2012-06-15 11:15 | カテゴリ:未分類
以下に今年ひたちなか市の社寺林のスギの樹の枝で発見したスギの奇形をお見せします。 
     
      スギは雌雄同種で、枝によって、雄花の枝と雌花の枝に分かれています。
     
      ことし、あらためてスギを観察すると、異常花(果)が見られました。
       
      すでにWINEPブログでも報告していますが、チェリノブイリ後ではスギやヒノキやマツの形態異常の発生が報告されています。
        
     この今回の結果も、スギの生長点が放射線で被曝したために、発生異常をおこしたためかも知れません。そう断言するためには、もちろん今後の多くの例証が必要です。
          
      ここのスギの放射能分析データは以下のWINEPブログにすでに掲載しています。ご参照ください。
       

       
IMG_2318----.jpg 
(写真1) この写真では2つの雌花(がさがさの松かさのようなもの)の上に複数の雄花が発生しています。 
   
左の雌花の下には2つの雄花が見えます。
    
通常こんな形態をまず観察した人はいないでしょう。
    
  
   
IMG_2322---.jpg 
(写真2) この枝のさらに全体像を見ますと、この2つの雌花は実は本来雄花が発生するべき分枝に発生したものであることがわかります。右の枝には雄花が満載されています。(先端部分は散っていますが)
   
 
IMG_2662---_20120614173020.jpg 

(写真3) この写真はまた別のタイプの奇形の例です。

この枝は左右に分かれていますが、枝振りが規則性がなく、全体的に異常です。左の枝の先端は一か所から、四方八方に伸びています。特に中央部の形態の異常が注目すべき点です。枝が伸びずにカルス化して、寸詰まりになっています。以下の写真のように雄花が整序性がなくランダムに凝集して発生しています。

   
IMG_2665---.jpg 
(写真4)雄花のランダムな発生。上の写真3の拡大図。

    
IMG_2688---_20120614173101.jpg 
(写真5)  写真4の中央部分の寸詰まりの部分を上から見たもの。写真で下側には雄花ができているが、写真の上側には雄花が壊死して散ってしまった様子が伺われます。
     
 IMG_2324---.jpg
(写真6) 正常な雄花を付けた枝(対照区としてお見せしています)
  
IMG_2323----.jpg 
(写真7) 正常な雌花を付けた枝(対照区としお見せしています)
   
      
この例のようにスギでは雌雄花(果)の形態異常が明確なので、今後樹木の放射線障害影響調査では、その気で探せば放射能汚染の各地で、同じような知見が続々と観察されてくるかもしれません。
   
生物の雌雄の「性決定遺伝子」の研究は近年急速に進捗しているので、性決定関連遺伝子のどこがやられているかを、検出するのはそれほど難しいことではないだろうと思われます。
   
      
(森敏) 
 
付記:

参考のために、いつも引用している書物である
 

Chernobyl Consequences of the Catastrophe for People and the Environment (A V Yablokov et al.)
 

には、以下の変異が列挙されています。症例を誤訳するといけないので、英語でそのまま載せます。我々が今回見つけた奇形は、この中に記載されている症状の中にふくまれています。

 

TABLE 9.12. Some Radiation-Induced Morphological Changes in Plants in Heavily Contaminated Territories after the Catastrophe (Grodzinsky,1999; Gudkov and Vinichuk, 2006)

 

Morphological changes

 

Leaves

Increase or decrease in size and quantity

Shape change

Twists

Wrinkles

Nervation break

Asymmetry

Thickening

Leaf plates inosculation

Fasciations and swellings

Appearance of necrotic spots

Loss of leaf plate

Premature defoliation

 

Shoots

Additional vegetative lateral and apex shoots

Impairment of geotopical orientationof the shoots

“Bald” shoots

 

Stems

Speedup or inhibition of growth

Phyllotaxis failure (order of leaf placing)

Color change

Loss of apical dominance

Dichotomy and fasciations

Change of intercepts

Swellings
 

Roots

Speedup or inhibition of growth

Splitting of main root

Death of main root

Trimming of meristem zone

Absence of lateral roots

Swellings and twists

Appearance of aerial roots

Heliotropism break

 

Flowers

Speedup or inhibition of flowering

Color change

Increase or decrease of quantity

Shape change

Defoliation of flowers and floscules

Swellings

Sterility


   

追記:上記の記事の一部は、以下のホームページに読者によって英文に翻訳されています。

http://ex-skf.blogspot.com/2012/06/radioactive-japan-professor-mori.html

秘密

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