2012-09-26 12:05 | カテゴリ:未分類

先日「チェリノブイリ原発事故汚染地帯からの報告」(Eテレ 10:10-)が放映された。低線量被爆地域のウクライナのコロステン地方で、事故後に生まれた子ども達の慢性疾患の異常な発症率、事故前の子どもの甲状腺癌、大人達の心臓疾患、白内障の多発、等が放映された。

 

25 years after Chornobyl Accident

Safety for the Future

National Report of Ukraine

 

にデータが掲載されているというとである(小生は入手していないので、どなたかpdfでおくっていただければありがたい)。
 

しかしテレビで紹介されたこれらの詳しいデータはほとんど、

Chernobyl Consequences of the Catastrophe for People and the Environment (Yablokov AV et al, ANNALS OF THE NEW YORK ACADEMY OF SCIENCES

Volume 1181)

という単行本に紹介されている。(ネットで無料でみられます)。

  

また、今年の2月にはウクライナのアカデミーの連中が郡山で以下の講演会で、日本に対して実に注目すべき重要な警告を発している。
   
   

再臨界防止」が急務 ウクライナの団体が郡山で講演会
 

ウクライナの原子力学会長・国立科学アカデミー原子力発電所安全問題研究所長のアレクサンダー・クリュチニコフ氏は11日、郡山市のホテルハマツで開かれた講演会で、東京電力福島第一原発事故に関し、燃料の核分裂の連鎖反応が再び起きる可能性を指摘し、「再臨界」の防止が急務と提言した。監視と対策のシステム構築を訴えた。 
 クリュチニコフ氏は福島第一原発1~4号機の使用済み核燃料について、チェルノブイリ原発で1990年に発生した核反応異常事象と同様の事態が生じる可能性が高いとの見方を示した。その上で、「燃料の監視システム、中性子吸収材緊急投入システムを開発し、再臨界を防ぐべき」と語った。また、チェルノブイリ原発で放射性物質の取り出し・取り扱い作業に必要な機能を備えた施設を2015年に完成させることを紹介。福島第一原発にも整備すべきと提言した。
 講演会では原子力や放射線、医療、農業の各分野の専門家5人が持論を語った。国家安全技術副博士のヴァレンティナ・ヴァシレンコ氏は「内部被ばくの記録を残しておかないと、復元は困難」とし、データベース形成の必要性を強調。ウクライナではホールボディーカウンターで60万件以上調べ、データを蓄積していることを説明した。さらに、食料品による内部被ばくは、住民に対する啓発を続けないと上昇する実態を示した。 

 講演会はウクライナの原子力学会と医学アカデミー主催。会場には県民ら約100人が訪れた。講演の終了後、専門家が来場者の質問に回答した。チェルノブイリ原発事故以降の病気の特徴に関する質問に対し、専門家が「事故処理に当たった人は専門的にチェックされている。肺や心臓、循環器系、神経系統の病気が明らかになっている」と答えた。(21012.02.12.11.22)

    
     

しかるに、日本のその道の専門家達は「福島県の放射能は大丈夫です、正しく怖がりましょう」といまだに云っている。ウクライナの低線量被曝による疾患増加のデータは疫学データとして批判に耐えるモノではないので国連で認められていないから、信用できないという言い方である。

  

最近は福島県でも、摂取食品からの放射能が少ないことや、、ヒューマンカウンターによる測定結果から住民の内部被曝が少ないこと等が、矢継ぎばやに当局側から報告されている。放射能の問題は今や短期決戦で片づく問題ではなく長期被曝にわたる問題なので、短期に安全を煽ることは長期には自縄自縛に陥る可能性を秘めていると思う。

    

このE―テレでの映像の中で一番ショックだったことは、心疾患を患っている年金生活者夫妻が、市場できちんと線量が低いことを検定した食品を食べているだけでは経済が苦しいので、自家菜園の野菜や、野いちごやシイタケを保存食として、放射能をチェックしないで食べ続けていることであった。

          

  山菜や自家菜園の食品が、放射能がノーチェックで食されていないだろうか? 市場に出る農作物はある程度品質管理されているだろうが、山野の土壌は全く品質管理されていないうえに、まだ放射能(セシウム)が土壌に十分に固着されていないと考えられるので、警戒が必要である。何度も繰り返すようだが特に山菜は。

          

    

   児童の疾患率

ウクライナのコロステン地方での児童の慢性疾患率の推移


   
  
(森敏)
 
追記:読者から、以下の文献を紹介いただきました。非常に読み応えがあります。是非ご参照ください。
 
[部分訳]ウクライナ政府(緊急事態省)報告書『チェルノブイリ事故から25年 “Safety for the Future”』より/翻訳「チェルノブイリ被害調査・救援」女性ネットワーク 2011年12月
 http://archives.shiminkagaku.org/archives/csijnewsletter_010_ukuraine_01.pdf
秘密

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