2012-11-03 13:22 | カテゴリ:未分類

今回、下記の毎日新聞の記事にあるように、毎年のように大学や学部が新設され続けていることに“異を唱えた”田中真紀子文科大臣の所業は、予想された短期在任中の大臣のスタンドプレー(職権乱用)といわれるかも知れないが、間違っていないと思う。

 

心ある大学人はいま、小子化が急速に進行形にもかかわらず、大学の新設が行われることには不信感を抱いている。その一方では目を覆うばかりの、大学生の質の低下に、手を焼いている。各大学上層部は教育目的として立派な「世界に通用する人材育成」のために、教員達に「教育の質の向上」をすべく、日夜見えない糸で彼らの尻をひっぱたいている。

 

膨大なコマーシャリズムによる情報の流れのなかで、四六時中スマホばかりを眺めて、体を動かさないで、人間関係を構築できない大学生が日本では大量生産されている。わが研究室にも、いくら注意しても自転車に乗りながら携帯操作をしている学生が15年前にいたが、けっきょく自主退学した。

 

大学設置・学校法人審議会はメンバーが2年任期であるので、その気分は腰掛けであり、実質的に文科省の役人がスケジュールを作成したことを、事務的にこなしているに過ぎない。「審議会」というものの常識では、そこで出されたたたき台(シナリオ)に異を唱える人物はその後はさまざまな審議会のメンバーからはずされる。
  
審議会のメンバーは交代しても、各大学や学部の新設に対して親密に企画の当初から関与して一貫して当該大学を指導した係長や係長補佐クラスの下級役人が、大学の許認可後は、そこの大学の事務局長や理事として天下っていく。

 

そういう牢固とした利権の体制が日本では何十年も続いているのである。文科省官僚自らが自浄作用でこの流れを断ち切ることは全く期待できない。文科省にとってはこの旨味(うまみ)は絶対にやめられないシステムなのである。
    
好意的に考えれば、主婦感覚のするどい田中真紀子大臣は、落下傘のように文科大臣の座に舞い降りてきて、その悪臭を直ちにかぎ取ったのであろう。

 
  

  

大学新設不認可:文科省幹部、頭抱え 学生への影響危惧

毎日新聞 20121103日 0029分(最終更新 1103日 0235分)

 田中真紀子文部科学相が2日、大学設置・学校法人審議会が来春の開学認可を答申していた秋田公立美術大(秋田市)▽札幌保健医療大(札幌市)▽岡崎女子大(愛知県岡崎市)の3大学を不認可とした。田中文科相は、10月26日と同30日の閣議後に開かれた記者会見でも「大学の認可が多すぎる」と持論を述べていたが省内の驚きは大きかった。

 ある幹部は「認可を想定し大学に進学する予定で就職活動していない短大生がいる」とあまりの影響の大きさを危惧。別の幹部は「法人や学生のサポートなどできることをこれから最大限考えるしかない」と頭を抱える。

 田中文科相は2日の記者会見で「副大臣にこの話が伝わっているか分かりません」とも述べ、省内で十分な説明を尽くしていないことをうかがわせた。

 また、批判の的とされた審議会委員は、慎重な対応に終始。ある委員は「委員としては設置審査を粛々と行った。認可か不認可かは、文科相の判断だと思っている」とコメント。また、別の委員も「お答えできる立場にないのでコメントは控える」とした。【石丸整、福田隆】

 

 

(喜憂)
 

 追記:田中真紀子大臣の本心は官僚批判であることがわかる。
 

独演“真紀子劇場”、正論、暴論(産経新聞11月6日)

衝撃を与えた3大学の新設不認可決定から、わずか4日で認可方針へと方向転換を図った田中真紀子文部科学相。50人以上が集まった6日の会見では、正論あり暴論ありのまさに“真紀子劇場”となった。

 「大学の乱立に歯止めをかけて教育の質を向上させたい」

 田中文科相は冒頭、こう述べ、初めて大学設置・学校法人審議会の答申を覆し、3大学を不認可とした自らの判断に間違いがなかったことを、身ぶり手ぶりを交えて強調した。

 設置審の答申を尊重して認可するという、戦後長く続いてきた認可手続きについて「事なかれ主義」と切って捨て、自らが進んで「劇薬」となって改革に臨む姿勢をアピールした。

 田中文科相はまず、委員29人中22人が大学関係者で構成される設置審をやり玉に挙げた。「いい意見は出されるが、数カ月に1回しか開かれていない」と、委員構成に加え、議論時間の少なさも問題と指摘した。

 さらに、3月末までに大学新設を申請し、10月に設置審の答申を受けて認可され、翌年4月から開学となる現行システムについても「極めて不自然だと思っている」と疑問視。「認可されてから(校舎の)工事を始めるなり、教授を呼ぶなりというのなら分かるが、なぜかとっくにビル(校舎)が建っていて教授も確保されている。不思議だと思わないか」とし、「どこかからサインが出てたんでしょうかね」と皮肉った。(産経新聞11月6日)

 


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