WINEPブログ
その桜の樹の小枝を手折らせていただいた。
また、5月に訪れた時には桜はだれもいないのに満開であった。その時は花びらを採取した。
6月には桜の花が散って葉桜になっていた。そこで、また少しだけその葉の開いた小枝を手折らせていただいた。誰もいなかった。
これまで、いろいろな植物をオートラジオグラフを取っているので、実験器具がなかなか空かず、今頃になってやっとその桜の木のオートラジオグラフの画像を得ることができた。それが図2と図4である。
いずれの図も、黒くハレーションを起こしている部分が放射能の分布をしめしている。蕾も確実に放射能で感光しており、分析すると表1.に示すように3万ベクレル/kg以上であった。
図2.図1のオートラジオグラフ。
表1。桜の蕾の放射能桜の蕾の放射能(Bq/kg) Cs-134 Cs-137 Total Cs 14759 16645 31405
第1図と第2図を比較して見れば明らかなように、去年放射能を浴びた枝まではまだギンギンに放射能が残っている。つぼみが付いていない部位が去年までの枝である。そのあと伸びた枝やつぼみにも放射能が移行していることがわかる。
図3.図4の原図。葉桜の時期の桜の枝。
図4.図3のオートラジオグラフ。
この第3図と第4図を比較してみれば去年の枝は放射能が濃厚だが、今年の葉には余り移行していないかの如く見える。しかし、葉桜になる前の桜の花びらからは2385Bq/kgのCs-137を検出した。だから葉にもそれくらいの放射能があると思われる(葉や枝の放射能は現在測定中)。
福島県や近県ではどこの桜の木も特別には除染しないと思われるので、毎年新しい枝が伸びるたびに放射能は新梢に移行していくだろう。
この長泥地区は帰還困難区域として向こう5年間は一般人は出入りが禁止になったので、桜並木は来年は一層さびしく咲き乱れることになる。
図5。5月の山頂の桜並木
長泥(ながどろ)に
今を誇れる桜花
静かに発す放射能かな
(森敏)
事故発生年は庭に植えているゆずの葉と実、柿の葉と実、ミカンをはじめヒバの葉や苔など全てにおいて高線量を検出していましたが、
今年は僅かばかりの値に落ち着いています。
これらは初年度は放射能物質が木の幹や枝に沈着し、
それが葉や実に移行したためではないかと推察しております。
同様に、
広島産とか離れた場所の玄米を購入して糠も値は低いですが検出されます・・
留意すべきは、ブルーベリーの実やドクダミは初年と比べて値が落ちてきているとはいえ
今年になっても相変わらず値が検出されています。
特にドクダミは高い値です。
ドクダミ茶などの効能などを調べてみると、
ドクダミにはカリウムが豊富に含まれているとのことです。
ドクダミはカリウムの代わりに地表に沈降しセシウムを成長の栄養素として
取り込んでしまった結果ではと考えられますが、どのように捉えるべきでしょうか?
見解をご教授いただければ幸いです。
なお、測定器は「PRIPYAT PKS-20.30」をポリ袋に入れ
100分モードで何もない状態で初期値を録した後に
被測定対象物の上に測定しています。
ドクダミの根は比較的浅く、土壌表面にのみ吸着している放射性セシウムを吸いやすいのではないかと思います。自然の土壌では、カリウムは常に欠乏状態なので、高親和性のカリウムトランスポーターが常に発現している可能性があります。それが微量のセシウムを吸収するのだと思います。多分放射性セシウム(Cs-134,Cs-137ばかりでなく、安定(Cs-133)の含量も高いのではないかと思われます。
森敏
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> 事故発生年は庭に植えているゆずの葉と実、柿の葉と実、ミカンをはじめヒバの葉や苔など全てにおいて高線量を検出していましたが、
> 今年は僅かばかりの値に落ち着いています。
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> これらは初年度は放射能物質が木の幹や枝に沈着し、
> それが葉や実に移行したためではないかと推察しております。
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> 同様に、
> 広島産とか離れた場所の玄米を購入して糠も値は低いですが検出されます・・
>
> 留意すべきは、ブルーベリーの実やドクダミは初年と比べて値が落ちてきているとはいえ
> 今年になっても相変わらず値が検出されています。
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> 特にドクダミは高い値です。
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> ドクダミ茶などの効能などを調べてみると、
> ドクダミにはカリウムが豊富に含まれているとのことです。
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> ドクダミはカリウムの代わりに地表に沈降しセシウムを成長の栄養素として
> 取り込んでしまった結果ではと考えられますが、どのように捉えるべきでしょうか?
> 見解をご教授いただければ幸いです。
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> なお、測定器は「PRIPYAT PKS-20.30」をポリ袋に入れ
> 100分モードで何もない状態で初期値を録した後に
> 被測定対象物の上に測定しています。
飯館村のひ比曽部落でドクダミを丁寧に採取しました。私の無知でした。ドクダミの根は深くお互いに地下茎で連なっていますね。これは竹の場合と同じです。ですからしょねんどの放射性降下物をいったん根茎に蓄積したものがその後も転流して新しく出芽した植物体を汚染しているのではないかと思います。
森敏
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