大豆の出荷自粛を要請した。
 このほか、放射性物質検査を行った大豆や秋ソバ、小豆の計152点は新基準値を下回った。
(2012年12月12日 福島民友ニュース)
 
    

 アズキで基準超セシウム=福島

 福島県は14日、南相馬市旧石神村地区で採れたアズキから食品の新基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超える110ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。出荷前だったため、出荷自粛を要請した。県内のアズキの出荷自粛要請は、原発事故後初という。(2012/11/14-22:08

   
(森敏)

 

 

秘密

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