2012-10-03 09:18 | カテゴリ:未分類

  

福島県産の「新米」から放射性セシウム
 

  

というタイトルで「週刊現代」(10月13日号)に長崎大高辻俊宏准教授らの研究が紹介されている。
 

要点箇所をコピーすると、
 

  

昨年、試験的に採取された米からは、1kgあたり357Bqという高い放射性セシウムの数値が検出された。厚生労働省が定める規制値は100Bq/kg。およそ3.6倍もの高濃度汚染である。」

  

という内容である。つまりこの記事は今年の新米について述べているのではない、ということに注意すべきである。この点では大きな誤解を生む過剰宣伝記事のタイトルといえよう。まだ現時点では、幸い今年の産米から100Bq/kg以上の汚染米を検出していない福島県にとっては、大迷惑な風評被害になりうる記事である。
  

  

それはそれとして、この研究は、総量36グラムのお米を、ずっと2分割法で篩い分けていって、3粒まで追い詰め、最後にわずか1粒のお米が2.9Bqという高濃度の汚染をしていた(ほかの2粒は合計でも0.0048Bq)ということを見出したという内容である。
 
  なので、その発見自体は、いろいろな意味で示唆的である。精密測定のためにはゲルマニウム半導体での計測時間が、延べ1週間以上はかかったと思われる。

   

こういう汚染米が出る理由について、小生の仮説を提唱する。こういう特殊解から一般解を導くのが科学であるからである。

   

この特殊な1粒の汚染に関して、高辻準教授は「外部から飛来してきた放射性物質がイネに吸着した」という可能性を指摘している。

   

このことを証明するためにはつぎの方法がある。一つはこの1粒(2.9Bq)をていねいに精米して、白米の放射能が他の2粒の白米濃度以下になるかどうか調べることである。
 

  

    もし両者が同程度ならば、前者は内部汚染ではないので、このお米がついていた稲株の穂の一部に汚染物質が飛来して、それが直接玄米の外がわの糠層のみを汚染したのである。

   

もしこの1粒の精白米が同じ0.0048を示したお米の精白米よりもはるかに高い値を示すならば、内部汚染なので、このお米は穂についた放射能を直接もみ殻から吸収して白米部分にも移行したのである。
 

  

この記事にも、汚染の可能性として議論されているのだが、これまでの土壌や玄米の測定データからは放射性セシウムの根圏から吸収した放射能が2.9Bq/kg14Bq/kg)にもなることはまったく考えられないので、問題はこの放射能がどこから飛来したのかが問題である。
 

  

分析したのはあくまで去年の段階のお米であるから、このお米を採取した田圃の付近に森林があればその葉などに付着したりしたものが飛来してきた可能性を否定できない。

   

    しかし、小生はこの放射能の起源は土壌だと思う。いわき市志田名地区はホットスポット地区であると記事には書かれているから、この汚染土壌に直接穂が浸漬した可能性はないだろうか? 昨年の観察でも、多くの福島県の田んぼが大雨や台風で倒伏していた。

   

さらに、このようなイネが倒伏した田んぼは、刈り取り時には稲刈り機が使えずに、手狩りで収穫した可能性がある。そうすると、いったん刈り取った稲の地上部を地面に置いて、後で乾燥のための“はざかけ”に回収するという作業工程になる。
   
 

  そうすると、多くの穂が土壌に触れての濃い放射能で汚染した可能性がある。昨年のこの地区での農家がそういう汚染防止対策の細かな神経を使った作業を行ったとは思えない。乾燥後の脱穀の工程で土壌汚染もみ殻から玄米糠層にセシウムの外部汚染をさせた可能性があるのではないだろうか。

    

  こういうことがありうるから、小生は最近のwinepブログでは、倒伏イネについて警告を発しているのである。手狩りであろうが、稲刈り機であろうが、イネの刈り取り収穫、脱穀時に決して地面に穂を接触させてはならない。

    

これが今回の週刊誌の記事から学ぶべき教訓だと思う。
  

 

     

(森敏)

 

秘密

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