WINEPブログ
「石巻で本格稼働巨大円柱の正体は?」
というタイトルで先週号の週刊文春が石巻の仮設焼却場でガレキ処理に稼働する大型のロータリーキルンを紹介している。作業員によると一日に300トンのガレキを焼却できるので確実にガレキが減っていくのを実感できるのだそうである。
確かにエネルギーを使って日本の遠方に運んで反対運動に直面しながらガレキを処理するよりも、こういう施設を災害現場に早急に増設して現場近くでガレキ処理することがガレキ処理の最適解だと思う。
過去において、BSE感染牛が屠殺された後、セメント工場でこのロータリーキルン方式で滅菌焼却灰化されたことが農学関連の事件では記憶に新しい。
今回のこのシステムはロータリーキルンの出口にバグフィルターを着けているのでセシウムも99%以上がトラップ(捕捉)されて大気に放出されることがない、とのことである。
この手法がガレキ処理で最初に適用されるとは思わなかった。
実は小生は早くから放射性セシウム汚染表土剥離土壌のロータリーキルン方式による高温燃焼が減容化のカギではないかと提案してきた。その後「太平洋セメント」などが妙薬(実体は未公開)を添加して、ほぼ100%の放射性セシウムを1200度以上の高温処理で気化して、バグフィルターでトラップすることに成功しているはずである(彼らの研究内容が正しければ)。
であるから、この大規模な施設が、福島県のあちこちでも稼働すれば、剥離土壌や落ち葉などの脱放射能化がすすみ、汚染土壌の仮置き場の問題はかなり解決できるのではないかと期待している。 超高濃度に放射能汚染されたバグフィルターは、それこそ六ヶ所村で収納永久埋設できる規模だと思う。
同様に、放射能汚染落ち葉や将来の森林除染で出てくる伐採木材の焼却のための「木質火力発電所」を現地に未だに何故もたもたして造らないのか、行政の鈍感さにはあきれている。
(森敏)