2008-06-14 14:08 | カテゴリ:未分類

Cd吸収率

縦軸はCdの摂取量と排泄量の差を摂取量で除した値。

横軸は被験者の年齢。斜めの線は回帰曲線。

 

 

 

若い女性はカドミウムの体内集積率が高い

 

2008年5月に公表された食品安全委員会化学物質・汚染物質専門委員会が公表した汚染物質評価書(案)

 

「食品からのカドミウム摂取の現状に係る安全性確保について」

 

の中で、Cdの摂取量と排泄量の差を摂取量で除した値(これをバランス率と呼ぶ. グラフの縦軸で rate of cadmium absorption がその値を示す)のグラフが示されています。このグラフでは女性の被験者の年齢依存性を示しています。年齢(図の横軸)に依存してこのバランス率(縦軸)が徐々に低下していることがわかります。つまり、二十歳代の若い女性の方が60代の年寄り女性よりもはるかにCdを体に蓄積し易いということです。煩雑になりますのでここでは紹介しませんが、もちろんこのバランス率はCdの摂取量に強く依存します。

 

その上、人は鉄欠乏症条件下でCdを吸収しやすいということが研究の結果明らかになっています。Cdは人の場合DMT1という2価カチオンのトランスポーターを経由して腸管から吸収される。そしてこのDMT1は鉄欠乏で強く誘導されるのです。我々は植物であるイネでCd吸収実験を行った結果IRT1(2価鉄イオントランスポーター) を通してイネの根からCdを吸収するという事をすでにあきらかにしております。この点では人と植物はよく似ているようです。

  

日本の若い女性(20-30代)はダイエット志向で鉄の摂取量が足りないために潜在的な鉄欠乏性貧血症であることが、厚生省の疫学調査で明快になっています。ですから、Cdを体内蓄積しないためにも、緑色野菜をキチンと食べて鉄を常時摂取することが必要です。

 

お米は鉄含量が少ない上に精米すると約10分の1に鉄含有率が減少するので、お米からエネルギー源とタンパク源の過半を摂取するアジアの10億人が潜在的鉄欠乏症であると言われています。したがって鉄含量の高いお米が特にアジアで求められています。そういうお米を食べれば腸管からのCd摂取も抑制されるかもしれません。

 

(森敏)

 

 


 

 

 

秘密

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