2012-11-29 12:18 | カテゴリ:未分類

「東電福島原発事故 総理大臣として考えたこと」 菅直人 幻冬社新書

「原発危機 官邸からの証言」 福山哲朗  ちくま新書

 

を読みました。東電福島第一原発事故当時、菅氏は首相として、福山氏は官房副長官として、官邸中枢で実践指揮にたずさわった当事者たちです。醒めた目で良く書けていると思います。

 

 あらためて、昨年の未曾有の大震災に伴う,未曾有の東電福島第一原子力発電所メルトダウン事故時の、これらの行政官として前例のない事態に対する、官邸内や東電内部でのあわてふためきぶりが、あらためてよくわかりました。この2冊の本は政府事故調・国会事故調・民間事故調による第3者による外在的な客観的な評価書よりも体温が感じられて、はるかに迫力を感じました。

 

 ですが,衆知のように、その後の危機管理のための法整備、原発廃炉、放射能除染、避難住民対策は今だに日暮れて道遠しです。

 

 ここに来て総選挙に向けての政治家たちの離合集散がじつにあわただしいです。むろん政治家やそれを目指す人物たちにとっても多分選挙は財産と生命を賭けての真剣な戦いだと思います。ですから、庶民があまり大きな口を叩くのもはばかれます。

 

 しかし、原発問題だけは命を生み出し育む女性の観点から判断したい。
 

 脱原発でしょうが、卒原発でしょうが、即原発廃止でしょうが、原発ゼロでしょうが、それらの政策を第一に掲げる女性の政界進出を加速する政党を支持したいです。
 
 女性国会議員が増えれば、自ずと再生エネルギーに日本のエネルギー政策は転換せざるを得ないでしょう。政党よりも当選した<女性議員連盟>が政策主導権を持つ時代が来ることを強く望みたいと思います。

 

 女性国会議員による科学技術政策の再構築が必須だと思うからです。主として男性国会議員が推し進めてきた戦後の科学技術政策は、日本ではこのままでは迅速に方向転換できないのではないかと思うからです。

   

 たとえば、去る2012年11月13日に開かれた大畠章宏(衆議院議員:民主党)と細田博之(衆議院議員:自民党)が共同代表を務める超党派の議員連盟「科学技術の会」で 
 

<細田氏は原発再稼働の問題を取り上げ「これについては学会がきちんとした対応すべき時期に入ったと思う」と述べ、「すべての活断層を解明しなければ稼働させないというような現在の議論はすべきでないとした。「どのような大きな地震が起きても大丈夫だという安心を科学技術的に専門家が立証して示し、だから稼働させても大丈夫という議論をすべき時期になっている」と述べた。> (科学新聞11月23日)

と報道されています。男性国会議員はいまだにこんな程度の科学技術にたいする楽観的な認識です。科学新聞のこの会議の写真には女性国会議員の姿は1人も映っていません。

    
  

 昨年ドイツのメンケル首相が日本の東電福島第一原発事故後に、<2020年までにドイツの全原発廃止> を決断したのは、たぶん彼女が女性でありかつ物理学専攻出身であったからだと思います。以下に一年半前のメンケル首相のドイツのツアイト紙に対するインタビューの発言の一部翻訳をブログ(八百八町2011.5.25.)から無断引用させて頂きました(翻訳上のわかりにくい表現は想像して語句を勝手に書き換えました)。

 

 「フクシマはいまだにスケールが分かりかねない恐ろしい事件であって、思いがけない境遇に立たされました。今は、必要な措置を講じることによって、今まで対立していた方がたは近付き合って、社会にコンセンスが生まれるチャンスが来ました。もちろん、意見の違いは多少残るでしょうけど。
  
今までは理論上にしか存在していないから責任を追うことが不可能であるリスク、つまり、今まではあり得ないリスクとみなされていた事が実際に起こったことは、個人的には思いがけないことでした。
  
その上に、この事件が起こったのは技術能力、秩序、法律の点でドイツ何一つも劣らない日本でした。こういう事件が日本のような社会の根底をゆるがす、国民がこういった状態に陥るなんて思いがけないことでした。これは今回の震災の深刻なできごとでした。
  
もちろん、こういう危険があると、警告した人がいたとは充分に承知しております。少し前までは、高い安全基準、高度技術のある国に、こういうことが起こることを生きて迎えるとは思いもしませんでした。
  
原子力というリスクは、自分の世代を超える、自分の国境を越える、つまり時間的・空間的に(巨大な影響を及ぼす)リスクです。
  
発生確率が非常に低いと思ったことが実際に起こると、やはりリスクは違いますね。(
  
人間の判断に事故は絶対に起こらないという確信がある前提で、原子力の残存リスクを受け入れることは可能である。しかし、「原子力の残存リスクを負わなくても、別の選択肢があるのではないか」という質問はフクシマの結果として優勢を占めるようになりました。
  
当然、(津波と地震という)全く同じようなことはドイツで同時に起こることはありません。日本は地震の危険にさらされているのは、ご存知だと思いますが、ドイツには地震はほとんどありません。海岸地方は特に危険に晒されているのはわかっていたにもかかわらず、日本は原子力発電所を作りました。
   
日本の大災害と全く同じようなことが起こるという心配は当然ドイツではありません。しかし、文明上のリスク(記者クララのコメント: これはおそらく設計による故障だと思います)が、自然災害と重なって長期停電となることはどうでしょう? つまり今までは推定及び発生確率計算で除外されていた様々な不幸な事情が重なり合うこと。こういう大事件が絶対に起こらない信じる充分な根拠がありません。
   
ポイントは、ここでは確率解析とリスクの想定の信頼性が問われるということです。
   
こういう理由から、全原子力発電所の安全審査を指令しました。
   
フクシマのような巨大な事故をみて、今までは理論上のみ考慮したリスクの重なり合いを、私にはもはや「こんなじゃ関係ない」と排除できる立場にありません。。。。。。。。。。」


           

(Erika)

秘密

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