2012-10-22 11:06 | カテゴリ:未分類

 大学の原子力工学関係者が窮地に立たされている。既存の組織を維持するために、「廃炉のための研究と人材育成がされなければ、廃炉は迅速に行われ得ないだろう」(望月・元経産事務次官の講演)、という恫喝の論理が公然と原子力村から出されている。

   

要するに、既得権としての原子力工学関連研究専攻が解体されるのが恐いのである。

    

そこで提案したいのだが、原子力村の人材を抵抗なく徐々に脱原発にシフトさせるために「専門職大学院:原子炉廃炉研究専攻」という専門職大学院専攻を立ち上げて、福島大学に設置するのである。

      

そこの専攻の主要な研究目標は

1.    東京福島第一原発を廃炉にする研究

2.    全国の原子炉を廃炉にする研究

   

その主要な教育目標は

1.世界に通用する原子炉廃炉に貢献できる人材の育成

 

である。

     

原子炉廃炉研究専攻は以下の研究分野の構成で行う。

1.陸・海・空の放射能の汚染の解析と除染の手法の開発分野

2.原子炉解体作業のシミュレーションと工程表の作成分野

3.高放射能汚染下での作業ロボット開発分野

4.高放射線照射耐性材料開発科学分野

5.原子炉敷地内外での放射線生態学分野

(なお、人体への放射線影響学は福島県立医大が担当してすでに国から膨大な予算が投入されているので、研究分野として繰り込んでいない。)

      

また、福島大学の連携企業として東京電力を指定する。本専攻の大学院生は原子炉解体の実技体験を東電福島第一原発で行い、原子炉解体廃炉のための新しい課題を積極的に発見し解決手法を探る。

       

大学院生は世界の原子炉作業従事者からも募集する。年齢を問わない。授業では英語教育を徹底する。

 

卒業生は、この先50年間に次々と廃炉を迎える、世界各地の原子力産業に就職できるだろう。

 

すべてが新しい分野だからまだ適切な教官はいないだろうが、若いやる気のある、現在の日本の大学の原子力工学科の準教授や助教クラスなどを公募で引き抜くのである。

 

旧い既存の原子力工学関連専攻にこのような新しい講座を増設してもダメです。新しいテーマには新しい革袋が必要です。

 


田中真紀子文部科学大臣へ。

 

以上極めて荒っぽいたたき台として提案するモノです。決して奇想天外ではないと思います。

 

iPS細胞の実用化も重要ですが、東電福島第一原発の安全な廃炉研究も非常に重要です。両者共にあらゆる産業分野への波及効果が大きい研究分野と思います。
 

     

  

(管窺)

付記:例えば以下の予算がすでに福島医大に投入されている。これ以外にも様々な高額の医療機器が購入認可されている。焼け太りである。

 61億円計上へ 福島医大の放射線健康管理拠点

細野豪志環境相は30日、福島医大が東京電力福島第1原発事故を受け、県民健康管理調査や放射線医療の拠点として整備を目指す「新センター(仮称)」の整備事業に対し、来年度政府予算の概算要求で61億円を盛り込む方針を示した。県民健康管理基金に積み増す見通し。同日の私的懇談会で明らかにした。
 新センターは同大が基本構想を策定中。県民健康管理調査などを行う「県民健康管理センター」に加え、最先端機器を使った臨床研究や各疾病の早期診断・治療、人材育成などの機能を一体的に整備する見通し。
 細野環境相は「子どもを持つ親や、県内で子どもを産みたいと考えたり、出産を控えたりする人の不安に応えるため活用してもらいたい。新センターを周産期医療や小児医療の拠点にもしてほしい」と述べた。
(2012年8月31日 福島民友ニュース)
 

追記1:以下のような「ロボット開発」構想が浮上しているが、省庁縦割りのバラバラな誘致合戦はよくない。廃炉に向けた総合的な省庁縦断的な戦略的な構想の企画立案が必要である。

 

 「原発作業ロボ」開発で拠点 南相馬市が誘致構想
 
南相馬市は22日までに、災害復興や原発事故の廃炉作業に利用するロボットの研究開発機関を、市内に誘致する「災害対応ロボットテストフィールドセンター」構想を固めた。市は用地として同市原町区下太田の民有地約47ヘクタールを取得する方針で、購入費約9億円を補正予算案に計上、25日に開く市議会臨時会に提出する。
 市が誘致を目指すのは経済産業省などが構想している「実規模モックアップ・センター」(仮称)。東京電力福島第1原発の廃炉計画を踏まえ、災害救助や原発の廃炉作業など、人間に代わって危険作業を行うロボットや機器の試作開発、運用、訓練といった一連の取り組みを行う拠点となる。
(2012年10月23日 福島民友ニュース)

追記2:以下は環境省管轄の企画であるらしい。縦割り行政の典型だと思う。このままだと、あちこちで同じような放射能除染研究がなされることになるだろう。「放射能除染」というキーワードは、これをうたいさえすれば、あちこちの省庁からいくらでも研究予算が出る「うちでのこずち」になりかねない。すでに除染は国家予算を泥沼に引き込み始めている。


除染研究拠点の財源不足 県、予算確保まだ4割 

県が放射線対策や除染技術の研究開発拠点として三春町と南相馬市の2カ所に整備する「県環境創造センター」(仮称)の概算整備費200億円のうち、これまでに国の予算配分が決まったのは80億円にとどまっていることが29日、分かった。環境省は来年度当初予算の概算要求でセンター関連として本県配分の120億円を求めているが、満額を獲得できても用地取得費などが追加で必要となり、財源確保が課題となる。
 県は同日、同センターの基本構想を公表した。構想によると、全体の費用は概算で施設整備費100億円と10年間の運営費100億円(1年当たり10億円)の計200億円。県は整備・運営費用を国費で賄う考えだが、2カ所の用地取得費と運営に必要な人件費、放射線測定にかかる経費などはこれらに含まれず、今後膨らむ可能性が高い。
(2012年10月30日 福島民友ニュース)

 

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