2012-10-10 09:19 | カテゴリ:未分類

 

森林総合研究所が
 

梅雨期における渓流水中の放射性物質の観測結果

という研究結果を9月21日にプレスリリースしている。現在まだ観測の途中経過であるが、以下に要約されている。

  

     

森林総研--
 

  

このデータが何故すばらしいかを以下に述べたい。
   
昨年の福島産の玄米で、土壌のカリウム含量が十分
(K2Oとして25mg/100g土壌前後)であったにもかかわらず、放射性セシウム含量が500Bq/kg 以上の値を示した異常値玄米があった。
 
    その理由に関して、小生は、このWINEPブログで、過去の1960年代の天正清・三井進午らの東京大学グループの研究の知見から、この異常値の原因は、
  
イネの生殖成長期に突発的な高濃度セシウム汚染用水が流れ込んだり、高濃度汚染脇水が山からかかったためであろう」との仮説を提唱した。
    
 その後、研究者らによって色々な議論が行われてきた。

       

この小生の仮説を証明するためには、今年は、現地で誰かが降雨量が多いときに森林の湧き水や渓流水の放射性セシウム含量を測定する必要があった。森林の渓流水は、結局水田の用水に使われるからである。表3に抜粋して示す今回の森林総研の観測データは、その要望に的確に応えるすばらしいデータだと思う。
 
   
でーたけいりゅうSS--  

 

  

このデータからは、普段は検出限界以下(といっても1Bq/kg以下と感度が低い)であるが、大雨の日には森林から渓流に懸濁物質(表3のSSという略記のもの)が流れこみ、それに放射性セシウムがくっついているという結論が得られている。
  

  

このことは、稲の栽培期間中に、森林からの渓流水の懸濁物質(SS) が下流の農業用水に流れ込んで、結局田んぼに流れ込む場合があることを示唆している。また、森林の脇にあぜが切っていない隣接田んぼ(福島の谷内田はそういう田んぼが多い)がある場合は、森林の表流水が放射性懸濁物質と共にもろに田んぼに流れ込むということなのである。
 
 

  

だから、これが何百倍にも生物濃縮されて玄米に高濃度集積する可能性があるわけである。懸濁物質(SS)には放射性セシウムは大部分がイオン結合でくっついていると思われる。こういう結合の弱いセシウムイオンはイネの根によって容易に吸収されるのである。

 

これらの森林から流れ込む放射性セシウム対策を行わないと、いくら水田土壌を除染しても、決定的な防除対策にはならない可能性がある。近年は異常気象で福島県にも、年に何回か大雨洪水注意報が発令される頻度は高まっているので、なおさらのことである。
  

  

  カドミウム汚染水田の表土を剥離して、新しくカドミウム汚染していない山土を客土しても、用水のカドミウム含量が低下していないと、20~30年ぐらいでまた元のカドミウム汚染土壌に戻ってしまうという試算がある。それと同じことが放射性セシウムの場合も必ず起るだろう。
 
 

  

それにしても森林の空間放射線量が高い飯舘村の渓流のSSの放射性セシウム含量が高いのは、やはり残念ですね。この村はこれから広範囲に一所懸命水田の除染を始めようとしているようなのですが。。。。
 

  
(森敏)
 

追記:水戸の写真家の関根学氏から下記の連絡がありました。


  10
11日(木)の「ゆうどきネットワーク」1650~ おそらく17時すぎに、

「長泥地区内の溜め池内に棲む病気を患ったコイの映像」が出るそうです。 

 

森林の渓流から絶えず流れ込む放射能による皮膚の障害かも知れません。

 

秘密

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