2017-09-09 10:30 | カテゴリ:未分類
  

浪江町の空間線量9.5マイクロシーベルトという高放射能汚染地域で、墜落して間もないと思われるシジュウガラの死体を発見した。その、内臓を取り出して、遺体全身と内臓を乾燥させて、それぞれのオートラジオグラフに撮像し、放射能も測定した。
   
   これでツバメ、ヒヨドリ、シジュウガラと、いずれも小鳥は放射能汚染しており、内臓も被ばくもしていることが分かった。
    

        2017/01/10 : ヒヨドリの内部被曝

        2016/03/06 : ツバメの放射能汚染像について

        2015/06/03 : 鳥の放射線被曝について

    シジュウガラの採取と丁寧な解剖は加賀谷雅道カメラマンと桑原隆明博士(茨木キリスト教大学・助教)によるものです。
     
   
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シジュウガラの全体像(背面) 
 
 
 スライド2
上図の放射線像。左:ネガテイブ像。右:ポジテイブ像
眼球の周り、背筋、などの汚染が強いことがわかる。



 
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シジュウガラの腹面 (内臓を取り出して圧迫乾燥して、平らにしたもの)
  
 


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シジュウガラの腹側からのオートラジオグラフ。
羽根の外部被ばくも激しいが、腹部の筋肉や眼球の周りが激しく汚染していることがわかる。

  
  
  
  
  

スライド6

シジュウガラの腹側からのオートラジオグラフ (ネガテイブ画像)
  
  
  



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シジュウガラの内臓



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シジュウガラの内臓のオートラジオグラフ (個々の部位の同定はできていない)。

  
       
放射能しじゅうがらjpeg

 シジュウガラの放射能 (ゲルマニウム半導体による検出)。全身よりも内臓の放射性セシウム値が高い。内臓は消化されつつある胃腸の内容物もすこし含まれると思われるが、その寄与率はわからない。
 

 




   

(森敏)
2017-07-23 22:25 | カテゴリ:未分類

  以下は我が家(文京区)の通気口フィルターの放射能汚染のオートラジオグラフです。
          
  2011年3月11日以降の数日間にわたる東電福島原発事故以来、そこから飛来した放射能雲(プルーム)は、茨城、東京、横浜を席巻していったのですが、その時我が家も確実にプルームに見舞われていました。そのことは以前にも、窓ガラスの外側が放射能粒子(ホットパーテイクル)で汚染している事で可視化して証明しておきました。以下のブログの放射線像の一つに紹介しています。
       
  http://moribin.blog114.fc2.com/blog-entry-1825.html
            
  実は2014年に我が家の各部屋の通気口を取り替えるにあたって(図1)、それをオートラジオグラフにとっておいたのが以下の図2です。我々はすでに横浜の民家のサンプルでもでもそういうオートラジオグラフ像を取っています。
          
  このオートラジオグラフからは、リビング(居間)の空気は台所のレンジから吸気しているのでリビングの東側にある通気口から放射能のホットパーテイクルが吸引され。、そのときにこのスポンジ樹脂フィルターにそれらが吸着したことが見て取れます。多くは2011年3月15日の福島第一原発2号機爆発由来の放射能と思われます。
               
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図1.我が家の通気口のフィルター

  
  

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図2.家の通気口図1のオートラジオグラフ(上)がポジテイブ像、(下)がネガテイブ画像。両者を一枚に作図した。
    
  2011年3月以来ご自宅のフィルターを交換されていない方で、オートラジオグラフにご興味のある方は小生あてにフィルターを送っていただければ、ガイガーカウンターの測定値いかんですが、バックグラウンドの放射能よりも少しでも高いフィルターの場合はオートラジオグラフを撮像するのにやぶさかではありません。
    
  
(森敏)
付記: 放射能の絶対値(ベクレル:Bq)は測っておりません。東側通気口はガイガーカウンターで50cpmレベルです。

2017-04-21 06:55 | カテゴリ:未分類

先にWINEPブログで、タケニグサに関して論じた。
 
 2016/02/21 : タケニグサ考 (クリックしてください)
 
この時は花がまだ咲いていなかった。最近いろいろな一年生の植物の草花を採取してオートラジオグラフに撮ると、花などの生殖器官他の組織よりも強く汚染している場合が多いことに気づかされている。昨年秋あちこちでタケニグサが抽臺して2メートル以上背丈が高く、非常に目立つので、それを採取してきて、オートラジオグラフに撮った。IP-プレートが長さが40センチしかないので撮像しているのはタケニグサの頂点から40センチの部分である。

 


スライド1 

 図1.開花期のタケニグサ

 
 
  
 
 

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図2.図1のオートラジオグラフ(ポジテイブ画像)
 
 
 
 
 
  
 
たけにぐさjpeg再度調整  

図3.図2のネガテイブ画像
 

  
 
 
  
 

     表1.タケニグサの部位別放射能値
スライド1  
 

このように、タケニグサは他の植物と比べて生殖器官が特異的に放射能値が高い。
 
  

(森敏)

2017-03-10 08:27 | カテゴリ:未分類

まもなく2011年3月12-20日の福島第一原発事故後6年めとなる。以下の文章は少し硬い論文調ですが、吟味してください。 
       
       

原発事故で帰還困難区域の山林は、住民が入らなくなったので、樹木が間伐されない。なので、荒れ放題である。木々にツタが絡まり、場所によっては特に巨木のマツの枯死や倒木も始まっている。
    
  スギやマツでは「こぶ」(クラウンゴール)ができて、枝が枯れているのが目に付く。これらは原発事故前からもあったのだろうが、被害は拡大しているのではないだろうか(図1、図9)。「
スギこぶ病」は,子のう菌(Nitschkia tuberculifera KUSANO)の一種が引き起こすスギの病害で,これに罹病すると,枝や葉,場合によっては幹に大小のこぶが生じ,樹勢が衰え,枯死にいたることもあるといわれている。

      

  2015年までは、この「スギこぶ」は球状の立体的なものなので(図2、図3)、感光面が平面のIP-プレートでの放射線像の撮像がむつかしいのではないかと思って、小生はあまり採取に熱心ではなかった。しかし、大学に持ち帰って放射能を測定してみると、飯舘村のものや浪江町のものはとてつもない値が出た。表1には浪江町の山林で採取したスギこぶを示している。総じてキログラム当たり15~20万ベクレルを示し、樹皮よりも高い放射能値である。

    

これは放射性プルーム(雲)による被爆当初に、直ちに被爆樹皮から「スギこぶ」に取り込まれた放射能が植物細胞よりもはるかに代謝活性の強い「杉こぶ」の菌体に積極的に取り込まれたからではないかと思われる。また、生体高分子樹脂で「スギこぶ」の表面は子細に入り組んだ凸凹になっており(図3)、いったんそこに入り込んだ放射能は樹脂と結合して抜け出られないものと思われる(図5、図6、図7)。

 

立体的なまま放射線像をとるとスギこぶとIP-プレートが密着していないので、放射線が立体角4πの方向にあちこちに飛んで、ぼけたイメージで感光した(図4)。実際の森林では、この「スギこぶ」からこのように放射線が発散しているわけである。
 
      スギこぶ菌にやられた杉は、結局倒木して、急速にシロアリなどの小動物に食べられて、土壌中に有機物として帰っていく。放射性セシウムも同じ運命をたどり、森林生態系の元素循環の中に繰り込まれていく。

 

スライド3 
図1.「杉こぶ」。枝は枯死し始めている。




 
スライド1 
 
図2.「杉こぶ」。実験室に持ち帰った「杉こぶ」がついた枝。枝はまだ生きている。


 


スギこぶ拡大図jpeg 

図3.図2の一つの「杉こぶ」の拡大図




 
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図4.図2を立体のままIP-プレートで感光したもの。放射線が四方に飛び交っているので像がぼけている。


スライド1 
図5.「杉こぶ」をのこぎりで2つに切断したものを対称形に開いて並べたもの。撮像するときに角度が少しずれたのだが、右のものを少し右下がりにすると両者が合体するいめーじになる。上のオートラジオグラフが下の杉こぶのサンプルに対応している。

 

 
スライド3 
 
図6.図4の左のサンプルの拡大図 。白い感光していない部分はpith(木髄)





スライド4 
図7.図4の右のサンプルの拡大図。
白い感光していない部分はpith(木髄)


 
 
 



スライド1 

図8.「杉こぶ」の断面解剖図 (文献 J.Jpn.For.Soc. 68(11) '86 からの引用 )


 


スライド2 
 
表1.上のゲルマニウム半導体用の容器(U-8)に入っている「杉こぶ」に対応する放射能の測定値。 
スギこぶ1-1と1-2は半切の対になっているそれぞれ一方の測定値。
スギこぶ2-1と2ー2は半切の対になっているそれぞれ一方の測定値。
スギこぶ3-1,2,3は3個の小さな杉こぶの合量。


    
(森敏)
 
付記1:以下の写真に見るように、飯舘村での激甚な杉こぶ被害の、迫力ある写真は、以前に「中部支援ネットワーク」から小生にも送られてきたことがある。ここに無断で掲載させていただきました。

 
スライド1


図9.飯舘村での被害が激甚な杉の「杉こぶ」。枝の先端のみに葉が茂っている。大方の栄養分を「杉こぶ」に収奪されているのだろう。
 
追記1:以下の図10、図11は図6と図7に対応するネガテイブ画像です。こちらのほうが放射能汚染の度合いがわかりやすいかもしれません(白い部分が放射能の局在部位です)
 
スライド1 
図10.図6のネガテイブ画像。白い部分が放射能汚染部位。白が鮮明なほど汚染が激しいことを意味している。
 
 
スライド2 
図11.図7のネガテイブ画像。白い部分が放射能汚染部位。白が鮮明なほど汚染が激しいことを意味している。

    

2017-02-17 08:06 | カテゴリ:未分類

民家の庭先にショウブとハスを混食しているプラスチックバットがおいてあった。きっと避難している家主は水生植物の愛好家だったのだろう。これまでも溜め池などでは、岸から離れているハスなどの水生植物を採取するのが少しややこしかったので、このプラスチック箱の中から紫色の2本を茎の部分から上を失敬した。葉は全面的に水につかっていた(図1

       

新聞紙で乾燥するとさらに紫色が強くなった(図2)。研究室に持ち帰ってガイガーカウンターを当てると1600 cpmと、とてつもなく高い値を示した。以下の動画を見てください。
 https://vimeo.com/190422228 

         
  それをオートグラフに取ったのが図3(ポジテイブ画像)と図4(ネガテイブ画像)である。ハスの葉脈が子細にくっきりと浮かび上がっているのがわかる。
    
  この植物体を葉と茎にわけて放射能測定したものが表1である。茎と葉は共に、Cs-134 と Cs-137の合量で数十万ベクレルとべらぼうな値であることがわかる。


スライド4 
 図1.民家の庭に放置されたハスを育てているプラスチックバット
 
 
 
スライド1 
 
 図2. ハスをサンプリングして押し葉にしたらこんな紫色になった。

 
 
 
 
スライド2 
 
 
 
 
 図3.図2のオートラジオグラフ
スライド3 
 

 図4.図3のネガテイブ画像



 
表1.ハスの放射能
スライド2 
 

なぜこんなに高いのだろうか? 以下に若干考察してみた。

       

第一にこの地域に降り注いだ総放射線量がべらぼうに高かったであろう。今でも空間線量は8マイクロシーベルト付近である。しかしそれ以外に、第二に、原発事故以来このプラスチックの箱に降り注いだ放射能は箱の外には逃げないで箱のなかに留まったままであるはずだ。土壌は箱の底に数センチである。いつも土壌表面は水で空気から遮断されているので還元状態にある。たぶんそういう環境下ではセシウムは土壌への吸着が進みにくく、いわば箱の中で放射性セシウムは水の中でリサイクルし続けていると思われる。冬になって葉が枯れて腐ると、微生物菌体のコロイド状になり、そのコロイド状の有機性セシウムは、また次の春になると無機セシウムイオンとして遊離されてハスの根からばかりでなく葉からも再吸収されるわけである。

     

フキノトウなどでは、淡水状態で出てくるフキノトウと陸生のフキノトウでは前者の方が遙かにセシウム汚染が強いことがすでに明らかにされている。これは淡水状態では水につかっている地上部分からも容易に放射性セシウムが吸収されるからである。

      

水稲の場合も、水を張った出穂期に森林で汚染した沢水がかかると、容易に茎からセシウムを吸収して、お米の放射性セシウム含量がたかまるので、要注意なのである。小生自身が実験したわけではないが、カリウムを農水省が定める基準値量(25mgK2O/100g土壌)以上施肥していてもこの経茎吸収は押さえられないと思われる。

      

たかがハス、されどハス。 原発事故後ほぼ6年になるが、放射能汚染地での自然観察で学ぶことはまだまだ多いのである。

  
   
(森敏・加賀谷雅道)

     
 
 
 
 

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