2012-07-31 14:00 | カテゴリ:未分類

   下図は昨年耕作放棄水田で採取したアキノキリンソウのオートラジオグラフである。この田んぼの土壌の表面の放射線量は約8マイクロシーベルト/hrであった。
   
  葉も茎も花も一見均質に放射能汚染している様に見える。小生は現地で採取した各種の植物を押し葉にしてオートラジオグラフを作成しているが、これまでの経験では、これほど見事に全身汚染を示した植物はない。
  
 

アキノキリンソウ開花の部分---  
      下図左の花の部分のオートラジオグラフの拡大(黒く染まった部分が放射能の存在を示している)


  

アキノキリンソウ地上部像---- 原図アキノキリンソウ------
地上部のオートラジオグラフ(左)と、感光に用いた
その植物体(右)
 
    
  
  上図のオートラジオグラフの、非常に濃厚な大小の点々は、汚染土壌のホコリなどの外部汚染であるが、他は、根が土壌から吸収した放射能による内部汚染である。昨年の3月の東電福島原発の爆発当時は、この植物はまだ芽も出ていなかったはずである。

    

  なぜこの植物ではこんなに濃く放射能が体内分布しているのだろうか?
     
   
表1.放射性セシウム(Cs-137)の分布   
 

 

アキノキリンソウ

Cs-137Bq/kg

1801

3640

25014

 
   
  思うにアキノキリンソウは、根が土壌表層に浅く密集している。であるから、根が土壌の表層の浅い処に分布している放射性セシウムに接触する機会が多いのではないだろうか。
       
  それと、この植物は根から地上部への放射性セシウムの移行性が良いのではないのだろうか。学問的にはどのトランスポーター(膜輸送体)を使って、根の導管にセシウムを排出しているか興味のあるところである。

    

  茎、葉、花と上に行くにつれて乾物重当たりの放射能濃度が高くなっている。ここで云う花は萼・花弁・雄しべ、雌しべなどの総合した部分であるが、茎の10倍以上の濃度である。このように新生組織が示す濃い放射能分布パターンはカリウム(K-42)やリン(P-32)で実験した場合のパターンに似ている。
   
    花粉を測っているわけではないが花粉はここで云う花と同等の濃度だと思われるので、今年の秋には花粉は要注意だと思う。

      

   
(森敏) 
 
追記:アキノキリンソウではなくセイタカアワダチソウではないか?という疑問が寄せられていますが、それについてはコメント欄をお読みください。植物分類学の牧野富太郎先生も両者を峻別できていないようです。
   

秘密

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