2012-11-18 23:36 | カテゴリ:未分類

   果樹農家や林業関係者には、樹木の放射能汚染の実態が可視的にはまだよくわかっていないと思われる。そこで、小生は参考にしてもらうために、樹木のオートラジオグラフを紹介している。
 

  先に、シイタケ原木であるコナラの樹皮の放射能汚染について、オートラジオグラフを紹介した。その時に、放射能が無数の大小の点々に観察され、樹幹流による放射能のテイリング像が観察されなかったので、すでに水溶性の放射能は樹に吸収されてしまっているか、現在吸収され続けているとしても、ごく少しずつしか吸収されていないだろうと考察した。
(http://moribin.blog114.fc2.com/blog-entry-1556.html)

  

    ところが、同じコナラの樹のほかの部位の樹皮を、オートラジオグラフに撮ったところ、樹皮には黒くかたまった放射能でハレーションを起こしている部位を見いだした〔図2の黒い部分〕
 

IMG_5490--.jpg 
図1.コナラの樹から引き裂いてきた樹皮(白い鉄菱状のものは樹皮に生えていた2ミリぐらいのキノコ)
 
 

 こならおせん---
図2。 図1のオートラジオグラフ。真黒な部分は図1とよく照合すれば、コケ(蘚苔類)であることがわかる。
 

  驚いて元の樹皮(図1)と照合してみたところ、なんと、この図2で黒く写っているところは、コケ(蘚苔類)であった。この樹皮表面にこびりついているコケは樹幹流の放射能をトラップして強く放射能を生物濃縮していたのである.

表1に示したように、このコケ(苔)の部分は、Cs-134とCs-137の合量で、なんと100万ベクレル/kg 以上を示していた。

 

表1。コナラの樹皮成分のセシウム分析値 (単位 Bq/kg)

 Cs-134Cs-137Cs合量
コナラ樹皮   116,546   133,004   249,550
コナラ苔(2カ所分)   451,574   549,726  1,001,301
コナラのキノコ(70コ分)    60,434    61,831   122,266
  

  繰り返すが、この図2から言えることは、樹皮表面にこびりついた東電福島第一原発由来の放射性降下物が、雨が降った時にその樹幹流に溶け込んで、間違いなく樹の下方に流れていき、それが途中で一部はコケに吸収濃縮されたということである。
 
    コナラの樹皮はごつごつして、縦に割れ目が入っているので、そこからも樹幹流は容易に樹の形成層方向に吸収されて師管に入り、溶け込んだ放射能はその後新芽などに移行するのだろうと考えられる。
 

  下記の記事に見られるように、福島県伊達市では東京農大などと連携して、あんぽ柿の樹体を解体して、放射能の分布を調べようとしている。あんぽ柿のセシウム含量が100Bq/kgをオーバーして、今年も出荷を自粛したあんぽ柿組合が死活問題で必死だ。
  
 

  柿の樹皮には蘚苔類がたくさんくっついているので、今回のコナラノ場合と多分同じようなラジオオートグラフが取れるだろう。また、先日の桜の樹の枝で紹介したように、
(http://moribin.blog114.fc2.com/blog-entry-1564.html)

去年3月以前の古い枝にはまだ相当量の放射能が蓄積していて、そこから出た新梢やカキの葉や実に放射能が移行して行くオートラジオグラフ像が撮れるだろう。
 
 
参考にしてもらえばありがたい。 
  
    

あんぽ柿復活へ 木を解体し放射性セシウム検査

 県の放射性物質検査でカキを原料に加工した干し柿などから基準値を超える放射性セシウムが検出され、2年連続で特産の「あんぽ柿」の加工と出荷を見送った県北地方。産地を抱えるJA伊達みらい(伊達市、大橋信夫組合長)と県は13日、カキの樹体を部位ごとに解体し、放射性セシウムの浸透状況を把握する調査に乗り出した。樹体中のセシウムの分布を詳細に調べることで、来年度の出荷再開に向けた対策を探る。生産者からは「カキの汚染状況の全容解明につながる」と産地復活に向け期待の声が上がっている。
 この日は伊達市霊山町小国地区と保原町柱沢地区のカキ各1本を調査。枝は生育年数別に刈り、幹は輪切りにした。根と表土、土壌も採取した。今後、同JA管内の国見、桑折両町と同市内各地域の約20カ所でも同様の調査を行う予定。
(2012年11月14日 福島民友ニュース)

   

(森敏)


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