2012-06-02 04:35 | カテゴリ:未分類

  発電所のなかでも、原子力発電所は地球温暖化問題で炭酸ガスを出さないからという理由で、大手を振って規模拡大してきた。しかし東電福島第一原発の大惨事である。
   
    その一方で、火力発電所は炭酸ガスの発生源として近年は肩身の狭い思いをしていたが、原発事故後は最も頼りになるエネルギー源としてここに来て少し息を吹き返してきた。
 

  

  実は火力発電所でも石炭火力発電所は、福島の放射能除染に少しは貢献できる場面があることが最近明らかになってきた。 そのことについてはすでに先日のこのWINEPブログで述べておいたことであるが、今一度説明しておきたい。
  
  
火力発電所から出てくる石炭灰(石炭の燃えカス)を、苛性ソーダ(NaOH)でゼオライト化して、人工ゼオライトを作ると、これが特異的にセシュウムを吸着するということが最近わかってきたのである(先日の第一回環境放射能除染研究学会)。 

  先日、小生はこの件で関連会社に取材した。現在実質的にゼオライト化された製品は、これまで用途がなくて製造中止寸前に追い込まれているとのことである。当初は年間8000トンの生産量であったのが、現在では年間3000トンまで生産が落ち込んでおり採算が取れていない。
 

  しかし人工ゼオライトの原料である石炭灰自身は火力発電の廃棄物として年間200万トンも生産されている。実はこれは現在、大半が震災・津波の被害地の復興のために埋め立てに使われていて、いまや、需要が追い付かない。だから会社としてはあえて売れない人工ゼオライトに加工する
必要がないとのことである。
    
  残念ながら電力会社には、原発問題で、被害者意識はあっても、他の諸々の企業のように「なにか企業としてできる場面で被害地に社会貢献しよう!」という意識がきわめて希薄なようである。
     
  セシウムの吸着資材として高い能力を持つこの石炭灰加工人工ゼオライトを、電力会社は福島の農家に無料で提供するぐらいのことをやってもいいのではないだろうか。

  人工ゼオライトの製造コストは1kg150円ということである。3000トン全部無償で提供してもたかが4億5千万円である。安い社会貢献であると思う。


  あまり電力会社に輸送費などでお金がかからないようにするためには、福島の汚染地のあちこちにバルクで人工ゼオライトを山積みしておいて、使いたい農家には無料で取りに来てもらうようにしたらどうだろうか。
 
  水田稲作農家が用水や溜池の出口や湧き水の流入口に袋ずめの人工ゼオライトを設置したり、谷内田の近接森林土壌に散布したりするのである。このようにしてイネが生長する幼穂形成・出穂・登熟・完熟期に周辺山林からセシウムイオンが水田に流れ込まないように予防的にゼオライトで吸着して除染する体制を取っておくのである。
  
  企業による社会貢献(CSR: Corporate Social Responsibility))は社長の鶴の一声で決まる。社会貢献は会社のイメージアップにもつながる。企業の宣伝費と考えればゼオライトの無償提供のための年間数億のお金は安いものではないだろうか?
   

  
  
  そういう流れができればすばらしいのだが、これは詮無い期待だろうか?
                 
森敏)
  

付記:放射性セシウム吸収抑制剤であるカリウム系肥料に関しては、地方自治体による以下の支援の動きが出ている。
 
 


 

全稲作農家にカリ肥料 中島村が新基準対応で無料配布 

(2012/06/01 10:35) 福島民報

 

中島村は31日までに村内全稲作農家約400戸に放射性セシウムの吸収抑制効果があるとされるケイ酸カリを含む肥料を無料配布した。村によれば全稲作農家対象の無料配布は県内で同村のみ。
 今年度当初予算で計上した約5,000万円をJAしらかわに補助金として交付、同JAを通じて10アール当たり20キロ入り肥料4袋を農家に配布した。
 同村の平成23年米からは放射性物質は検出されていないが、新年度から放射性セシウムの食品基準値が500ベクレルから100ベクレルに厳格化されたことから、安心・安全なコメ作りを推進する目的で実施した。
 この他、散布の費用補助として1袋当たり100円を農家に助成した。

 


 

秘密

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