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2012-11-12 09:43 | カテゴリ:未分類

               先日、香川の農家から今年の新米をいただいた。将来の人手不足を見越して徹底的な節水栽培を試験的に行ったということである。田植えの時以外は、水を入れずに、後は天水のみで農薬も控えた省エネ栽培をしたら、収量が半分(約5俵)になってその分収入が減ったが、農薬や水管理などの費用を節約できたので、結局、通常栽培と同じ収益だということである。お米の品種は「ヒノヒカリ」。
 

    

さてこの玄米を胚芽米に精米してガスコンロで炊いてみた。あつあつの新米をじっくり味わってみたのだが、粘り気の傾向が違うように思った。「ばね」があるのである。いわゆる「コシヒカリ」のようなふっくらとしたもち米様の粘り気とは少し違う。かむとうまみが出てくる。小生はふだんお米はお茶碗1膳しか食べないのだが、ついついお代わりをしてしまった。こんなことは何年振りかである。
 

    

と思っていたら、昨日の朝日新聞に日本穀物検定協会による今年のうまいコメトップ3に「ヒノヒカリ」がランキングされていた。むべなるかなと実感したことである(この朝日新聞の記事にはないが、記事の挿絵で「ゆめぴりか」、「ヒノヒカリ」、「元気つくし」、がトップ3で(順位は示されていない)、ほかに、「ななつぼし」、「ひとめぼれ」、「なすひかり」、「コシヒカリ」、「森のくまさん」、「にこまる」が示されていた)。
 

     

従来のまず冷害に強いお米として、その後はさらに高食味品質として開発されてきたお米が、近年の温暖化で、胴割れや白化するので、現在は高温耐性品種の育種に育種家がしのぎを削っている。真に忙しいことである。
 

      

育種家の某先生によれば育種家がすべての学問分野で自殺率が一番高いのだそうである。昔風の育種には数十年かかったので、新品種を開発した育種家がまだ生きているうちにその品種が世に受け入れられる人は極めて稀(まれ)で,ほとんどは、世に出ないで没になる品種が大部分だからである、とのこと。因果な職業である。
 
 

    

    

 うまいコメ、列島激戦 北海道・九州産からトップ3

コメの勢力図が変わりつつある。業界団体の食味検定で北海道産や九州産が上位に食い込む一方、米どころ・新潟や東北勢は苦戦。消費者に受け入れてもらう「うまいコメ」をめざし、熱い闘いが繰り広げられている。

 「ゆめぴりか」「元気つくし」。2011年産のコメの食味検定で審査員たちをうならせたのは、「厄介道米(やっかいどうまい)」と揶揄(やゆ)されてきた北海道産と、09年に登場した福岡産だった。

 審査したのは一般財団法人・日本穀物検定協会(東京)の職員20人。1971年産から毎年実施しているコメの格付け検定「食味ランキング」で129銘柄がエントリーし、5段階評価で26銘柄が最高の「特A」とされた。このうち、トップ3(順位は非公表)に入ったのが、ゆめぴりかと元気つくし。木野信秋・業務部長(65)は「美しさや粘り、味がずば抜けていた」と絶賛する。(2012.11.12. 朝日新聞)
 

  

    

(森敏)

秘密

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