2012-10-27 12:35 | カテゴリ:未分類

大学での文系の研究者にとって「オリジナリテイー(独創性)」とはなんぞや?「プライオリテイー」(先駆性)とはなんぞや?と問われれば、理系の人間にはちんぷんかんぷんで、想像力が及ばない。 

しかし、文系でもそれぞれの分野でおのずと「オリジナリテイー」に関する合意ができているはずである。そうでなければ、大学での昇格人事評価の時に、応募してきたこの人物とあの人物の優劣を比較検討することができないはずである。単に「頭がよさそう」なんてのは評価基準には成り得ないだろう。

  

俗物的に考えれば実験科学でない人文科学や社会科学の分野では、その人の他人と違った「考え方の斬新さ」や整合性のある「体系化能力」みたいなモノが、評価されるのだろうと思われる(この基準は多分間違っているだろうが)。
 
 

しかし10年ほど前、さる内輪の研究会で聞いた高齢の某哲学者の見解によれば、

「一見、現在の我々にとって<新しい考え方>(思想)みたいなモノは、ギリシャの時代から洋の東西を問わずゴマンと展開されており、ほとんど出尽くしてしまっている。普通の人はそれを知らないだけである。したがって現在の哲学者の役割は、昔の「誰が」「いつ」「どこで」「どの書物で」その考えを提唱したかをキーワード検索して同定し、大衆にわかりやすく解説してみせる作業をすることに過ぎない」とのことである。

<新しい考え方>などはもうどこにもないのだと。当時は哲学者がそんな自虐的なことを言っていいのかとも思ったものだが、今では極めて納得がいく。

 

先日、下記の記事のように文系の教授による他人のブログからの盗用事件が起こった。ブログから引用したことを自己の学術論文にきちんと示したらいいことだけなのに、何故それをしなかったのか不思議である。

 

「少しでも異なった考え方を主張すること」が文系の学問でも重要なのだろう。上述の某哲学者から見ると蝸牛角上の争いに見えるのではないだろうか。

 

明大教授、他人のブログ無断転用・・・・学術論文に

租税法学会理事長の水野忠恒・明治大教授が、学術誌に掲載した論文で他人のブログの内容を無断で転用していたことが分かった。

 同大によると、水野教授は無断転用を認め、理事長を辞任する意向という。

 同大によると、今年学会が発行した「租税法研究」に掲載された水野教授の論文で、本山美彦・大阪産業大学長のブログの記述とほぼ同じ内容の記載があった。水野教授は、明大に対し、ブログからコピーした内容を論文に使ってしまったと説明。学術誌はすでに回収されているという。

 同大は、水野教授に口頭で厳重注意し、水野教授は、学会理事長を辞任する意向を示しているという。

201210131218  読売新聞)
 

(管窺)

 

秘密

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